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第11話 天才電脳少女、異世界温泉で少し自分語りする

 

 こんばんわ、遥です。今日はいっぱいがんばったので、少し眠いです。


 夕方の会議が終わり、技術的なことは、ばっちりです。マルティナさんが、そざいまほう?のコントロールで炎上騒ぎを起こして、兄さんにどつかれていました。


 黒い炎がかっこよく、キラキラしていると、兄さんは、「中二病は大人になったとき後悔するから、遥も気をつけろよ」と教えてくれましたが、わたし、知っています。「☆★魔界爆炎伝承 煉獄編」というタイトルの、ビーズがいっぱい付いたノートを捨てられなくて、押し入れの段ボール箱に隠しているのを。中を見ないであげたのは、わたしのやさしさです。でも、中学生の時の思い出を捨てられない兄さん、少しかわいいです。


 ただ、そのノートの下にあった、「あし〇〇48手、JSJCJK夢の競演」というDVDはなんなのかな?わたしてきには、昔の48(フォーティエイト)なアイドルさんたちだと思います。ろりこん(じゅん)さんに今度聞いてみます。


 ばんごはんを食べた後、今日はこちらにお泊りです。皇立学院の女子寮に泊めてもらいます。わくわくです。女子寮は、ガリー・ポッターに出てきそうな、素敵な建物です。小さな女の子がほうきで飛ぶ練習をしていたり、使い魔のねこさんがいたりテンプレ過ぎるね☆、と思わずつぶやいてしまいましたが、とてもかわいいです。


 兄さん、じゅんさんは、仕事場にある仮眠室で寝るみたいです。皇立学院は女子高なので、しかたないね。兄さんは「仕事場では椅子じゃないと熟睡できないんだ」と強がっていましたが、社畜って悲しいな、と強く思いました。


 えっと、マルティナさん、ポーラさんのお部屋にベットを置いてもらったので、これから3人でお風呂です。脱衣場に、がーごいるの像があって素敵です。


「ハルカ、皇立学院(ウチ)のお風呂は凄いのよ! 100人が同時に入れるくらい大きいし、魔導七大元素が溶け込んだ、魔導炭酸泉なの。疲労なんか、ポン! と飛んじゃうんだから」

 むむ、炭酸泉の本場、有間温泉に月に10回は行く、温泉マニアのわたしとしては負けられません。疲労がポン、なにやら、不穏な響きです……

「ふふ、ハルカさんも楽しみにしてくれているみたいですね」


 ポーラさん、インナーを脱ぎました。ふおお、さらに着やせするタイプのようです。わたしの計算では、V=3d*4/3πr3、おっぱいの角度、1.2ラジアンです!

 ……思わず興奮して、計算ロジックができてしまいました……マルティナさんは……よかった、安心です。


 広い湯舟に、体を沈めます。…………ふう、気持ちいいです。手や指の間から、七色の泡が立ち上っていきます。この世界は温泉もゲーミングです。嫌いじゃありません。わたし的に、78点をあげてもいいでしょうか。

「ポーラ~、また胸が大きくなったんじゃないの~? 私に大きくする秘訣を教えなさい! このこの」

「ひゃん!? マルティナさん、んうっ……やめてください……マルティナさんに揉まれるために大きくなったんじゃありませんよ?」


 わあ……マルティナさんが、ポーラさんの大きなおっぱいを、背後から揉みしだいています。いけません、R-15になってしまいます! でも、柔らかそうで少しうらやましい……


「……さて、こちらはどうかな~、すべすべお肌、触ってみたかったんだよねー、ふふふ」

 ふああ!? マルティナさんがいきなり瞬間移動して、わたしの胸を揉んできました!

 しかもそこ、敏感なところ……

 このままでは、R-18な展開に……


「マルティナさん? いい加減にしないと駄目ですよ?」

 すこーーーん!

「ふぎゅ」


 とてもいい音がしました。ドラゴンの紋章が入った洗面器が、マルティナさんの頭にクリーンヒットです。マルティナさんはぷかぷかと流されていきます。大丈夫でしょうか。


「もう、ごめんなさいね、ハルカさん。この娘、幼年学校の時に、好きだった男の子を、伝説の世界樹の下に呼び出して告白したのだけれど、「胸の小さい爆発女はちょっと」と断られちゃったんです。その後、巨乳女から胸を吸収する魔法を作るんだ、と意気込んでいるんだけれど、ご覧の通り、成果が出ていなくてw」

「その魔法、どうやって効果を確認しているんですか?」

「いつも彼女、私に試してくるんですけど、なぜかしら、私の方が大きくなってしまうんですw」


 それはたぶん、魔法的?な演算子を逆にしているんだと、はるか思います。 というかポーラさん、草生やしましたね?わたしもたまに兄さんに生やす (男なんやから、生えとるやろ! というカンサイ的な突っ込みは、NGです。)ので、分かっちゃいます。

 さりげなく、友人の恥ずかしい過去も披露してしまうとは、このお姉さん、なかなか強敵です!


「この娘といると、にぎやかで飽きないですから、私は大好きですけどね」


「……それよりハルカさん、ナオヤさんと一つ屋根の下に住んでいらっしゃるとか。おふたりは、本当のご兄妹ではないのですよね? 私、殿方とあまり触れあうことが無いので……私の家なら、お父様が許して下さらないと思います。ナオヤさんは、ハルカさんのお父様に信頼されておられるのですね……素敵です」

 ポーラさんは、恥ずかしくなったのか、話題を変えてきました。ポーラさんのおとうさん、厳しい人のようです。わたしは……


「……わたしのおとうさん、5年前に事故で行方不明になって」

「おかあさんも人の命がかかった、大事な研究があって、悲しんでいる暇がなくて……」

「ふさぎこんでいたわたしに、プログラムという翼を与えてくれたのが、兄さんなの。とても、感謝してる」

 ポーラさんは目を見開いて、とても申し訳そうな顔をしました。


「……ごめんなさい、つらいことを聞いてしまいました……ナオヤさん、良いひとですね」

「……うん、わたしは兄さんに恩返しがしたい……」

「……ナオヤさんなら、先ほど「遥に制服素足スニーカーで踏んでほしい!」と叫んでおられましたが」

「……踏むこと以外で」

「はい、踏むこと以外で、ですね」

「ふふ……」


 通常運転の兄さんを思い浮かべると、笑みがこぼれます。優しい時間が流れていきます。

 ……ちなみに、マルティナさんはポーラさんが回収してくれました。


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