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異世界でスカートめくり、めくりし者に吾輩はなる

作者: forusi


馬鹿と天才は紙一重というが、吾輩はその紙一重を超えられなかった馬鹿だ。

ゲームが面白すぎて吾輩を誘惑する。成績は落ち、薄志弱行で到底行先の望みがない吾輩。

スカートめくりを常習する理由としては、これほど納得するものもないだろう。

混雑する駅、吾輩は一人の女性を標的にした。白く長い髪、顔は容姿端麗、服は白いワンピース。

全体的に白い、若いくせに髪を白くしやがって、パンツまで白いか見てやるぜ!!

瞬間!!吾輩は全力で駆け抜ける、床をスライディングして女の下についた、余裕だ。

あとはスカートをめくるだけ!!

スカートは別に重くない、筋トレする必要もないほどに、毎日ゲームをして過ごしていてもスカートをめくるには力などいらない、重要なのは近づき、相手の防御を潜り抜け、だまし、素早くめくること。

しかし、この女のスカートはまるで鎧かなにかのようで、めくれない。最初に気づくべきだった、歩いていてもまったくスカートは動いていなかった。

床にのそべったまま、スカートのすそを掴んだまま問いた。

「貴女のスカートはまるで動かない、これはどういうことでせう。これではのぞけない」

その女、この問いに対してこう返した

「スカートめくりは相手の顔を見てするものでしょう」

そういえば今までスカートをめくってきて記憶にあるのは、悲鳴とパンツだけだ。被害者たちの顔は覚えていない。

「貴方はスカートめくりの何たるかを知らないのです。それほどの技術と才能があるのに。貴様はろくでなしだ、貴様のような人間は異世界送りにしてスカートめくりについて脳みそに叩き込んでやる」

差の女、容姿端麗な顔が小野妹子のような顔になった。するとあたりが真っ白になった。さっきから白多くない?

気が付くとそこは異世界だった。なんか皆が想像する異世界がそこにはあった。人それぞれに異世界のイメージがあるだろうが、万人がイメージする異世界がそこにあって、やはりそこは異世界だ。

とにかく異世界についた吾輩。一文無しの吾輩はとにかく町で金を手に入れることした。

町で最初に見つけた男に話しかけた

「吾輩と賭けをしよう、そこの女のスカートが風でめくれてパンツ見えたら俺の勝ち、パンツがみえなければ貴様の勝ちだ。勝ったら金をいっぱいもらう」

「こころえた」

風などない無風THE無風で勝てる賭けではないが、吾輩は風をおこせる。吾輩は一見デブだが、その腹には圧縮空気を詰めたボンベがあり、左手にしこんだチューブから噴射させられる。つまり、この賭け吾輩の勝ち。しかしこれは一回限りの使い捨て、しかし失敗などしない自信がある。

「いくぜ!!暗器風神めくり!!」

なにげなく、靴紐を結ぶふりをして女のそばでしゃがんで左手をスカートに向けて噴射、スカートは女の顔の高さまでめくれ上がる。そこにはパンツがあるはずであった。しかし、パンツはなかった。これは決してその女が履いていないのではない、パンツではなかったのだ。履いていたのはドロワーズ。吾輩、これまでパンツは見飽きていたのでこれにはテンション上がっていた。賭けにも勝ってドロワーズも見られた。先ほどスカートをめくれなかった腹いせには十分だった。

だが負けたはずの男は喜んだ。

「俺の勝ちだ愚か者めが、パンツだがなんだが知らねえが、風でめくれて見えたのはドロワーズだ」

「たしかに!!」

吾輩は一本取られた、女が履いていたのはドロワーズ、吾輩は負けたのだ。先のスカートめくりに次いで二度目の敗北に吾輩涙。

「さあ、払ってもらおうか、お金をいっぱい!!!」

金などない一文無しの無一文には無理難題。どう切り抜けるか無い頭を働かせて考えていると、吾輩が賭けに利用した女が吾輩を助けた

「私がお金をいっぱい払うわ。そこの御仁、付いてきてもらいたく候」

男に金を払い、吾輩を家に連れて行った女はこう話した

「私の名はコモイ=ノノオ。御仁が賭けを挑んだあの男は町では有名な屈強な筋肉の持ち主、金を払わねば御仁は命がなかった。そこで命の恩人である私の願いを聞くことは当たり前のことでしょう」

「そ……その通りです……はい」

「私の願いは親の仇をとること、と言いますが殺しを頼むというわけではありません、親の殺した女をどうにかして復讐したいのです。女の名前はクゾキ=ウョジイレ。クゾキは貴族の女、殺すにも護衛がいて、殺しを依頼しても金もないので引き受けてくれないのです。そこで、別の方法で復讐することにしたのですさきほど私にされたことをクゾキにしてもらいたいのです」

吾輩はこの頼みを引き受けるが、スカートをめくる風は使えず、代わりにスカートめくりをすること。そして少しばかりのお金を要求すると、それを了承してくれた。



満月の夜、吾輩はクゾキの屋敷で行われた宴に忍び込んだ、途中でそこら辺から服を盗み、周囲に溶け込む、吾輩ステルスゲーで予習済みである。

宴の中、クゾキと思われる女を見つけたり、なるほど両隣に護衛の兵士がいてこれでは正面から行けばさすがにめくることはできないだろう。しかし吾輩、正面へ近づく、さりげなく、さりげなさすぎて、存在感があるほどにさりげなく。

クゾキまで二歩ほどの距離で護衛の兵士に止まるよう忠告される

「これ以上近づくなら切り捨て御免」

しかし吾輩これ以上近づく必要などない、なぜなら吾輩には秘策があった。それは異世界に行った者が必ず持っているチート。これのおかげで二人までなら眠らせる魔法が使える。

護衛は眠った。残りはクゾキただ一人のみよ!!眠った護衛に驚き一歩下がったクゾキ、しかしさりげなく近づいた吾輩は左手で正面からスカートをめくろうとする。

「させないわ!!スカートめくりは幼少期から男子共にされてきたッ!!男子共を見返すためにここまで成り上がった私が!こんなところでスカートをめくらせるものかぁああああああああ!!」

スカートに伸ばした左手を両手で掴まれた。しかしこの左手はブラフ、本命は右手。クゾキの横から右手でスカートをめくった。スカートからパンツが姿を現したが、吾輩はパンツを見ていなかった。吾輩が見たのはクゾキの顔であった、恥ずかしそうにしている顔はパンツやドロワーズ、これまで見てきたどのような下着よりも素晴らしいものだった。クゾキは悲鳴をあげ、悲鳴を聞いた人が次々に現れた。

「長居は無用!!」


コモイの家に逃げ延びると、少しばかりのお金をもらった。コモイは感謝して泣いた

「ありがとうございます、期待してなかったけど本当にしてくれるなんて。これで親も成仏できるでしょう。ああ、貴方は偉大なる人。よっ!日本一!!!」

旅に出ることにした吾輩は異世界に来る前、小野妹子似の女から言われた言葉を思い出した。吾輩は今まで多くのスカートをめくってきた。しかし、吾輩は顔を見てこなかった。人と話す時ですら吾輩は顔や目を見て話すことはしてこなかった。大切なものを見逃していた、スカートをめくられた女の顔は価値のあるものだ、それに気づくのが遅かった。真のめくりし者は、パンツではなく、礼儀正しく顔をみるのだ。吾輩はこの異世界で一番の、めくりし者になる。



旅を始めた吾輩、目指すは都市、そこは人が多く栄えていると聞く。つまり女もいっぱいいる。スカートをいっぱいめくるぞ!!。


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