やって来ました、ISEKAI
2日目です! また明日にも投稿します!
さて、無事に異世界にやって来れたわけなんだけど、いきなり幸先不安でやばいです。
◇
「今日はいい天気、ユートも元気。最高の気分」
「はい。今日ほど気分が良く感じる日は久々です。きっとユーテリア様には太陽の神のご加護があるんでしょう」
外眩しいな! むしろ赤ちゃんには厳しすぎる日差しじゃないかな!
……まぁ別に良いけどもね。ていうか、さらっと言ってたけど太陽の神とかいるんだな。太陽の神というと……アポロンに天照大神、あとラーがそうだよな? 異世界の神となるとどんな感じなんだろうなぁ。俺としては人でも異形でも許容範囲だから問題ないんだけど。
月の神とかいないかな?
そんなことは置いといて……異世界って本当にすごいのな。俺が想像してた浮遊大陸とかは無かったけど、大陸は無かったけどもその代わりに浮遊城っぽいのが見えたわ。しかも、奇跡的に複数も。何この世界、当たり前のように城が飛んでる世界とかやべーな! 面白そうではあるけど!
「今日は珍しいですね、あれは何処の城でしょう? あっちは……まぁ、あの人のでしょうし、あの城はリーサリア様のですよね?」
「あの青い城はリースのであってる。あの汚い城もあの人のであってるわ。でも、あの城はわからない。あんな黒い城なんて見た事ない」
城の持ち主が母親の知り合いにいた件について。
そんなどっかのチャンネルみたいな決まり文句は置いといてだ。新しい名前だな、リーサリアさん、あだ名はリース。あと、あのボロそうな城の持ち主である謎のあの人。すごいね、うちの母親の知り合い。城の持ち主ってことは富豪なのかな?
……待て、あの青、というよりは水色の城が徐々に近づいて来てるような?
「アリシア様、そういえば今日はリーサリア様が来られる日では?」
「……忘れてた。そういえば今日だった」
母さん!? あなたはそんなおっちょこちょいな人だったの!? 人との約束くらい覚えてて!
ちょ、リーサリアさんの城がもう目前なんだけど!? 周りの家の人たちも見上げてるよ!?
「アリシアー! そろそろリースが来るぞー……ってもう外にいたのか。気づいてたのか?」
「………………うん」
母さん……嘘は良くないぞ。シルヴィアさんも思わず苦笑いしてんじゃん。
というか、この男の人は誰だ? 母さんを呼び捨てにするぐらいだから……母さんの兄弟か俺の父さんかな? 杖を持ってるあたり魔法使いだったりするのだろうか。
ちなみに、母さんのほうは帯剣している。剣士とかだったりするんだろう。
「おっ、なんだユートも連れて来たのか」
「ん。ユートが外に行きたそうだったから」
「そうか。よーしよし、良い子だなー。さすが俺の息子だ。リースも喜ぶぞー」
うん。この人撫でるの下手だわ。グワングワン頭が揺れてちょっと気持ち悪い。普通の赤ちゃんだったら下手すりゃ気絶してるんじゃないか?
……いっそ泣いてやろうかな。いや、さすがに子育てで迷惑かけたくないしな。
「ジャック、ユートが可哀想」
「う。そ、そうか。悪かった」
聞き分けがいいのはいいと思うぞ。……尻に敷かれるのは良くないような気がするけど。
そうこうしてるうちにいつのまにかさっきの城が自分たちの真上で静止していた。
「おーい! アーリィ!」
すると、城の方から女性の声がした。いや、待て。どうやって降りて来るつもりだ? まさか、この高さから落下して来るつもりじゃないだろうな。もしかしたら、飛行魔法とかあるかもしれないけど、それでもこの高さじゃさすがに……。
え、ちょ、え、なんか人影っぽいのが見えるんだけど? しかもその姿がだんだん大きくなって来たんだけど!? ……もしかしたりする?
「アーーリィーー! 後は頼んだ!」
いやいや、何を頼むんだよ!? 下手すりゃ死ぬぞこれ!?
「来て、ウィンディ」
「俺も手を貸すか。来い、グリ」
母さんと父さんがその言葉を言った瞬間、2人の持つ武器から謎の光が出た。その光はゆっくりと人影に向かうと思いきや――
突如、その光からまさかのドラゴンとグリフォンが出て来たではないか! 思わず変な喋り方したけど、いきなりすぎて驚くに決まってる。
「“成すは風”」
「“荒れ狂う風よ!”」
さらには、魔法らしきものさえ使う両親。魔法陣かっけぇ。
そのあと、その2体と魔法(?)はリーサリアさんの方へまっすぐ飛び、そして……
「わ、わわ、ちょ、ちょっと待っ」
……そのままリーサリアさんは木に突っ込んだ。
◇
「ごめんなさい。加減がわからなかった」
「そうだな。今までと同じようにやろうとしたら思いの外浮かせられなかった。すまん」
「いやー、いいのいいの。2人が現役から退いてもうかなり経ってるから、仕方ないよ。それより、シルヴィが抱いてる子ってもしかして……」
「そう。私たちの子供。将来有望」
そう、母さんが説明する。いや、将来有望とかハードル上げないで!?
とりあえず、適当に喋ってみる。
「あうお」
「「!?」」
「ね?」
え、ちょ、リーサリアさんはともかくなんで父さんまで驚いてんの。
「なるほど……確かに有望ね。大物になるわ」
「あぁ……アリシアは知ってたのか?」
「ん、さっき家の中でね」
「ふむふむ、ねぇアーリィ。この子の指導、私がやろっか? いや、違うわね。是非とも私にやらせて!」
なんで!? どうしてそうなる!?
「いいよ。むしろ、願ったり叶ったり。でもいいの?」
「いいのいいの。あっちに戻るより、こっちにいた方が楽しいし! とにかく、ちょっと準備して来るわね!」
「ん、わかった。待ってる」
そういって、リーサリアさんは城に戻っていった。いや、そのワープみたいなやつ使えるなら最初から使ってよ。毎回、飛び降りされてもみる方ヒヤヒヤなんだぞ。
それから、リーサリアさんの城は何処かへ行ってしまった。準備とやらを済ませるんだろうな。
……まぁ、すごい笑顔で気圧された感あるけど、別にいいや。なんか知らないけど、異世界で生活するんだから楽しんでいかないと!
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