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放課後の不思議

作者: にしき

 放課後の小学校。雨の中傘を差し、飼育小屋に向かう。飼育係の仕事である兎の餌やりの時間だ。

担任の先生から人参を受け取ってそれを持っていくだけ。僕がこの仕事を忘れたとしても、

後で確認にきた先生がやってくれるから別に問題はない。怒られるけど……

校舎から少し距離があるから、雨の日は特に面倒だ。


 飼育小屋まで行くのは面倒だけど、兎に餌をあげるのは楽しい。僕が手に持った人参を兎がかじっていく様子はとてもかわいい。でも最近は人参を持って近づいてもこっちを向いてくれず、どの兎も飼育小屋の外をじっとみている。その様子を見て、僕は今日も餌入れに人参を入れて帰ろうとする。


 飼育小屋から出るために扉を開ける際、ふと兎たちが向いている方向に目をやった。なんとなく、おかしな感じがした。兎たちの視線の先には大きな石がある。その石自体におかしなところはないのだが、

その石の近くの空間をよくみるとそこだけ雨がかかっていなかった。透明な物体があるみたいに雨がはじかれていた。


 落ちていた木の枝を拾い、おそるおそるその空間に近づける。雨がはじかれている空間に入ろうとしたところで、何かにぶつかった。やはり透明の何かがあるようだ。しばらく木の枝でその透明の何かをつついてみたが、変化はない。はじめはあったちょっとした恐怖心もなくなっていたので、僕は透明の何かを持ち上げてみようとした。


 あまり重たいものではないようなのだが、持ち上げることはできなかった。地面に固定されているような感触があった。それと、木の枝でつついていたときには分からなかったが、少し柔らかかった。ティッシュ箱みたいな形をしていて、縦長に地面に突き刺さっているようだった。


 がんばって地面から引き抜こうとしても上手くいかなかったので、僕はあきらめて家にかえることにした。兎たちは、透明な何かの方をずっとみていた。


 





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