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もう一回だけおねがい!

気が付くと淡い水色の瞳が覗き込んでいた。泣いていたのか若干赤くなっている。ユキの桜色のきれいな唇が動き、僕の目が覚めたのに気付いたようだ。


頭が柔らかい物の上に載っているので膝枕をされているのだろう、気持ちがいいのでそのまま身を任せていると、近くから「んっん」と咳払いが聞こえてきたので仕方なく身を起こす。


若干の打撲は残って居たが痛みはそれほどでもないので回復薬を使ってくれたのだろう。

服はボロボロでドロドロだったが、ミズハが《浄化》を使ってくれたのでサッパリした。


ユキとミズハに礼を言って改めて彼女たちと向きあう。

カレンは気まずそうにほっぺをポリポリしていた。癖なのかもしれない。


「ごめん、帰っていい?」


軽く死にかけたとあって若干冷たい対応なってしまったが、命がかかっているので許してほしい。


「まってまって、次は単体に攻撃できる魔術を使うからもう一回だけおねがい」

「……次はがんばる」

「ごめんね~」


3人とも結構気にしているようで、若干潤んだ目で上目使いでお願いされた。


僕も罪悪感が湧いてきてしまい、渋々ながら了承してしまった。


早速マナヒールを使う事にする。闘気は自分の物を使うので、今回はマナヒールを行うだけだ。


「それじゃあ3人とも魔力を補給するので手を出してくれるかな?」


「わかったわ」

「……んっ」

「はいど~ぞ」


順番に彼女たちに魔力を受け渡していると若干赤くなってもじもじしている。

照れられるとこっちもなんだか意識してしまって、照れ臭くなってくる。やめてほしい。

気まずいので話しかけて紛らわすことにした。


「今度はどうするんだ?」


カレンに問うと今度の作戦は一匹だけの敵を狙って行くとの事だ。

じゃあ探して来るから準備を整えておいてくれよといい、ゴブリンを探しに行く。


10分ほど探して一匹でいるゴブリンを見つける。


まだこちらには気づいていないようだが一度報告に戻るべきだろうか?

距離的にはあまり離れていないが時間がたってしまったのでうまく連携できるかあやしいところだ。

しかしいったん戻ろうと踵を返したところで足元で音を立ててしまう。


ヤバイと思ってゴブリンの方を確認するとバッチリ目が合ってしまった。


これはもう連れて戻るしかないな。


後ろをうかがうと一匹だけで追いかけてきたので何とかなるだろう。


彼女たちが見えてきたので声をかけた。


彼女たちは慌てて態勢を整えている。


そのとき先ほどの戦闘で抜かるんでいた地面に足を取られ体制を崩してしまい、ゴブリンに追いつかれ組みつかれてしまった。

このままでは魔術も当てられないだろう。


「ごめん!なんとかする!」


「今精神統一中だからちょっとまって」

「……同じく」

「わたしも~」


目の前に錆びたナイフを突き付けられている。


何とか引き離さなくてはならないがなにか方法はないだろうか?



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