二人の世界
諦めるしかないか。
ああなった妹はどうしようもない。あれでも僕の可愛い妹だ。見捨てるわけにはいかない。父や母のように。
「みんな話がある。僕は田舎に戻ろうと思う。」
もともと妹に人間社会に溶け込むなんて無理なんだろう、異質すぎる。あの村でさえああなってしまったのだから。
「いきなりで申しわけないと思うんだけど、もう限界みたいだ。今日でお別れになると思う」
ホントに勝手だよね最悪だ。でもこの妹を放置していると何が起こるかわからない。
気まぐれで簡単に冒険者などにならなければよかった。募集があってまいあがってしまった。
「みんなも危険な冒険者よりもお嫁さんの方が似合うと思う。みんなこんなに素敵だから。」
みんなの命がかかっている。逃げ出そうとした村のみんなも永遠に眠ってしまっている。
「根無し草みたいな生活より。家庭も持って幸せになったほうがいいと思う。」
一番輝かしい一瞬を棒に振ることはないのだ。僕は妹を一人にはしておけない。世界に一人だけにはできない。
「みんなの子供はきっとかわいいだろうね」
ほんの短い間だったけどありがとう。とても楽しかった。
「それじゃあ僕たちは行くね」
みんなごめんね。さようなら。
カレンたちが何か言っているが振り返ってはいけない。妹が後ろにいるのだ。
どんな顔をしているのだろう?やっぱり寂しいよね?短い間でも仲間だったのだから。
「二人で仲良く暮らしましょう?世界には私たちだけでいいのよにいさん」
楽しそうな妹の声が聞こえた。世界を滅ぼすなんて言い出さなければいいけどね。
すみません終わりです。読んでくれてありがとうございました。
妹と仲間どちらも選べなかったのでバットエンドになってしまいました。
読むのと違って自分で書くのは大変ですね。
また機会があれば書いてみたいと思います。




