わすれてないよね!
未踏破エリアの探索をしている僕たちだが妹の使い魔をつかった地図作成でそれほど困る必要がなかった。
戦利品も多く迷宮探索のだいご味がでてくる。まだギルドには素材を収めていないのでまだしばらくは四十階層の解放が知られることはないだろう。
しかし今までいかにもな迷路だった迷宮も徐々に様変わりしている。
迷宮の核に近づいている為か不思議な地形も増えてきた。
今歩いているのは辺り一面砂だらけのやたら暑い場所だった。迷宮の中なのに太陽が出ている。
「やたら暑いし砂だらけだしなんなんだろうね」
「砂漠ですよ。にいさん」
常識ですと妹の声が聞こえる。妹は完全に僕の影に入っている。
二人で同じように育ったはずなのになんでそんなこと知ってるんだ?謎だ。
みんな暑さでかなりまいっている様だ。
みんなぐでっとしている。中でもカレンが一番ひどい。なんというかはだけている。
火を扱うのにふしぎだね。
「みんな休憩しよう」
日陰を作ってユキに氷を出してもらう。みんな氷に張り付きだして異様な光景だ。
上着を脱いでいるので若干すけている。嫁いり前の娘がこれはひどい。
リーダーとしてちゅいいするべきだな。うん。けして指摘されて恥じらう所が見たいわけじゃない。
「みんな暑いのはわかるけどもうちょっと恥じらいをもとうよ」
みんなキョトンとしている。ん?男に見られたら恥ずかしいよね?きゃって隠してみよう。さあ!
「僕。男の子」
自分を指さしてアピールしてみるも反応がわるいみんなは一斉に首をかしげている。
ちょっと待ってくれ。僕。男の子だよね?忘れてないよね?
ホントに男だよな?ペッタン。よし。あ…ない? え? ないの?いつからない?
なんだかくらくらしてきて膝をついてしまう。だめだ。もうめまいがひどくていしきがたもてない。
「ちょっと大丈夫?」
ほほをぺしぺしされて意識を引き戻される。どうやら意識が飛んでいたようだ嫌な夢だった。
カレンが僕を覗き込んでいる。膝の上に頭を置かれているせいでカレンの胸元がやけに近い。
してない…よね?カレンの汗のにおいにくらくらしてくる。
「僕も男の子なんだけど?」
恥ずかしくなってふざけてみると。カレンは笑いながら。
何言ってるの君はどう見ても女の子じゃないとカレンが笑う。自分の体を見おろす。
ぺったん。よし! あ…な…い?ない? ゆめじゃなかった?
僕は女の子だった? くらくらする。 もう寝てしまおう。
きっとまだ夢の中だよね?
目が覚めたらいつも通りに…




