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つかいま!

探索開始から十日が過ぎた。


妹がガリガリと地図を作ってくれているので探索もはかどっている。


まだ他人が切り開いた地域を探索しているので収穫はほとんどない。素材は順調に集まっているけどね。


最近ミズハの元気がない。まだ使い魔が見つかっていないのだ。

どんな魔物がいいのか妹に尋ねてみてもそっけない態度しか返ってこない。


「気長に探せばきっとミズハにあった使い魔がみつかるよ」

「ありがと~気長に頑張るよ~」


ミズハはにこにこと返事してくれるがやっぱり元気がないようだ。

水の魔力にあった使い魔ってどんなものがいるんだろうか?迷宮にいるのかね?

正直いつになるかわからないので気持ちを切り替えて元気を出してほしい。


妹が黒猫を抱いてごろごろさせている、わざとやってないよね?

黒猫は妹以外には体を触らせないのでみんなチャンスをうかがいつつもうまくかわされている。


気を取り直して探索に励んでいると妙な縦穴にでくわした。明かりで照らしてもらっても上が見えない。

妙な胸騒ぎを感じるがかすかな水音だけしか聞こえない。


どこかから水がしみだしているのだろうか?


このまま踏み込んでも大丈夫か?


「蝙蝠に調べさせますから踏み入れないで下さいね」


妹がそういうと蝙蝠が闇の中に飛んでいく。姿が見えなくなったところで妹が眉を顰めた。

何かあったのだろうか?


「何かいますね」

妹はそういうと闇の中を見つめている。


カレンに頼んで炎を打ち込んでみる、ジュっという音がして炎が消えた。


水音はまだ続いている。


反対側の通路までは10メートルほどだ走ればきりぬけられるだろうか?


覚悟を決めて闘気をまとい走り抜けてみる。何も起きない。平気だろうか?


こうしていても仕方ないのでみんなに合図を出し突破させる。ヒカリ、ユキ、カレン無事だった。


しかしミズハの順番にベジャリと重々しい音を立てて何かが降ってくる。


巨大なスライムだった。ミズハに纏わりつきズルズルと這いまわっている。


カレンとユキが咄嗟に焼き払おうとするが慌てて止める、

ミズハに張り付いているのだ。危険すぎる。


手をこまねいてみているとミズハの顔が苦しげに歪み喘ぎをあげている。

体を締め上げ、ミズハの豊かな双丘を押しつぶしている。おいやめろ。


僕はスライムに飛びつきミズハを引き抜こうとするが圧倒的に力負けしていた。

僕もとらえられ締め上げられる。こいつ魔力を吸っている?力の抜けるような感覚が襲う。


ミズハの顔色がみるみる青ざめていく。

咄嗟に魔力を受渡しスライムから全力で魔力を奪ってやる。


しばらく拮抗していたが妹が寄って来てさらに魔力を吸ってくれたおかげで均衡がくずれ。

みるみるスライムが小さくなった。


ヒカリがミズハに回復魔法をかけているとどうやら大丈夫の様だ。


手のひらで救えるぐらいになったスライムが未だにミズハに向かっていく。しつこい奴だ。


とどめをさそうとするが妹にとめられる。


「にいさんこの子は彼女の魔力ととても似ている性質を持っているようですよ」


この子なら使い魔にできるかもしれません。そうといつもの興味なさげな感じに戻ってしまった。


僕はミズハを見る。彼女も黙ってスライムをみていた。

そしてなにやら決心したようにうなずき。


「この子に決めます。使い魔にします」

妹にそう告げた、妹は頷くと目を一瞬光らせて何やら唱えている。

ミズハとスライムを囲うように何かの陣が浮かび上がり赤く発光した。


「これでこの子は彼女の使い魔です。これでいいですかにいさん?」

頷くとミズハを見る。ミズハもうなずいてありがとうとつぶやいた。


「ひゃ」

ミズハから可愛い悲鳴が上がるとスライムが胸元に飛び込んでいた。うらやまけしからん


カレンに頼んでこっそり焼いてやろうか?

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