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じゅうりん!

妹と黒猫が鼻歌を歌いながら進んでいく。


時々なぁと鳴いて罠やら敵やらを教えてくれる。斥候役をやってくれるなら迷宮に入る前に言ってほしかった。

初めはおそるおそる進んでいた僕たちだったが。

彼女達もだいぶ慣れてきたのか魔物の倒し方を工夫し始めていた。


初めは素材を焦がすから駄目と言い聞かせて大人しくさせていたカレンが焦れはじめ。


「要は傷が少なければいいんでしょ。」


炎をこよりのようにドンドン細くして真っ青に燃える針を作り出していた。

運悪く出会ってしまった魔物は大きなネズミだった。胸に針が刺さりしばらくすると内側から燃えてしまった。

魔石までまるこげになってしまった魔物を見てから、カレンをみつめているとほっぺう膨らませてそっぽを向いてしまった。別に責めてはいないんだ。ホントだよ。


その後むきになったカレンと触発されたユキとミズハは残酷なキリングマシーンとかし。

迷宮内を蹂躙しまくった。方法はちょっと僕の口からは言いたくない。


僕と明かり係のヒカリはトボトボとついていくだけだった。


一つの大広間までたどり着く。酷い匂いだった。天井には千を越える赤い瞳が並びキィキイいっていた。


黒猫がなぁと鳴くと一斉に飛び出していった。どうやら蝙蝠だったようだ。


あっけに取られていると妹に羽ペンと紙の貼ってある画板を渡される。

イミワカンナイ。


「なにこれ?」


「地図ですよ」

そんなこともわからないんですか?ヤレヤレ。呆れた顔で見られた。

ヤレヤレはやめなさい嫌いです。


妹の目が赤く光ると羽ペンが急にガリガリやりはじめた。

使い魔の目を通して地形を把握する魔術です。


「猫を用意しておいたんですけど優しいにいさんが逃がしちゃいましたからね」


蝙蝠がみつかったので代用出来てよかったです。とクスクス笑っている。

ぐぬぬ。反抗期か?魔力の濃い迷宮は居心地がいいのかもしれない。

首に抱き着いてこないしね。別に寂しくないし。


「水晶庭園に戻って休憩にしよう。」


休憩を提案するとみんな賛成してくれたので移動する。便利でいいね。

こんな穴の中で何か月も過ごすなんて迷宮攻略者はすごいね。


屋敷に戻ると妹が背中にくっ付いてきた仕方のない奴だね


今日は探索を終えよう。


地図ができれば楽だしね。妹にミズハの使い魔の件と合わせてお願いしておこう。

困った顔をされたけど性質の似た魔物がいたら試してくれるそうだ。やったね!





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