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とりあえず狩ってみよう!

「その格好で討伐に?」

僕が若干呆れながら問うと、そうですけどそれが何か?と言う顔をされたので思わずため息をつく。


「この制服は由緒正しい魔法学校のものよ。魔法銀の糸が織り込まれていてその辺のアイアンメイルより頑丈だわ」

心配しなくても平気よ。と意気揚々と出発する彼女らについて肩を落としながら付いていくことになった。

今日はゴブリン討伐依頼なので深入りしなければ大丈夫だろう。危ないようだったら止めないとな。


初めての狩りに楽しそうに向かう3人娘の後を追いながら違和感を覚える。


「あの、ミズハさん?それはいったい」

「ミズハでいいよ~、エストくん。それって~?」

「わかったミズハ。いや、そのさしてる傘」


日傘だよ~。とニコニコしながら答えてくれたが。いやまあ僕だって日傘自体は知っている。

さっきまで手ぶらだった彼女がどこから持ってきたのかと思っていると。カレンが口を挟んできた。


「なに君、アイテムポーチしらないの?」

「……便利」

「みんなもってるよ~」


そんなことも知らないのかヤレヤレみたいな顔をするな。

僕だってアイテムポーチ位は知ってるさ。

空間魔法で容量と重さが軽減される便利アイテムで最高級品になると時間まで固定される物もある。

ただ結構な値段で普通はパーティ共用で中堅以上の冒険者が持っているかどうかという感じだ。


3人とも個人で所有とかやっぱりお嬢様なんだなと、改めて痛感する、やっぱり不安すぎる。


そんなこんな彼女たちと話しながら歩いて一時間。、

今日の狩り場予定地である大森林との境界付近が近づいてきた。

狩り場についてから彼女たちとどのような作戦で戦うのか聞いていなかったのに気づく。


「もうすぐ着くけど、どうやって狩りをするんだ?」

「近づかれる前に中級魔法で吹き飛ばすから平気よ」

「それはいいけど、どうやって見つける?」

「私たちが準備して待機しているから、君がおびき出してくれればいいわ」


ん?僕がおびき出すの?いやいやいや僕はマナヒーラーであって斥候職ではないんだが。

早くも破たんが見えてないか?


「ちょっと待ってくれ、僕は斥候職じゃないし誘い出しなんてやったことないんだけど?」

「私たちは精神集中が必要だしあなたしかいないじゃない?」


とりあえずやってみましょ?とニッコリされるとどうしようもない。ほんとに大丈夫か?不安なんだが?


「あっハイ」

そんな可愛い笑顔を向けられたらそう答えるしかなかった。

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