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しりあす!

僕達は迷宮都市への入り口に立っていた。地下百階層以上に及ぶ巨大な迷宮の上に立つ巨大な都市。

迷宮の恩恵は計り知れないらしく首都以上の賑わいを見せていた。


巨大な魔力溜りに生まれた澱みが結晶化して核なりそれを中心に異界が広がって居るのがこの迷宮だ。

挑戦者には富か死かいずれかを与え続けて自分を育て守り続けている。最下層には誰も到達していない。


僕は兄妹水入らずの旅についての感想をカレンに伝えるとほっぺをポリポリやっていた。


しつこい謝ったでしょとはぐらかされたが彼女たちは迷宮対策に何やらやっていたようだ。

今の彼女たちの実力ならかなりの深さ魔物まで戦えるがどうしたものか。

水晶の庭園を手に入れたし安全に休めるが迷宮の罠や迷路は危険だ。


彼女たちには命を落としてほしくない。


「ひとまずどこかで食事にしよう」

みんなに声をかけ食事をとる。迷宮産の素材なのだろうか?


「カレンは迷宮に潜るつもりはあるのか?」


「そりゃ、冒険者としては一度は挑戦したいんだけど?」


「未踏破エリアまで行くとなるとかなりの時間がかかるぞ?転移魔法を使っても戻ってくるまでに何か月かかるかわからないがそれでも行くのか?」


「ユキやミズハも考えてみてくれ」

僕は冒険者にはなったがどうしたかったのだろう。妹やヒカリはどうしたいのだろう。

妹を背中に張り付けながら僕は真面目な質問をしてしまう。

ヒカリは嬉しそうにデザートを食べているが三人は渋い顔をしてしまった。そろそろ三人が冒険者になったわけを聞いた方がいいのだろうか?


しばらく沈黙が続いたので思い切って聞いてしまった。

「三人が冒険したかった理由はなんだったんだ?」


三人は俯いてまた黙ってしまった。言いづらいことなのだろうか?

いつもニコニコしているミズハもしょぼんとしているし。

ユキは何やら思案している。

カレンはほっぺをポリポリしている。

妹とヒカリはいつの間にかデザートをお代わりしていた。自由だな。


僕たちは冒険者を続けていけるのだろうか? 魔王でも現れないかね?

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