おさかなたべたい!
この街にいづらくなってしまったのでみんなに旅の提案をしてみる。
でも反応はあまりよろしくない3人とも渋い顔をしている。
特に首都に僕の装備を見に行きたいと言ったら猛反対された。しばらくごねていると、終いにはもうあきらめて今のままでいいでしょと押し通されそうになった。
首都は何か都合が悪いのだろうか?大方カレンたちの事だし何かやらかしたのだろう。
だったら南はどうだろう。大きな港町があり活気がある。溜まってしまった素材も売り捌けそうだ。
僕の故郷も途中の山奥にあるしこっちを押してみよう。
そういって提案してみると好感触だった。
「港町ならいいわよ。一回行ってみたかったしね」
「……おさかな食べたい」
「珍しい紅茶が手に入るそうです~」
海で水着がなんだとはしゃいでいる三人を見ているとこちらもうれしくなってくる。
僕の故郷にも寄っていいことになり僕も大満足。
よし早速乗り合いの陸船を予約してこよう。明日には出発だ。
翌朝、陸船乗り場に行くとテイムされた10頭のウルフ種のモンスターが舌を出してへっへとやっている
陸の上を浮く船を引っ張ってくれるのだ。風の魔法か何かで浮いているのだろうか不思議だね。
急に旅立つ事になったのに多くの冒険者が見送りに来てくれた。普段いがみ合っていても大事な仲間だもんね。
カレンもうれしそうにイーって挑発しているし冒険者も一触即発だ。唾なんか吐いて照れ屋だね。
ユキはウルフと見つめ合っているしミズハはにこにこしながら手を振っている。
ミズハには手を振り返す冒険者がいる胸か?そうなのか?カレンだって手に余るぐらいの美乳だぞ?ユキは膨らみかけだ!差別を僕は許さないよ。
僕は相変わらずカレンの背に貼りついて身を隠している。兄としてこの醜聞は広がってはいけないのだ。
そうこうしているうちに陸船が出発する後ろの船頭さん?も女の子だしやっぱり魔力で何とかしているんだろう。
僕の村がある山の最寄りの街まで徒歩だと10日、陸船だとひとり銀貨10枚で3日だ。
僕は来るときは乗れなかったので今回が初めてだ。でも一回通った道なので寝てしまおう。
楽しみすぎて寝れなかったのだ。荷物も5回確認したしね。
途中何回か揺り起こされた気がするが起きれなかった。カレン達が盗賊を蹴散らしたそうだが、後ろにつながったおっさんがそうなのだろうか?きになるけど普通のおっさんだったら困るので干し肉を投げてみた。
拾って食べていたので多分盗賊なのだろう。
何事もなく無事に最寄りの村までついて折角餌付けした盗賊ともお別れだ。潤んだ目で見られたが助けてはあげられなかった。カレンに妨害されたからだ。きっと奴隷として鉱山に売られてしまうのだろう。
山の麓から僕の故郷の村まで約一日山登りをしてようやく到着だ。
相変わらず人の姿は見えないけれど妹は元気だろうか?早く会いたいな。