だが私はあやまらない!
先に謝っておこうと思う。ただ僕たちには悪気はなかったのだ。
それだけは信じてほしい。
貧乏な田舎者と金銭感覚のズレたお嬢様。そう調子に乗った僕たちはやり過ぎてしまった。
おいしい狩りを発見して自重もせずに一か月間狩りまくった結果。
僕たちは素材の買取市場を崩壊させてしまい冒険者に恨みを買いまくってしまった。
僕たちの素材は外傷が少ないために品質がいい。瞬間冷凍だしね。
それが大量に出回ってしまったため他の冒険者の買取が下がってしまったらしい。
それでもさばききれない素材があるのだが、アイテムポーチに入っているため痛みはない。
しかし僕たちは成長した。多くの犠牲を払ったが得たものは大きかった
魔法を思い切り撃てずにイライラしていたカレンはいかに効率よく解凍するかということにハマり、今では筒状の炎を操って焦がさずに素早く解凍ができるようになり魔術のコントロールが目覚ましく成長を見せた。
解体も上手くなったし。褒めると怒り出すけどね。
ユキはいかに素早くきれいに凍らせるかにこだわっていたので魔法の効率が著しく上がっていた。
今までも大胆なところがあったけどさらに大胆になってきた気がする。
ミズハは水を広範囲に大量に生み出すかに重点を置いていたみたいだ。豪雨並に振らせるぐらいはできそうだ。暇な時に農作物に水を与えて感謝されてるようだ相変わらずにこにこほわほわなのでそのうち豊穣女神扱いになるんじゃないだろうか。
そして僕も成長した。オークに追いかけられまくった逃げ足と持久力。ギルドで僕だと特定されないようにカレンの後ろに引っ付いていたら逆に面倒なロリコンに目をつけられてしまい逃げ隠れしていたら気配が消せるようになっていた。解体の腕も著しく上がった。もはやプロでも行けるかもしれない。
逃げ遅れて凍らされたり火加減を間違って焼かれたりしているうちに気が付いたけど魔術を吸収して闘気を回復できるようになったみたいだ。解体中も闘気が回復していたし魔物の魔力も吸い取れるみたい。
どうでもいい事を長々考えていたが今はギルドでカレンと絡んできた冒険者が揉めに揉めている。
今日の分を収めようとしたら因縁をつけられた。それでも毎日平気で収めちゃうのがユキのすごいところだ。手続きが終わって戻って来たので撤収しよう。
僕は女装がばれたらまずいのでミズハの背中に隠れている。情けないけどバレたら終わりなんだ。
今日の巻く場所はどうするか頭が痛い。
宿に戻ったらみんなと旅に出ないか相談してみよう。素材でお金は貯まったしまだまだ売りさばかないといけないしね。そろそろ男物の装備と妹にも会いたい。二カ月しかたってないけど里帰りもいいとおもう。
毎日鏡の前でにぱってしてると妹を思い出す。
カレンは存在を疑ってるけど居るものは居るのだ。