いつかの僕
「やめて、気持ち悪いっ!」
……。
「アンタの偽善に、私がどれだけ苦しめられて来たと思ってんの?」
……なんで。
「本当に気持ち悪いの。本当に鬱陶しいの」
……なんで、そう言うの?
「ズケズケと……私は誰にも知られたくなかった「私は死ぬまで忘れていようとしていたの「助けなんか、求めてない「こんなのあんまりだよ「……最低「アンタなんか、大ッ嫌い」
……なんで、なんでなんでなんでなんで――。
――なんで、君はそう言うの?
「……赤の他人が、私に構わないで!!」
赤の他人……僕は赤の他人なのか。
そうか……僕は、赤の他人だったのか。
ズガッ……ピーピー、ガシャンッ。
アップデートヲ行イマス。
僕は赤の他人だ。だから関わらない。誰も、信じない。
誰も、誰も誰も、誰も? 誰って誰? 誰とは何? 何に関わる? 何を信じる?
ピーピーピーピー。
エラーエラーエラー。
エラー、何モワカリマセン。
もう何でもいいや。なんだっていいや。
僕は結局、他人なのだから。
――プツン。
アップデートガ完了シマシタ。
「二度と私に関わらないで――!」
「うん、もう誰にも関わらないよ」
…………アップデートガ、完了シマシタ。