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妹を庇って死んだ俺、辺境伯令嬢に転生する ~第四王子になった妹を迎えに行きますわ!~  作者: ふぃる汰


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6話 領民情報



「うむむむむ……ダメですわ~っ! 美柑が転生してそうな子供の情報が全くもって見当たりませんの!」



 オレが夏山彪牙の記憶を取り戻してから1週間ほどが経過した。

この世界で今まで通りシィナ・ゼテールとしての日常を送りつつ、妹の美柑が生まれ変わっているであろう人物を探すために色々と行動して情報を集めていたのだが、結果はあまり芳しくない状況だった。



「ゼテール領の領民情報はこっそり確認させていただきましたが、そのような子はいませんでしたわね……かといって他のエリアの領民情報は見れませんし……」



 領民情報というのは、前世の知識で例えれば役場などで確認できる戸籍謄本のようなものだ。

爵位を持った貴族が王国から領地を管理する任を受けて領主となり、自身の管理する土地で暮らす住民の情報を扱っている。

つまり、ゼテール領主であるルトヴァン・ゼテール伯爵の娘であるこのオレ、シィナ・ゼテールも、それなりにうまいことやればゼテール領の領民情報だけなら確認できるというわけだ。



 領民情報にはギフトを持っている人であればその辺りの情報も記載されている為、条件を『現在3才かつギフト持ちの子供』に絞って調べてみたのだが、そもそもギフトを持っている3才児が領内に一人もいなかった。

というか、ギフトを持っている領民自体が自分を含めて十数人しかいなかった。

まあ、それくらいギフトが使える人というのは希少ということではあるのだが……



「はあ、この世界のギフト持ち3才児全てを条件指定して検索できるようなシステムがあれば一発なんですけども……」



 今オレが暮らしているクレイン王国内だけでも全てを調べるのは難しいうえに、美柑が他の国や隔絶地域の部族集落で暮らしていた場合は領民情報のようなもの自体無いかもしれない。



「年が離れているとはいえ、同じタイミングで一緒に転生したわけですし、近くに転生させてくれてても良い気がしますの」



 コンコン。



「シィナ様、飲み物をお持ちいたしました」



「あら、ありがとうアイラ」



 ゼテール家の書庫でギフトについて書かれた古い教本を読みながら悩んでいると、メイドのアイラが紅茶と一緒にお茶菓子代わりのアパルスの実を切って持ってきてくれる。

領地の多くが農業地帯になっているゼテール領では、いつでも新鮮で美味しい食材が採れるのでお菓子よりもこういった果物をおやつとして食べることが多いのだ。



「そういえばシィナ様、聞きました? タオ第四王子が初めてギフトをお使いになった話」



「いえ、知りませんでしたわ……それはめでたいですわね」



 オレが転生してきた国、クレイン王国を治めるベガス・クレイン王には4人の息子……つまり王子様がいる。

長男のバシム第一王子、次男のハイカー第二王子、三男のリューキ第三王子、そして末っ子のタオ第四王子だ。

4人の王子は全員ギフトを授かっており、タオ王子以外の3人は既にギフトの発動に成功して能力も判明していた。

この度、物心ついたタオ王子がめでたくギフトの発動を成功させたということで、王都から出された号外のチラシがゼテール領にも届いたらしい。



「タオ第四王子のギフトはどのようなものでしたの?」



「なんでも、手からお花を一輪出したとか」



「まあ、手からお花を……素敵なギフトですわね」



「しかもそのお花が立ち合いの皆さま誰一人として見たことのないものだったらしく、タオ第四王子に聞いたところ『タンポポ』という異国に咲く花だと仰っていたそうです」



「タンポポの花……」



 そういえば、美柑もタンポポが好きだったなあ……あとヒマワリとか。

やっぱ色がミカンっぽいからかな。



「……ん? タンポポ?」



 この国に無い花を、タオ第四王子がギフトで出した……?



「ア、アイラ? タオ第四王子は、今年でいくつになられたのでしたっけ……?」



「二月ほど前に3才になられました」



「そ、そうですか、3才に……」



 …………。



「見つけましたわ~っ!」



「シ、シィナ様っ!?」




————  ――――


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