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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
6 執行人の激動

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99 『影の試練場』1番『王都(裏)再現区画』

鉄格子を潜り抜けた先はな、まぁ…地下深くだから『大広間』みてえな綺麗な場所じゃねんだよ。

超広大なドーム型をした、『地下空洞』…。


結局、超巨大な地下洞窟みてえな感じよ。


「はぁ…ここよぉ、グラオザーム家の俺が言うのは変だがよ。そこらの石壁に一定間隔で取り付けられてるさぁ、飾り気もねえ鉄製の『永炎の燭台プィロルクス・カンデラ』から出てる、『永久』の刻印の刻まれてる青白い炎の不気味な明かりしかねえだろ?薄暗くて、ああ…あれだな。一般校舎の魔術科の区画の遺跡洞窟みてえで不気味。違うな。この『影の試練場』を想起するから、あの場が最初嫌だったんだよ。」


床は、ひんやりとした冷気を放ちやがる、クソ冷てえ磨き上げられた黒曜石の一枚岩。

そこをなぁ…歩くたびにコーン…コーンとこれまた不気味に反響しやがるし、俺の声も辺り一面にやたらと反響して、魔術も魔導具も使ってねえのに、広範囲に音やら声が無駄に良く響きやがる。

ったく、想像してみろ?だだっ広い洞窟には明かりが、よりにもよって暖色ではない、寒色の青白い炎の燭台…。

不気味だろ?


「そうですか~?私はこの薄暗さが好きですけど~。天井なんてはるか高いですし、まるで夜空のように暗闇に溶けていて…ある意味で幻想的…。うへ、ぐへへ。レグルスさ~ん!ここ怖~い!ごヴぇ!?」


…こいつ、マジでクラートみてえな変な声出すようになったなぁ!?気色悪い!小突いてやったわ!…が、しがみついてきてくれてこれも良い…。

こいつ見た目がバカみてえに良いから…なんか可愛い…。


「レグン、てめえの何だかここ3日程度で本性を顕わにしたよなぁ?変な声も一緒に反響してやがるがなぁ?」


まぁ…レグンの言う通り、天井は見えねえ程高くてな、そいつを数十本もの、巨大な石柱(御影石)が、あの天井の見えない闇を支えてんのさ。


…ここは『石造りの螺旋階段』とはちょいと違ってな?空気は乾燥し、冷え切ってんだわ。

まだ夏休みも近い夏場だぞ?頬を冷たくぴりっとした、この乾燥した独特の冷気…。


「は?変な声とは一体何の事ですか?あらあらまあまあ?私のこの可憐な美貌と同じく、私が喋り、反応を上げる音色、全てが美しいんですけど?ああ!な~るほど!レグルスさんでも私の音色に情欲しちゃったんですね~?や~らしい!!ぐへ。ぐへへ。レグルスさんが私に情欲…。へへ、うへへ。ごヴぇ!?」


「だぁ!レグン!あんまり変な妄想してんじゃねえ!?…そうだな!俺もてめえに少なからずや~らしい感情は少なからずあるわ!恥ずかしい事を言わせんな!あ。」


…小突くと同時に、俺とレグンの他愛もねえ会話がめっちゃ反響してやがる!?まさかこんな異質な空気感を放つ『影の試練場』でこんなくだらねえ会話をする事があるなんて、思ってもみなかったわ!!


「ふふ。ああ…とても仲がよろしそうで。本当に愛し合っておられているのですね?レグルス様にレグン様。…ローズクォーツ様もそこに加わります。大変でございますなぁ。レグルス様。どちらの女性もしっかりと愛してあげなくてはいけませんね?ふう…このわずかな土と、金属の匂いが混じる場所で…ふふ。痴話話ですか。とても奇妙で、しかし非常に愉快でございます。」


相変わらずその紳士な対応をしてる癖して、からかいが混ざってるんだよ!アウロラぁ!!

余裕そうに手を後ろに組んで、1番区画、『王都(裏)再現区画』まで前を歩きやがって…。


「ちっ!その通りだ。アウロラ。…俺はローズクォーツと婚約契約を、2年燦爛クラスの、アルタイル・ムート会計…ローズクォーツの兄さんに話を通して、ムート侯爵に準備を進めてもらっている。そんな状況でレグンを愛してしまった。ああ…収集つかねえよぉ!」


「レグルスさんが私を愛してる…。うへへ。」


…なんでマジで『影の試練場』というこの異質な執行人エクスキューショナーとして、『執行部隊エクスキューション・スクワッド』の過酷な訓練場で、こんな話してんだぁ?









さて、この広大なドームの『地下空洞』は各それぞれの演習場に続く、玄関口でしかない。

『影の試練場』はな、5つの区画に分かれてんだよ。


1番:『王都(裏)再現区画』

ここは王都の、あの入り組んだ裏路地や、王都外の貴族の屋敷の廊下、下水道などを、寸分違わず再現した、立体的な迷路メイズ区画なんだよ。

まぁ…侵入、追跡、逃走、奇襲など…とにかくあらゆる『執行』『暗殺』のための訓練が行われんのさ…。

ああ?裏社会のゴミ共はこういう見えにくく、迷路のような場所に潜み隠れ、特殊な合言葉を使い、自分達の側かを確認する。

それなしでの侵入する者を、迷路のようになってる場で隠れて潜んでゴミ共が抹殺しにくるんだよ。

そういうクソったれを再現したのが、今から向かう場所さ。


2番:『無音区画』

ちっ!ここは魔術師である俺にとっては天敵だ。

一切の魔術が使用不能になる、特殊な結界石『無力化の結界石レモラ・ロークスラピス』『宝玉等級:ルビー』が埋め込まれてやがるんだからなぁ!

だがな、裏住人共は違法の魔導具やらを使い、魔術を無効化する結界なんかを張ったりしてきやがるからなぁ?『宝玉階梯:ルビー』だろうと、それをやられると不利になる…。

だから、ここで『宝玉部会:サファイア』の戦闘部隊や、『執行部隊エクスキューション・スクワッド』に稽古をしてもらう純粋な白兵戦・暗器訓練場だ。

ここで俺やチタニアは、音もなく敵を制圧する技術を学ぶんだよ。

ま、チタニアは戦技はねえが魔術での白兵戦、暗器武具を使って殲滅する接近戦タイプだが。


4番:『ゴーレム起動室』

その名の通りだ。

ここはな、魔物で言うとサファイア級や、何ならルビー級の強さを誇る魔導ゴーレムが待ち構えてんのさ。

裏住人共のゴミでも、俺らのような強者はいるからなぁ?そんな奴らでも始末出来るように訓練する場だ。

ついでに言うとなぁ…音もなく忍び寄り、奇襲を仕掛けてくる『影のゴーレムウンブラ・ウェナトル・イマゴ』『宝玉等級:サファイア』なんてのもいるぜ?

はっ!裏住人共のお得意芸だなぁ?だがそいつは俺ら、執行人エクスキューショナーのグラオザーム家の専売特許なんだよ。

てめえら如きの甘っちょろい、奇襲やら暗殺なんざでやられるか、クソが。

後は…高速で移動する『光の的』を起動・管理する部屋がある。

ここでは正確に攻撃を当てるための訓練場でもあるんだがな。


5番:『コロッセオ型演習場区画』

恐らくここが一番まともな訓練場だろうよ。

コロッセオ、と言う言葉を除きゃ至って普通だ。

上記3つの特殊かつ、過酷な訓練場も良いがな、癖が多すぎるからなぁ。

だから、通常対人戦やら、魔術の基礎訓練が出来るよう、学園の[カエルス演習場]みてえな感じの、通常の演習場もある。







んで、この巨大な地下ハブから、5つの区画へと道が分かれていやがんのさ。

1番から5番にかけて時計回りのように、区画への道がある。


1番:『王都(裏)再現区画』は、この『地下空洞』の左下側だ。

今はこの無駄に広い空洞に全てに、ご丁寧に冷気を放っていやがる、黒曜石の一枚岩の床をコーン…コーンと響かせながら、歩いて向かってるわ。

はっ!こんな異質な洞窟空間なのによぉ?本当に丁寧な人の手入れが入った空間をしてやがる。


「ふふん!レグルスさん!1番区画私も入りましたけど私も入りましたけど~城下町の裏道って感じで探索楽しかったで~す!う~ん!我が家さ~いこう!!ごヴぇ!?」


…はぁ!?探索して楽しんでたぁ!?ここは楽しむ場じゃねえぞ!この得意げな顔をしてるレグンの頭にゲンコツだぞ!?


「レグーン!!戦闘部隊や、『執行部隊エクスキューション・スクワッド』が訓練する場で何やってんだ!はぁ!?アウロラ!気づいてたのに勝手を許しすぎだろう!?」


「うへへ。小突かれてたぁ…。だから良いじゃないですか~!?我が家ですし~!!!そうでしょ~!!レグルスさん!恋仲!もう私の家~!!」


ああ…また駄々こねてよお…。

まぁこの堂々と怖気づに楽しんでくれてんなら良いけどよお…。


「まあまあ、レグルス様。別に悪い事をしてるわけではありませんし、レグン様のようなお美しい方を見れて、我がグラオザーム家の誇る『執行部隊エクスキューション・スクワッド』や戦闘部隊も、癒されておいででしたしね。少しは彼らもより、闘志が燃え上がったでしょうね?」


…気に食わねえなぁ?レグンは俺の物なんだが?


「ああ!な~るほど!私を取られるかもしれないと不安なんですね~!か~わいい!!…あ、あれ?小突きが来ないですねえ?あれがないと何かモヤっとするんですが?」


…俺に引っ付いて歩くまだ幼さとあどけなさを残すレグン。

でもこんな感じだが、俺と同じ境遇の…少女を取られたくないと言う嫉妬か。

ローズクォーツはよくこんな俺を許してくれたな。

情けねえ。


「ああ…。そういう事だ。レグンを取られたくねえ。嫉妬だ。」


…ポカンとした顔だ。

可愛らしい。


「…ごほん。それにしてもよお?ちょうど反対側にある5番の『通常アリーナ型演習場区画』からよぉ…。さっきからブリッツシュラークの雷の魔術が響いてんだが…。あいつ規格外の力を持ってやがるから『執行部隊エクスキューション・スクワッド』が焼かれてねえか不安なんだが?」


…実のところ、『影の試練場』の玄関口の『地下空洞』から雷の音が右側の5番口からずっと響いてるんだよ!

バチンっ!ズガガガアンっ!って反響してんだが?


「ブリッツシュラーク様には加減をお願いしておりまして、『第5階梯』以上の魔術は『第5階梯:雷:メギンギョルズ』のみです。まぁ…それでもあのお方を前にしては、我が精鋭部隊でも歯が立たないのですが。なので、ブリッツシュラーク様に対抗できるレグン様は、言い方は悪くなってしまいますが、どうしても我がグラオザーム家にいて欲しいお方なのです。レグルス様。ローズクォーツ様もそうでございますが、どうかレグン様を大事にしてあげてください。」


…アウロラめ、ハッキリとレグンを戦力扱いした言い方はやめてほしいんだがぁ?


どうにも今日はアウロラの様子がおかしく見えるのは…気のせいか?妙な気配を感じる…気がする?


「おいアウロラ。言われねえでも当然、大事な存在だからなぁ。守ってはやるさ。はぁ…レグンは『緋色の魔術師団』まで入団できる俺より格上の実力者だからなぁ。…可愛いのになぁ?」


「ひえ!?か、可愛い…。れ、レグルスさ~ん!この女たらし~!ごヴぇ!?」


失礼な言い方したらゲンコツだがな。

…だから小突かれて満足げな表情をしてんじゃねえよ!




はぁ…とにかくそうこうしてる内に1番の『王都(裏)再現区画』への入り口前だ。


入り口の見た目ねえ…。

ああ…まるで、本物の王都の巨大城門のような、巨大な石造りのアーチをしてんぞ。

このアーチの上には、王都の紋章が、あえて『ひび割れた』デザインで刻まれているんだわ。

けっ、趣味が悪いよなぁ?紋章がよ、光り輝く太陽と、剣を組み合わせたデザインをしてんだが…太陽がひび割れ、剣の刀身も半分でポッキリと真っ二つ。

日が失われ、暗黒の時代でもやってくるってか?


この入り口のアーチの向こう側は、冷たい霧が立ち込めててよ、奥が見通せねえようになってやがる…。

まさに日が失われた感じだよなぁ?気味が悪い。

雰囲気がよお、ここから先は『戦場』であると告げるような…趣味の悪い威圧感のある入り口だぜ。


後は…入り口の傍の洞窟の岩盤…まぁ、これは特に加工もされてねえが…本館でも使用されているような玄武岩って感じか?

そこに各区画を象徴する色の『光石(ルーメン・ラピス)』が取り付けられ照らされてるわけだ。

ここは一応王都を象徴している。

だから…ここは日の光を現す、向日葵色ひまわりいろだ。




「…レグルスさん。あの…ここ4つしか区画の入り口しかないですよね?…3番の…あの…。」


…レグンにしては歯切れが悪いじゃねえか。

まぁ…そうだろうなぁ。

済まんな、気を遣わせてよ。


「3番:『拷問(尋問)区画』の入り口だな?ここは『影の試練場』、演習場ではあるが、3番だけは違う。さっきの『影の試練場』に入るための鉄格子の門があるだろ?そこを少し左側に歩くと…あそこだ。見えづらいだろうが、あそこの岩盤にあるポツンと立つ、褐色のウォールナット材の扉…。防護障壁の刻印が刻まれているが、あれを開けると、更に地下に続く灰色の階段がある…。それを降りきると、『拷問(尋問)区画』、及び無骨で頑丈な漆黒の牢獄部屋がある。…各区画の入り口には、『光石』があるが、3番には何もない。

…レグン。気晴らしでここに来たんだ。今は、へっ!『王都(裏)再現区画』でこのちょいムカつく、アウロラと軽く手合わせしようじゃねえか。」


「…ふふん!では行きましょう!遊びに!」


はっ…良い顔になったな?レグンには笑顔が似合う。


「………………私が悪役ですかな?では…体を動かしましょうか。いつまでも事務をしていると鈍ってしまいますからね。レグルス様のお力をお見せ下さいませ。では、参りましょう。」


アウロラが先に奥が霧で覆われた巨大なアーチを潜って行った。

なら俺達も行くとするかねえ。


「行くぞ。レグン。」


「あらあらまあまあ!うへへ。レグルスさんにエスコートしてもらってる~!」


はぁ…何を言ってんだこいつは。

俺達もまた、このアーチを潜り、1番:『王都(裏)再現区画』へと入った。







霧の濃い奥を通り抜けると…王都の裏路地を、不気味なほど完璧に再現してやがる、石造りの迷宮だぜ。

はっ!…遥か頭上は暗い岩盤に覆われ、日の光は一切届かないぜ?まぁ、地下空洞だから当たり前だけどよ。

ああ…唯一の光源はなぁ?壁に埋め込まれた『光石(ルーメン・ラピス)』が放つ、ぼんやりとした青白い光だけだ。

まぁ…敢えて言うなら、学園の演習場にもあるが、修復の魔力を放つ鮮やかな色を誇る、宝石のように煌く『紅玉石ピュリフィコ・ルーベルラピス』幾つも天に浮かんでいる。

薄暗え…ここは本当にアウロラの得意分野の場所だなぁ?


先に立って待っていやがる、アウロラが言う。


「ふうむ。私ではレグン様のお相手をするには荷が重いですが…。レグン様?先ずはレグルス様との手合わせを、ご覧になりますかな?」


はぁ…勝手に話を進めやがって…。

こいつ強者の圧力があんのに、殺気って言う物を出さねえから質が悪い。


「は~い!!分かりました~!!レグルスさ~ん!頑張れ~!」


何でてめえは元気なんだ…。

手を振ってやがるし。


「はいはい。レグンにあんまりカッコ悪い姿は見せられねえからなぁ?んじゃ、やるか。アウロラよお?」


全く…帰ってから連れ出されたからなぁ?装備が整ってねえ。

学生服のズボンのベルトに取り付けてある、ヒップホルスターから『灯火の星(ルチェルナ・ステラ)』『宝玉等級:エメラルド』を引き出す。

ま、後は『空間拡張』の『宝玉等級:アメシスト』の巾着袋…『空間巾着袋スパティウム・サックルス』『宝玉等級:アメシスト』にポーションが幾つか…。


「ふふ。ええ。では、レグルス様。軽く参りましょう。」


んでアウロラの野郎が、どこに隠し持っていやがったんだか…持ちてから刃にかけて鎌のように歪曲した、カランビットナイフを取り出す。

持ちての下に指を引っ掛けるリングがありやがる…。

刀身が鈍色にびいろと暗い灰色。

…おいおい、その装備、ズルくね?


その短剣よお?『夜陰切除よかげせつじょ』『宝玉等級:ルビー』じゃねえか!!

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