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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
5 執行人の魔術科指南

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91 魔術科指南最終日

「では騎士科の稽古は終了したが、まだ最後に君たち2人、魔術科指南が残っている。まだ気を引き締めるように。そしてレグルス。昨日の処刑…ご苦労だったな。君には負担をかけさせてしまった。とは言え、それはそれだ。では、魔術科まで向かいなさい。」


…先生はそう言って出ていってしまったか。


「レグっち~!最終日頑張ろ~!」


ブリッツシュラーク…てめえは殆ど場をかき回していただけで、何もしてねえだろ!?


「ブリッツシュラーク…てめえ、最後くらいは役に立ってもらいてえがな。」


さてさて、ローズクォーツとレグンの2人を『蒼穹の隠れ家アズール・ハイドアウト』のある5階『星屑の回廊』まで行かねえと。


はぁ…処刑と言い、そしてレグンとの口付けと言い、何でこの1週間は波乱万丈なのかねえ?


「レグっち~。どうせレグンっちともキスでもしたんでしょ~!?そんな顔をしてる~。」


…ちっ、なんでこいつはそう言う部分だけ鋭いかねえ…?


「だったら何だ?クラートみてえに責めるか?ブリッツシュラーク?二股をしたってな。」


ついぞ最近マジで苛ついてるから、きつく当たっちまったなぁ。

こいつにも色々と世話になってるから、あまり恩を仇で返すような真似はしたくはなかったが…流石に昨日の公開処刑で一気に精神的疲労が押し寄せてきてるからなぁ?


「ブリッツシュラーク…てめえ、人を何人殺した事がある?てめえの家は主にド派手な魔術で魔物掃除が稼業だ。こちとら、魔術科指南の4日目の朝、そんでもって昨日の公開処刑と言い、幾数百人ともぶち殺してきた。レグンも同じだ。…そうだ、傷の舐め合いだ。昨日駄々をこねてきてな、今度こそ放っておけなくなった。ちったぁ気が安らいだぜ。口付けをした瞬間な。」


ああ…何だか目が淀んでる気がするぜ。

だが…あの処刑をする事になっちまったのは、俺がローズクォーツを愛してしまった事が原因で起きてしまった。

彼女の事もまた…責任を持ってやらないといけねえ。

ローズクォーツの背後に俺と言う危険人物が、グラオザーム家が逆に彼女の重りとなってしまっている。


ちっ、クラートとほぼ同じ状態になるとはな。


「別にあたしは~、責めてる訳じゃないよ~。それでレグっちの気持ちが少しでも安らぐならね~。…レグっち~。あたしはね~、正直ここの燦爛クラスや、七公爵家以外どうでも良いんだよね~。だからさ?人を消し炭にして殺した事もあるけど~、何とも思ってないんだよ?ただ燦爛クラスや七公爵家の人脈繋がりで出来たさ~?人はとても大事~。だからローズっちもレグンっちも大事な仲間になったの~。レグっちが連れて来なければさ~、この2人もどうでも良かったんだよね~?

…ど~かな?レグっち?か~なり怖い顔をしているよ~。」


…こいつ、かなりヤバいな。

正直に言って、本当に何も思ってねえみてえだなぁ?


「ブリッツシュラーク…てめえ、俺を挑発してんのか?あの2人をもしも怪我をさせてみろ?殺すぞ?」


こいつは俺より遥かに格上だし、家の順位もブリッツシュラーク家が2位と上だ。

掟を遵守する俺が、こいつに何も非がないのに攻撃したら、大戦争になるが…しかし、もうあの2人は俺の家族も同然。

その言葉は許せる物じゃねえなぁ?おい?


「あたしはね~。燦爛クラスのメンバーとさぁ?本気の勝負をしてみたかったんだよね~。クラっちが女の子遊びに興じちゃったからさ~?張り合えるのがいなかったけど~、今のレグっちなら少しは張り合えそうかな~?」


…ただの挑発、もしくは俺が人殺しをした事の虚無感を少しでも、自身に向けさせるためのものか…。

だが俺の執行人エクスキューショナーとしての感が告げている。

アトリア・ディ・ブリッツシュラークは燦爛クラス、及び七公爵家とそれに連なる人脈以外本気でどうでも良いと。


苛つく。

俺がまだ微妙に人間性が残っちまってるのに、こいつは俺以上に平然と殺しをできるのか。


「…もう騎士科の稽古が終わった。昨日までは[アウグストゥス大広間]だったが…今日は[カエルス演習場]だったなぁ?てめえ、あまり俺を舐めるなよ…?」


かなり目を淀ませ、睨みつけてると思うぜ…クソったれめ。


「…にっひっひ~!お優しいレグっちに出来るかな~。ならさ~、レグンっちと挑みかかってきなよ~。恋仲になっちゃったみたいだしね~?レグンっち、元はと言えばさ?あたしと戦おうとしてたみたいだし~?ね~?ど~する?」


「っ!!ブリッツシュラーク!!!いい加減にしやがれ!!やらせるわけねえだろうがぁ!!」


この野郎!本気で言っているのか不明だが、相当俺をブチ切れさせたいようだなぁ!

…今日は広い場所だから、下位と中位クラスも一緒にいるか…。


しかし、いくら模擬戦の体で殺し合いをするつもりかよ?

巻き込みかねないか…。


「あれ~?どうしたの?レグっち?お優しいね~?あれだけの殺戮と~、公開処刑までして女の子を守るとかさ~、笑えるね~。」


…ああ?地雷踏んだぞ、てめえ。

ちっ、目を細めてニヤッとしやがって…。


「ブリッツシュラークうう?…てめえ、何で急に俺を怒らせにかかったのか知らねえが、ちと覚悟しろおお?くそがぁ?」


「くっく…笑っちゃうよ~!!レグっち。その怒った顔~。面白いね~?あ、この会話さ~、学生証の魔術刻印、『念話』状態にしているからさ~、『蒼穹の隠れ家アズール・ハイドアウト』にいるレグンっちにもさ、あたしたちのピリついた会話が聞こえてる~。あっはっはっは!!あれ~小突かないの~?レグっち。」


…ヤバい、やめろ、これ以上俺から奪うな。


『…レグルスさん。私むかついたんでやっちゃいま~す!!ああ!な~るほど!独占したいあまり私を傷物にしたくないんですね~!でも…レグルスさんとなら、やれちゃいま~す!!』


『うふふ。レグルス公爵様がここまで私たちを大事にしていただいてますとは…。ある意味ブリッツシュラーク様には感謝でございますね…。』


最悪だ、こいつの規格外ぶりには2人を…いや、ローズクォーツは戦うタイプじゃねえから、レグンが危ねえ。

やってくれたなぁ?ブリッツシュラーク…!!冷や汗が止まんねえよ。


「あれ~レグっち?ど~したのかな?呼吸が荒いし~、冷や汗もすごいね~!あっはっはっは!!あれ~また小突かないの~?あれだけ殺戮しておいてさ~?」


こいつ何度も煽りやがって…どことなく影のある表情でニヤつきやがって…。

いや、とにかくそれどころじゃないか。


「ブリッツシュラーク!ここでの口論はとりあえず終いだ。くそ!先に[カエルス演習場]に向かってろ!」


もうブリッツシュラークに構うことなく急いで、教室を飛び出す。










5階『星屑の回廊』まで階段を駆け降り、『蒼穹の隠れ家アズール・ハイドアウト』の急いで隠し扉を開く。

…程よい薄暗さ、着席テーブルの『永遠の燭台』の薄っすらとした炎の灯り具合…窓に映るは魔術で夜空が常に広がっている…。

俺もすっかりここの常連だ。


…はぁ、カウンター席で、案外2人共落ち着いているか…。

はは、相変わらずレグンは『星屑のソーダ』を飲んでいるのか…。

飲むと口の中で、小さな光の粒がぱちぱちと弾ける炭酸飲料だっけかな?俺も処刑する寸前までここで引きこもって、それを飲んでたぜ。


ローズクォーツは…軽食の『ドライアドの果樹園から届いた糖蜜漬けの果実』だったか?それは。

酸味のある果実が、とろりとした蜂蜜で程よい美味になってるんだよなぁ…。


「ああ…2人共平気そうだな。ローズクォーツ、済まんな。最後の最後まで迷惑をかけている。この処刑劇のせいで、より一層居場所がなくなってしまったよな。ブリッツシュラークの言う通り、公開処刑までした男が女を守るなんて笑えるな。しかもレグンとも口付け交わす大馬鹿もやったしな。」


クラートの事を言えなくなっちまった。

彼女の居場所を滅茶苦茶にしておいて、そりゃねえだろ?って話だよな。


「いいえ、元はと言えばレグルス公爵様を無理に引き寄せた私が悪いのですわ…。むしろレグルス公爵様に負担をかけさせてしまっているのは私です。それに…家族も同然、怪我をさせたら容赦はしないというお言葉…嬉しく思いましたわ。」


そいつは違うよ…ローズクォーツ。

無理に引き寄せたんじゃねえ、ローズクォーツのおかげで俺は救われたんだ。


「済まねえ、優柔不断な男でよ…。そしてレグン。てめえも大事だ。その通り、傷物にさせるわけにはいかねえ。俺の様に苦しんでいたレグンを…見捨てるなんてできねえからな。はっ!俺もレグンに救われたのさ。ズカズカと乗り込んで、互いの傷の見せあいをしてな。」


レグン、これから先もきっとお互い殺しと言う運命からは、逃げられないんだろう。

だからこそ、俺の理解者、共犯者として、居場所を作ってやらねえとなぁ。


「うへへ~、ありがとうございま~す!じゃあ頭を撫でてください!これからブリッツシュラークさんと真剣勝負をしないといけないんで~!レグルスさんと共闘するシチュエーション…。さ~いこう!!」


全く…相変わらず元気だなぁ?こいつはよ。

仕方ねえ、頭を撫でてやる。

…俺もなぁ、レグンと共闘、相棒として戦うシチュエーションは嬉しいが、何せ相手が悪すぎる。


「俺もレグンと共闘するのは心が躍るがよ、ブリッツシュラークは正真正銘の規格外だ。『始まりの杖イニティウム・バクルム』『宝玉等級:トパーズ』で簡単にアストリッド師団長の最高位魔術、『第6階梯』を簡単に打ち破れる相手だ。俺の魔術もあまり効果がなかったしな。」


ふっ、撫でられてにへらと顔に出てて嬉しそうだな?

直接堂々と対峙した場合、俺よりも戦闘能力は上だが…しかし…。


「あらあらまあまあ!にひひ!レグルスさんを煽ったブリッツシュラークさんに物を見せてやりましょう!私も元はと言えばブリッツシュラークさんと戦う気満々で来ましたから~!大丈夫ですよ?レグルスさんと共闘すれば…うへへ、何でもできる気がしま~す!」


はぁ…何と言うか、たまに出るその変な声、『あらあらまあまあ』の口癖、本当にクラートの妹だな。

覚悟を決めるかね、レグンがそう言うのであればな。


「わーったよ。頼むぜ?相棒として共闘だな。レグン?…ああ、そうだな、俺も何か飲んでから[カエルス演習場]まで行くかね。」

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