89 『執行部隊《エクスキューション・スクワッド》』
教室を後にして、ブリッツシュラークとは別れた。
ようやく今日と言う意味の分からん学園日が終了だわ。
流石に色々と朝から何かと色々とあったからなぁ…。
ああ…休みてえ。
「な~にをまた黄昏ているんですか?『無慈悲な閃光』さ~ん?ああ!な~るほど!あの私を凌辱してたまらないお屋敷で、どう私を苛めるのか妄想をしているんですね!流石は無慈悲~。や~らしい!!ごヴぇ!?」
グラオザーム邸の帰りの馬車内でも…このレグンの馬鹿垂れは!!
こいつ…何で小突かれに突っかかってくるかなぁ!?
「うるせえ!こちとら今朝から殺しをやっちまって疲れてんだよ!?全く…。ま、帰ったらあのゴミ共6家をグラオザーム家:『執行部隊』が粛清に行ってる。
ここの学園にも設置されている、瞬間移動できる『門』…。こいつが七公爵家にもあんだよ。ま、学園のとは違って、各所に設置されて対となっている『門』にしか向かえないケチな物じゃねえ、『戦略級門』…。俺ら七公爵家が持つ各大陸をを瞬間移動できる、特別製『門』だ。指定したポイントに『門』を強制出現、行き帰りできんだよ。これで『執行部隊』を瞬時に送り込んで殲滅だ。奴らが揃えてる軍隊なんざ、雑魚の群れ。あっという間にケリが付く。これを侯爵以下の貴族は知らねえ。何せ『戦略級門』は『宝玉等級:ダイアモンド』だからなぁ?」
とは言え、それに親父とお袋が半分ばかし、『執行部隊』を今引き連れているから…少し時間がかかるかもな。
…ま、曲がりなりにも侯爵の家もあったから2日ってところか。
どうであれ、1家ずつ潰している。
先ほどチタニアから連絡があったからな。
称号が『ルビー』の者は、アウロラ含めて粛清に出払っている。
残りの称号『サファイア』の3人が万一に備えての、予備戦力として待機中だ。
グラオザーム邸の護衛もしてもらわねえとならねえし。
「レグルス公爵様…。粛清する当主、その他ご子息はどうなされるのですか?」
…ローズクォーツが聞いてくるか…。
あまり彼女には聞かせたくないがな。
「…グラオザーム邸の別邸、まぁ兵舎だな。そこに『執行部隊』がいるわけだが。兵舎に隣接して、地下に『大演習場』が存在するんだが、通称『影の試練場』だ。
3つの訓練各科目の区画に分かれているんだが…1つ、捕らえた者を『拷問(尋問)区画』がある。捕らえた「裏の者」から情報を引き出すための、防音・防魔が完璧な部屋に引きづり込んで、尋問、場合によっては拷問だな。…公開処刑かもな。」
最上位クラスの教室で、反抗的な4人、どうにもおかしな発言が多かったしな。
「(―っ!!おのれ!公爵だからと図に乗らないでもらいましょう!!―)」
「(―魔術媒介もないのです!こちらからも攻撃させてもらいます!―)」
「(―お覚悟してください!魔術媒介がなければ我らにも!―)」
…特にあのセリフ。
「(―これからは七公爵家も終わりです!私たち侯爵以下の者でも!―)」
はぁ…七公爵家が終わりだぁ?頭がイカれた発言、何かに操られているとしか思えねえ。
俺が魔術媒介を持っていないと言ったら、あれだからな。
何らかの魔術、いや?神秘魔術か?確かあれは意識やら精神を操る魔術もあったよな?
おい、待てよ?何処だっけか?それを得意とする家系あったよなぁ?
ああ?確か【====】だったよ…は?今思い出そうとしたら、霞がかかった?
何だこれ?レグンが被っていた『隠蔽の兜』によく似ている感じ。
まさかとは思うが、『紫苑騎士団』の野郎共、これを全員被ってねえだろうなぁ?
「な~にを悩んでいるんですかね~?ああ!な~るほど!私をどう『執行部隊』さんに辱しめさせるかを考えているんですかね~?流石は『無慈悲な閃光』さんですね~。無慈悲~!!ロリコン~!あっはっはっは!!ごヴぇ!?」
「てめえはちと口を閉じとけ!!」
だから何でレグンのバカは、ちょっと小突かれて満足げな表情してんだ!?
「お二人とも本当に仲がよろしいですねえ。ああ…楽しいですわ。」
…ローズクォーツが笑ってくれるんならまあいいか。
相変わらず多い茂った鬱蒼とした木々に、何かと小言を垂れやがるレグンを小突きながらグラオザーム邸に騒がしく帰ってきた。
「はぁ…ったく、疲れたぜ、今日はよ。帰ったぞ。」
やれやれとしながら、帰ると、チタニアが玄関ホールまで来ていた。
「お帰り。お兄。今日は大変だったみたいだね。…平気?」
はぁ…チタニアに心配されちまうとは、情けない兄貴だな、俺はよ。
「ま、一応な。悪いな、心配と迷惑をかけちまったな。それで、今どこまで潰し終えた?」
正直なところ、ゴミを生む出した家がどうなろうと、その家が雇っている者らがどうなろうと知った事ではない。
だが、ゴミを生み、投げつけてきた、残りの奴らにはそれ相応の報いは受けてもらわなきゃならなねえ。
「キャンディッシュ伯爵家、ズース伯爵家、ミリアルデ侯爵家を潰し終えた。流石に『執行部隊』の人数が少ないから、あともう1日かかるかな。親族は全員捕らえて『拷問(尋問)区画』の牢獄部屋送りにしてる。お兄を苦しめた癖してギャアギャアと騒いでるから、全員の手の指を切り落とした。」
そうか…俺が魔術科で…のんびりと言ったら良いのかは知らねえが、もうそこまで潰してたか。
「済まんな。チタニア…。俺がやらかしちまった事でお前にまで働かせてしまうとはよ。…次期当主としての務めを果たさねえといけねえな。今この場に親父がいねえ以上、捕らえたゴミの尋問をしねえといけねえ。」
はぁ…まだ今日はやる事があるのか…。
ああ…疲れたったってのに…。
しかもこんな話、ローズクォーツは当たり前だが、できれば小生意気だがレグンにも聞かせたい話ではない。
「…お兄は休んで。私と、『執行部隊』の1人でやっとくから。…ローズクォーツさんも、レグンちゃんもお兄と過ごしたそうにしてる。」
「ぅえ?ななな、何を言ってるんですかね~!?ち、チタニアさん!?だ、ダメですよ!?レグルスさんを甘やかしてはいけません!!」
レグン?てめえどうした?その慌てふためき具合は。
ま、昨日こいつに言われた言葉もあったからなぁ…。
本気で言っていたんだとしたら、どうしたもんかねえ?
「んじゃ、少し甘えるとするわ。小腹も減ったしな。」




