85 『無慈悲な閃光』vs 魔術科15人
「おい…てめえら!俺に対して少し敬意ってもんはねえのかぁ!?なんで俺に向けて大量の魔術を発射しやがんだぁ!!」
本当に訳が分からねえ。
今俺は15人の上位と最上位クラスから、つい今朝行った恫喝講義の鬱憤晴らしで、全員から集中砲火を受けてるんだよ!!
「がああ!!『第4階梯:聖:ベシュロイニグング』!!」
ズガン!と自信に今撃った魔銃も、『始まりの星』『宝玉等級:トパーズ』と最低ランクを強要。
「それはですねぇ!!今朝レグルス公爵様に!僕は頬のすぐ横を撃たれると言う、とんでもなく恐ろしい事をされたからです!!ありがとうございます!!アストリッド師団長さん!!おかげで楽しい時間を過ごせます!『第3階梯:炎:フォイアープファイル』!!」
こん畜生!!まだ根にもってやがったか!!いやそうだよなぁ!!俺だって今朝の殺戮だってなぁ!貶されて怒って、粛清してやったんだったわぁ!!
『灰の琥珀』『宝玉等級:エメラルド』のワンド型の杖を回してきて、ブウオオン!と飛んでくる火の矢だが、高速のバフで躱す!
「くそお!てめえ!名前は覚えたぞ!マルクス・アドルフだな!?畜生!」
何でこうなっているのか…俺が恫喝講義した罰と!粛清したゴミ屑の罰だとよおおお!!
「とっても楽しいですね!とっても怖いと思っていたレグルス公爵様が、こんなにも優しくて愉快な方とは!!『第2階梯:自然:ザントヴォイアー』!」
目の前に砂の沼が出来上がるが、ヒュンと飛び越える。
めんどくせー!!こっちから攻撃しちゃいけねえんだとよ!
「てめえ!エマ・チェルハだったなぁ!?くそお!!誰が愉快だ!クソったれがあ!?」
アトリアと同じく、長身のロッド型の魔杖『砂の虹』『宝玉等級:エメラルド』をぶん回して妨害してきやがる。
「ええ…。とっても面白いですねぇ…。『第2階梯:雷:エレクトロンケッテ』…。」
ぐおお!?目の前にバチバチ!と鳴る電気の鎖が飛んできやがる!?
「だぁ!!何でてめえら俺を足止めする魔術ばかり放ってきやがる!?『第2階梯:光:シンマーシュピッツ』!!」
シュンシュン!!と光の針を2発撃ち込んでガリイン!と鎖を打ち砕く!
「おお!今の鎖を放ってきたてめえ!リア・シリングスだったなぁ!?俺は何も楽しくねえわ!つかてめえ!とんでもねえ魔術媒介だな!?何処で手に入れやがった!?」
バイオレット色の肩まで届くか微妙なミディアムヘアに、垂れ目に優しい面影をしてやがんのに、一挙一動が無駄のねえ動きで、レイピア型のギラギラと眩く輝きやがる『閃光の花』『宝玉等級:ルビー』を振いやがる!
「えっと~。私のお父さんの…祖父が元貴族?とかでぇ。代々私の家系に受け継がれてきた宝物なんです~…。あ、『基本剣術:応ノ壱:縮地』…。『第4階梯:雷:ブリッツシュトース』…。」
どおあ!?こいつ!とんでねえ速さで接近してきやがった上に、神速の突きの攻撃の魔術かい!!
「てめえ!相当手練れだろ!?実力隠してやがったなあ!?」
『第4階梯:聖:ベシュロイニグング』で2倍速状態になってる状態で、左足を後ろに持っていき、身体を左へ回転するように、どうにか突きをすれすれで躱す。
「あれ?流石に『宝玉階梯:ルビー』は伊達じゃないですね~。しかも使っている魔銃も『宝玉等級:トパーズ』ですし…。悔しいですねえ…?『第3階梯:雷:ドンナーウム・シュラーゲン』…。」
はあ!?こいつそこから黄色い稲妻の刀身を回転斬りしてくるのかよ!?
もう戦技と変わんねよ!?
ズバババン!とか言う雷鳴を響かせてきやがって!
「てめえ!称号は相当高いだろ!?『第3階梯:光:リヒトシュピーゲル』!」
ズガン!と魔銃を放ち、前方に光の鏡の盾を出現。
ガチン!と、リアの回転斬りを阻止。
「これで攻撃したらダメってんだからなぁ!!ってうおお!?」
「リアさんばかりに気を取られてたら、ダメですよ?レグルス公爵様!!」
ぬうあああ!?火の破片が飛んできやがる!?
どうにかドン!と、飛び上がり宙返りで全部避ける!
「はあ!?不意打ちで僕の『第3階梯:炎:フンケシュプリッターが避けられた!?」
「アホが!グラオザーム家の執行人として、そんなの簡単に避けられるわ!眼鏡のアホ面晒しているマルクスよお?本当ならこの状態から攻撃したくてたまらねえよ!!クソったれが!」
って煽ってる場合じゃねえな!次から次へと魔術が飛んできやがる!
「アハハ!まだまだですよ!!『第2階梯:自然:ザントヴォイアー』!!」
おい…俺の着地地点に、また砂の沼を作りやがって!
このエマとか言う、背中まである、案外とさらっとした蜜柑色のセミロングに、明るく優しくて人当たりの良さそうだったのになぁ!快活とハキハキしやがって!!
「バカが!『第3階梯:光:リヒトシルト』!」
砂の沼の上にズガンと放ち、光の盾を出現。
盾を足場としてトン!とさらに宙返りで[アウグストゥス大広間]の壁のステンドグラスの七色の模様を描き出す大理石の足場に着地。
「『第2階梯:光:シンマーシュピッツ』!!」
リアのクソったれが着地地点に急接近して『第4階梯:雷:ブリッツシュトース』の雷の神速の突き技をバシイン!!と放っていたため、光の針を放ち迎撃して、パシン!!とリアの態勢を崩す。
「ああ…ったく、本当ならこの隙を見逃したりはしねえんだがなぁ…。」
ゆっくりと立ち上がって全体の様子を伺って、次に備える…いや、もう終わらせてくれねえか?
「…ああ。まさか私のレイピアの攻撃をこうも、あっさり捌かれるとは…。まだまだ未熟です…。そうだった。私の称号は『宝玉階梯:アメシスト」で『宝玉部会:サファイア』なんですよ。」
「ああ…『宝玉階梯:アメシスト』か。そこそこ高い階級の接近魔術の割には、道理で俺の『始まりの星』『宝玉等級:トパーズ』で簡単に対処できるわけだ。てめえ、戦技の方が向いてんじゃねえか?魔力もそんなに高くねえしよ。」
まあとは言ったものの、『宝玉部会:サファイア』ねえ?魔力は低いが、あのレイピアで足りない魔力をカバーしていた感じだろうな。
だが確かに白兵戦は相当の腕前だ…。
「てめえ、騎士科の方が向いていたのかもな…。ま、とは言え魔術を使えるから、魔術科に来たんだろうけどよ。」
「ええ!?リアちゃん!?『宝玉部会:サファイア』だったの!?初めて聞いたよお!?」
エマ、何でてめえが、自分の教室の称号知らねえんだよ…。
いや、俺が恫喝講義するまで、ちょっとだけ傲慢さのある雰囲気の教室だったからなぁ。
他人にあまり興味とかなかったのかもな。
「はい!まぁそこまで!レグルス君?良い罰だったでしょ?」
ったく、おかげで今朝の出来事とかマジでどうでも良くなってるわ!
葛藤とかやめたしよ。
もうこれが自分だと受け入れて進むしかねえんだわなぁ。
「はぁ…おかげでな。んで?もう流石に指南開始だろ?もうやめてくれ?15人に囲まれての一斉攻撃とか、流石につれえ。」
「当然です。もうやりませんよ。レグルス君の顔色も良くなったようですしね。
はい!魔術科の皆さん!レグルス君の罰はこれで終了です!指南を開始しますよ!」
ようやく終わったかぁ…。
「ちぇ~、もう終わりですかぁ…。僕はまだまだやりたりなかったけど、仕方ありませんね!ごヴぇ!」
「マルクス!調子に乗んなぁ!!」
流石にこのアホたれ眼鏡を小突いてやったわ。




