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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
5 執行人の魔術科指南

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73 『無慈悲な閃光』vs『霞みの隠者』

「おいおい、イチャイチャって…いやまぁ、少ししてたか。ていうか何でよりにもよって俺なんだ?俺じゃ手に余る相手だと言っただろうが。」


あの兜野郎、ブリッツシュラークに執着してたんじゃねえのかよ。

俺の疑問に答えるかのように、アストリッド師団長が説明しやがる。


「ブリッツシュラーク様だと被害が大きくなる可能性も高いのもありますが、『霞みの隠者』様はあなたに興味が大きいようで。それにレグルス君、まだ全然本気出して戦ってないでしょ?でも、伴侶を得たあなたなら本領が発揮できそうね~?」


「「伴侶!?」」


あ、ローズクォーツとまたハモった…。

まだ手を繋いでたローズクォーツを見れば、顔が赤く俯いてしまってるなぁ…。


「…そうだな。まぁまだ口約束でしかねえが、俺の婚約者だな。…んじゃ、ローズクォーツ、ちょっと行ってくる。」


ちょいと恥ずかしいが、婚約者だときちんと言い、ローズクォーツにも執行人エクスキューショナーとして戦いに行くことを告げた。

すると顔を上げ、…ああ全く、綺麗な笑顔をしやがって、


「はい、行ってらっしゃいませ。私の婚約者のレグルス公爵様…。」


…けっ!ああ恥ずかしい!大勢の前で何だってこんな事をしたんだか。

っておい!魔術科共!ニヤついてんじゃねえ!!








そして俺と兜野郎が対峙する。


「そんで?兜野郎よ。なんで俺なんだ?ブリッツシュラークに挑みたいんじゃなかったか?それとも昨日の俺の言葉に怖気づいたか?俺なら勝てそうってか?」


今日は大人しくしてたみたいだが、初対面での印象が最悪だからな。

つい口が悪くなり、相手を責める言葉になるわな。


「【…あらあら?やはり嫌われたままですか。…はぁ、別にあなたを侮っているわけではありません。私の傲慢な態度は…私の心の弱さを覆い隠そうとしている内に、出来上がってしまったもの。この『隠蔽の兜(ケラレ・ガレア)』もそう。私の心が弱いからこれで覆い隠している。

あなたに挑もうとしたのは、私の知り合いと少し似通った部分があるからかもしれませんね。圧倒的な実力者でありながら、悩み、葛藤し、弱さだってある。

私は…それに気づく事ができなかった。どうして表面的な強さの部分しか見れていなかったのか…。

…喋り過ぎました。勝負と参りましょう。】」


奴はそう言って、長物…いや『水精霊の魔槍ウンディーネ・ランケア』をぐるりと回し構える。

…どうやら兜野郎も本来は嫌な奴ではないらしいな。

けっ!てめえも俺と同じく不器用って事かよ。


「てめえも実力者なくせして、俺のように悩んでいるって事かい。ああ。勝負といこうじゃねえか。」


奴は強い。

『宝玉等級:サファイア』の魔槍で俺の『第5階梯』を上回りやがる。

それにどうやら奴め、槍の構え方に隙がねえな…。

ありゃ、白兵戦も出来るってことか。


…やりたくねえが、入学前の俺の執行人エクスキューショナーとしての顔を出さねえとなぁ…。

俺の本来の戦い方は、魔銃を一丁じゃねえ、二丁拳銃だ。

だからと言って、ヴァールハイトのように複数の魔術が使えるわけじゃねえ。

ただただ、火力で制圧し何もさせねえだけ。


俺は魔銃を二つ取り出し構える。

左手に『煌きの星(クラルス・ステラ)』を、右手に『終焉する星(フィニス・ステラ)』:『宝玉等級:ダイアモンド』を持つ。

終焉する星(フィニス・ステラ)』…見た目は禍々しい漆黒の拳銃。

グリップに無色透明ダイアモンド魔石が埋め込まれている。

けっ!ブリッツシュラークと違って、魔術媒介の等級に頼る事しか出来ねえとはな。




「ああ…悪いが道具頼りで行かせてもらうぜ?なぁ…『霞みの隠者』さんよぉ!!『第3階梯:光:リヒトクーゲル』!!」


2丁の魔銃から何発何発と大量にただひたすらズガンズガンズガン!!と、一発一発が重たい光弾を俺は連射する。


「【…『基本剣術:壱ノ防:流水』!】」


はは!流石だぜ!!俺の嵐のような光弾を戦技で、受け流しては、ガキンガキンと弾き飛ばすか!

だが…それじゃ止まらねえんだよな。

この魔術は俺の魔力が尽きるまで延々と撃てる。

さて、どうすんのかなぁ!!


「おらおら!どうした!それで終わりかぁ!?」


ああ…執行人エクスキューショナーの残酷な顔が表に出ているなぁ。

ただただ無機質に、ひたすら殺しに特化したこの破壊行動…。


「【…流石は『無慈悲な閃光』です。しかし…『第5階梯:?:?シュトュルム』!!】」


魔槍を振り回し光弾を弾きながら、属性不明の真下からジュバアアン!という音と共に霞んでよく見えねえ巨大な竜巻を発生させやがった。

俺の光弾が竜巻でガードされ、そのままこっちに向かってきやがる。


「はっ!『第4階梯:聖:ベシュロイニグング』!」


一度攻撃を止め、加速のバフを俺にズガンズガンと二回と撃ち込む。

巨大竜巻を避けると同時に、通常時の5倍の速度で走り回る。


「はっ!あの竜巻、威力だけはブリッツシュラークにも匹敵するが…遅い。『第3階梯:光:リヒトクーゲル』!!」


高速で動き回りながら、ひたすら光弾をズガンズガン!と『霞みの隠者』に連射していく。

『霞みの隠者』は戦技を使いながら、この光弾の嵐を弾き飛ばし続けてはいる。

高位魔術が利かないのなら、こうして遠くから延々と攻撃するのみだ。


「【…速いですね。私が防戦一方になるとは。ですが、まだ竜巻は消えてはおりませんので。】」


ちっ、魔槍で防御しつつ、高位魔術の巨大竜巻まで操るかよ!

一気に竜巻が俺に再び接近し、攻撃を続けながら、地をダン!と蹴り後ろに加速移動する。

その影響で、俺の光弾が竜巻で一時的に防がれやがる!


「【…ようやく反撃開始です。『基本剣術:応ノ壱:縮地』!『基本剣術:応ノ壱:縮地』!】」


竜巻で見えなくなっている間に、『霞みの隠者』は横に瞬間移動したかのように移動、そして俺のすぐ横に縮地で接近してきやがった!


クソったれが!どうにか魔銃を『霞みの隠者』に向けようとするが…


「【遅いです。『閃牙槍術せんがそうじゅつ:弐ノ突:螺旋牙月らせんがげつ』!】」


『霞みの隠者』の槍の戦技、刺突に回転を加えてのシュウウン!!と避け難い攻撃をしてきやがる。


「はっ!なかなかやりやがるなぁ!!」


だが、俺は5倍速でダン!と宙返りしながら戦技を避け、そのまま、


「くはっ!避けてみろ『第5階梯:光:ゾンネルシュトラール』!!」


2丁拳銃から、超遠距離の敵を確殺する、2本の超灼熱の光線がギュオオン!!と放たれる。

だが…『霞みの隠者』は竜巻を解除し、


「【やりますね。ならば、『第6階梯:?:?ランツェ』!!】」


「っ!!」


奴から余りにも巨大な超広範囲の属性不明の暈が出現、その暈の内部から同じく属性不明の大量の槍が、ズジャジャジャジャンっ!!と広大な弾幕の様に発射される。


「ちっ!こいつはブリッツシュラークの『第5階梯:雷:ミョルニル』並みだぞ!?くそが!」


灼熱光線を大量の槍によって打ち消され、そのまま俺に向かって飛んできやがる。

横に地を蹴り、加速のバフでどうにか直撃は回避するが、左腕をやられたか…

深く傷を負い、血まみれで力が入らず、『煌きの星(クラルス・ステラ)』を落としちまったが…。


だがよ、その魔術は派手な分、視界が封じられたな?

怪我をしたまま『霞みの隠者』まで一気に駆け抜けて、


「おら?隙が出来てるぜ?『第3階梯:光:リヒトクーゲル』!!」


「【なっ!!】」


野郎の兜に向けて、『終焉する星(フィニス・ステラ)』の魔銃でゼロ距離からズガンズガンと何発も連射する。


ガリンガリンと兜がひび割れて、衝撃と共に『霞みの隠者』は吹き飛ぶ。


「ぐはっ!!」


隠蔽の兜(ケラレ・ガレア)』が壊れた影響で、今までくぐもった声しか聞こえなかったが…今度こそ少女の叩きつけられたうめき声が聞こえた。


そのままパリパリと兜が壊れて…素顔が見える。

長い亜麻色の髪がふわりと出来てて、非常に可憐で儚く、だがまだ、あどけなさを残す少女の顔…。


…なんだ?誰かに似ている。

いや、俺のクラスに一人だけいた。


「…てめえ、まさかとは思うが…クラートの血縁者か?」


その少女は俯いて…そして答えた。


「…はい。私は…クラートお兄様の妹。レグン・ウンシュルトです…。」

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