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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
5 執行人の魔術科指南

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67 魔術科指南2日目 『霞みの隠者』

「はぁ…んで?てめえの目的は?『緋色の魔術師団』の1人が来ることは、担任の先生から聞いてるんだがな。1位の何してんだか知らねえ『天元の魔術師団』を除きゃ、最強の魔術師部隊。魔術師自体が少ねえからな。2位ともなれば相当人数も限られてるはずだ。そんな部隊から1人だけとは言え、言い方は悪いが、平民の魔術科の指南のために派遣されるとは、とてもじゃねえが考えにくい。

一体何が目的だ?まさか、本当にスカウトとかじゃねえだろうな?」


目の前の『隠蔽の兜(ケラレ・ガレア)』で全体像がしっかり認識できねえ、『緋色の魔術師団』団員に問いかける。

ただ、団長の証でもあるロングコートの裾に、金糸で、複雑な防御魔術の紋様が刺繍もされてもねえし、団長、及び副団長の証でもある、団の紋章が刻まれた、銀の肩当てもねえ。


つまりは『緋色の魔術師団』の団員の1人という事…。

なんだ?最強の魔術師部隊ともなれば、こんな奴ばっかりなのか?


「【いいえ。ただの私の独断での行動です。そもそも私自身、然程『緋色の魔術師団』としての活動は殆どしておりません。団長、副団長もただ私が強いから置いてもらっているだけで、殆ど放任されています。】」


なんだそりゃ?そんないい加減な運営方式なのか?『緋色の魔術師団』ってのは。


「【…あらあら?そんないい加減な組織なのかと言いたげですね。別にそんな事はありませんよ。団長下の元、全員が組織的にきちんと機能しておりますよ。ただ…弱いくせに『緋色の魔術師団』団員を名乗る方々よりは遥かに強いですので、半分黙認されているんですよ。でも流石に時たま来る団長指示には従っています。どうですか?お分かりになりましたか?】」


なんだぁこいつ…。

随分と嫌味たっぷりじゃねえかよ。


「そうかい。だったらここまで来ているけどよ、お帰りになってもらおうか?随分と舐めた口利いてるしなぁ?『隠蔽の兜(ケラレ・ガレア)』まで被りやがったてめえに、まともな指導が出来るとは思えんがな?この下位、中位クラスの魔術科にも悪影響しかねえ。」



軽く魔術科の教室の周りを見ると、生徒全員がこいつの不気味な雰囲気でモチベが下がりつつなってやがる。

ちっ!こういう時のために、こいつらには強くなってもらわなきゃならねえ。

まだこの手合いを前にするには、早過ぎる。


「【あらあら?嫌われたものですねえ?ふふ。私を帰らせたいなら、あなた方の実力行使で下がらせて見せて下さい。】」


…俺はアストリッド師団長にも言われた通り、最近戦いたくも、殺しもしたくはねえのかもしれねえ。

だが、こういう性根の腐った手合いは慣れている。

挑発されたなら…『煌きの星(クラルス・ステラ)』を即座に抜き、


「『第5階梯:光:ハイリッヒシュトラール』!!」


『第5階梯:光:ゾンネルシュトラール』が灼熱の太陽光線での破壊攻撃なら、この魔術は聖なる浄化の光線。

一発限りの攻撃ではなく、延々と続く光線攻撃による、ギュイーン!!と、ただ超遠距離の相手を確殺する大魔術。


「【おや?いきなりですねえ?『第4階梯:?:?クリンゲ』!】」


隠蔽の兜(ケラレ・ガレア)』で聞き取れない、しかも何かの長物の魔術媒介としか分からない物を振り上げ、何かしらの属性の魔術の刃がヒュオオオン!と飛来、俺の光線にぶつかり合い、そのまま相殺されてしまう。


「っ!!ちっ!俺の『宝玉等級:ルビー』の魔銃での、しかも『第5階梯』の魔術を『第4階梯』で打ち消すかよ!腐っても『緋色の魔術師団』かよ!クソったれめ!」


「【…おかしいですね?本来であれば相殺ではなく、このままあなたの魔術ごと切り裂いたまま攻撃できるはずだったのですが。…流石は燦爛クラスの『無慈悲な閃光』ですね。】」


クソったれが!その二つ名も気に入らないが、その名に恥じぬだけの実績を残してきたってのにな!


「レグっち~。そろそろアストリッド師団長が~、来るからさ~、一回ここまでにしよ~!!レグっちの怒りの分は~、あたしが何とかする~!!」


仕方ねえ。

ブリッツシュラークの言う通りか。

矛を収めるとしよう。


「【あらあら?ブリッツシュラーク様に宥められて引っ込…】」


「もう黙ってて~?本当はさ~?面白そうな人!って思っていたのにさ~?結局やっぱり嫌な人~。楽しい指南が~、兜さんのせ~で台無しだからさぁ~?」


…ほ~ん?ブリッツシュラークも怒ってんなこりゃ。

顔は笑っているようだが、目の奥に怒りが見えるしな。



「え~とぉ?今度は何があったのかな?レグルス君?」


ぞろぞろと『赤曜の魔術師団』が入ってきて、相変わらずの撫子色の髪に、金色の瞳。

アストリッド・モルゲンシュテルン師団長が俺に聞いてきやがった。


「…いや、そこの『緋色の魔術師団』の風上にもおけねえクソ兜野郎が、嫌味たっぷりで口も悪いからな。何しに来たんだよと、争ってたんだよ。」


って、俺も口悪いけどな。

そう俺が言うと、アストリッド師団長が兜野郎に目を向けて、


「…あなたが来るなんて聞いていませんねえ?そもそも何故レグルス君と、ブリッツシュラーク公爵様も来られていたのか、不思議ではあったんですが。あなたが呼び出した、というところですか?」


…んあ?どういう事だ?

アストリッド師団長も『緋色の魔術師団』が来る事は知らなかったと?


「俺たちはリゲル先生に、こいつから実力がみたいと言われてるから、魔術科まで行ってくれ、との事だったんだが?」


少し考え込むような仕草をするアストリッド師団長。


「いいえ、やはり何も聞いていませんね。『緋色の魔術師団』が来訪するなんて事は。ふむ、しかも来訪したのが最近入団したばかりの…『霞みの隠者』さんとは。中々に扱いが難しいと聞いています。その兜の影響でどこの誰か、『緋色の魔術師団』でも把握できていないようですから。」


名前が分からねえから、二つ名呼びかよ。

しかも『霞みの隠者』とはねえ…。

兜の影響で、ぼやけて霞んで見える。

そして、『緋色の魔術師団』でも殆ど姿を見せないから、隠者かい。


こいつ…何を目的に魔術師団に入団したんだ?


「ま!ここで喧嘩してても仕方ありませんから、[アウグストゥス大広間]まで!皆さん行きましょう!」


こういう部分は判断の早い部分は流石だよ。










「はい!全員到着しましたね!それで?『霞みの隠者』さん。指南出来そうなのでしょうか?私が聞くあなたの噂はあまり良くありませんからね。」


随分とはっきり言うなぁ。

ま、俺のあまりこいつに良い感情はねえがよ。


「【…嫌われたものですねえ?分かりました。魔術科の皆様にもどれだけ殺し合いが恐ろしいものか、模擬戦で見て…】」


「そいつは俺が昨日に恫喝して、ここに殺人の達人がいると脅してんだよ。もういらねえよ。そんなもん。さっさと帰れ。」


マジで何しに来たんだよ。

おかげで俺たちの余計な手間が増えちまったんだからな。


「レグルス君…。それは堂々と言える内容でもないでしょう…。とは言えそうですね。あくまでもこれは指南です。これ以上怖がらせても仕方がないんです。あなたの特性上を考えると、出来れば魔術師団に戻った方が良いかもしれません。」


「【…あらあら?では仕方がありません。今日の所は引き下がるとしましょうか…。模擬戦は明日以降ですね?ブリッツシュラーク様?】」


なんでまだ来ようとすんだよ。

つうか随分とブリッツシュラークにご執心だな…。


「別にい~けど~、あんまりこれ以上~、あたしたちを怒らせないでね~!!ばいば~い!!」



そのまま『霞みの隠者』って野郎はくるりと、立ち去った。

ちっ!これ以上奴に関わると、自分自身がおかしくなりそうだ。


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