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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
5 執行人の魔術科指南

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65/106

65 魔術科指南 『干天の慈光』

アストリッド・モルゲンシュテルン師団長…。

優しさと慈愛の心を持ち、しかし時には苛烈に敵を裁く。

圧倒的なカリスマ性で最も多い第6位『赤曜の魔術師団』を束ね上げる。


付いた異名は…『干天の慈光(かんてんのじこう)









さて、なら先ずは手始めに!


「『第3階梯:光:リヒトクーゲル』!!」


俺は魔銃『煌きの星(クラルス・ステラ)』を素早くアストリッド師団長に向けて、光の銃弾を一発だけ、ズガン!!とぶっ放す。


2ヵ月前に試合したローズクォーツ達の時とは、威力も光の輝きも段違いに跳ね上がっている。

前回使用のは『宝玉等級:トパーズ』と低ランクの魔銃だったのが、今回は『宝玉等級:ルビー』のネームド銃。


「お!流石に強い光弾ですねぇ~。『第3階梯:光:リヒトシルト』!!」


ワンドを前に突き出し、前面に1.5人分ほどの大きさの、光の盾が展開、光弾が盾で打ち消されちまった。


「…はっ!流石に『黄金の篝火(アウルム・イグニス)』程のワンドならこの程度消されるかい。だが…まだ一発撃っただけだ。」


そのまま俺は2発、3発と次々と光弾をズガンズガン!!と撃ち込んでいく。

感情を消し、ただひたすらに引き金を引く感覚は…もう沁みついた。


光の盾がヒビ割れ壊れる前に、巨大な魔力を感じる…?は?おいおい!あれはやべえだろ!


「その魔術は延々と続くから強いわよね。なら、『第5階梯:光:アオレオーレシュトラール』!!」


巨大な光の輪が、光の盾の前に出現。

その輪から極太い光線がギュイーーンっ!!!とんでもない音と共に飛来してくる。


「ここは演習場ほど広くねえんだぞ!?『第4階梯:聖:ベシュロイニクング』!」


俺は自分自身にズガン!と魔術を発射、白い光に覆われる高速で動けるバフの魔術。

2ヵ月前よりさらに速く動ける。


ダン!と地を蹴り右に回避、そこから高速で動き続け、さらに魔術を俺は発動する。


「この場でそれ使ったら危ねえだろ!?『第4階梯:光:グランツゲヴィーア』!」


今度は機銃の如く、光弾をズバババババン!!と乱射しながら動きまわる。

さて、アストリッド師団長はどうするかな…っ!!!


「ううん?まぁ、ちゃんと生徒や教師の皆さんを巻き込まない位置に向かって放ちましたよ?

『第4階梯:聖:フェストゥング』!」


ちっ!要塞の結界の魔術かよ!中々削りきれねえ。


「速いですね。流石はレグルス君です。『第3階梯:光:リヒトシルト』!「『第4階梯:光:グランツプファイル』!」


ぐっ!俺の動く方向に光の盾で進行を妨げてからの攻撃か!

一瞬阻まれた場所に向けて、シュイイン!!と強威力の光の矢が飛んでくる。


「だが、『第4階梯:光:グランツシュペーア』!」


俺がかつて入学初日にクラートとエルナトの間に撃ち込んだ、光の槍でギュオオン!と甲高い音を鳴らして相殺。

そして続け様に魔術を撃ち込む。


「『第4階梯:光:グランツゲショス』!!」


次はリヒトクーゲルより威力の高い、でかい光の砲弾をぶち込み、要塞の結界をバリイン!と打ち砕いた…。


「はぁ…。アストリッド師団長、ここまでにしようぜ。これ以上は模擬戦じゃなくなっちまう。」


流石にこれ以上はやり合いたくもねえからな。

暗殺、奇襲、強襲が俺の専売特許だからな。

そんな正面堂々と戦うスタイルはやや不得意なんだよ。








「ふむ。そうですね。先ほどの私の『第5階梯』の魔術で驚かせる事も出来たようですし、ここまでにしましょう!

それに…学園に入ってからのレグルス君は、どうも調子が悪そうです。いえ、違いますね。覆い隠していた貴方本来の人らしさを取り戻しつつあり、以前よりも戦闘技術がやや弱くなりましたか…。」


…はぁ?弱くなっただ?俺が?

黄金の篝火(アウルム・イグニス)』をローブの内側に戻しながら、そんな事を言いやがる。


「…レグルス君、変わりましたか?能面の顔して銃を撃つ事が出来てませんね?さらに私の仕掛けた、光の盾にあっさり阻まれる辺りなど。以前ならこんな仕掛けすぐに見抜けたはずですから。

…あまり分かってなさそうですが、人に向けて魔術を放つ事に、少し躊躇いのある表情でしたよ。」


「ああ?んなもん、模擬戦かつ、アストリッド師団長を本気で殺しにいくわけねえだろ?…悪人でもゴミ屑のようなイカれた性根の奴でもねぇ。躊躇いが…」


俺が躊躇いがあるに決まってる、そう言おうとしたが、


「いいえ。以前のレグルス君なら仮に模擬戦でも、感情を殺したようにただ破壊人形のように動いていましたからね。もう本当は戦いも、そして本業の殺しも、もうやりたくはないのでしょうね。

ふふ。ま!今のレグルス君の方が私は良いと思いますよ!それに、どうやら最初の恫喝にも罪悪感を感じてる様子ですしね。」


っ!!!見抜いてやがったのかよ!!?


「お~!!そうだったのか~!!レグっちは優しいからね~!!あっはっはっは!!ごヴぇ!?」


「ブリッツシュラーク!笑ってんじゃねえ!!恥ずいだろうがぁ!!」


図星を突かれて動揺しているところに、この無駄なお転婆っ子に突っ込まれて小突いちまった。


「痛~い!?レグっち、まるでクラっちみたいに~、ポカポカ叩かないでよ~!!」


ぐう!!どうも今日は調子が崩れるんだよ!!

クソったれめ!振り向いてみれば、魔術科共が以外そうな顔をしているじゃねえか!


「ちっ!おら、魔術科の下位と中位クラス共!てめえらはまだまだ伸びしろのある才能の塊だ!学生だからな。学生生活を謳歌すんのは全然普通の事だ。だがそれと同時に、下向いてねえで、とっとと強くもなってもらうぞ。」


俺が仕方ねえから思っていた事を言葉にすると、明るい顔をしやがって…。


「「「「よろしくお願いいたします!!!」」」」


けっ!魔術科共の威勢の良い声が響くぜ。

そうだ…。

その気高い志を忘れるな…。

稼業とは言え、俺のように感情を消して殺人するような人物になるな。


そうじゃねえと…てめえらが悪に堕ちた時、裁くのは俺になるかもしれねえんだからな。



「はぁ…最初からそう言えば良かったのに…。魔術科の皆さん、では指南を開始しましょう!!」


アストリッド師団長がそう宣言した。


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