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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
4 七公爵家

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57 姉弟の誓い

「ふぁ~…」


 眠いで~す。

 何せ、日が昇るまであ~だこ~だとやってましたからねぇ。

 しかし今日の12時頃に、『琥珀騎士団』、フォルカー団長、姉さんが帰ってしまうので、どうしても起きなければなりませんでした!

 まだ俺の私室でお眠りになられている、お2人に流石に『大理石の冷暖炉マルモル・コルコンディア』を使わないのは、体に悪かろうと起動させて、机に書置きを残して学園都市まで向かっています。


 んで、本当は俺1人で魔石を加工した魔法石で補充して魔力で動く1人用のゴーレム型の馬、『ゴーレムの魔導馬(イマゴ・エクウス)』『宝玉等級:アメシスト』を借りて、学園都市まで向かおうとしたんだけど、シリウスお兄様が家臣に依頼して、4頭馬車を出してくれるとの事で、俺は現在馬車の中で~す。


 しかし…シリウスお兄様も一緒で、ついでに言えば何でエルナトも一緒におるんでしょう?

 急にヴァールハイト家に居たのでびっくりであります。

 まぁ、ノートとの関係性やルミナス王族ととりわけ懇意にしている、ヴァールハイト家に来ていてもおかしくはないが。


「クラート、お前眠れていなかったのか?微妙に顔色も悪いしな。またノートと喧嘩でもしたんじゃないだろうな?流石にもう勘弁願いたいぞ。」


 違いますよ…。

 …むしろ逆だってっんだ。


「エルナト殿下。違いますよ。まぁ、一緒の屋根の下です。男女の仲ですし色々あったんでしょう。」


「ぶふぅ!?シリウスさん!?」


 シリウスお兄様!?何を遠回しにばらしているんですかい!?

 ほら~、エルナトがジト目で俺を見ているではありませんか!


「はぁ…クラート。お前は女たらしだけではなく、女遊びにも手を付け始めたか?そもそもスピカはどうした?」


「うるさいなぁ…。2人共同時だよ。そうだよ!女遊びをしちゃったよ!悪かったな!俺がたぶらかしたばかりにこうなっちゃったよ!」


 正直やけですよ!完全にいじけてます!しょうがないじゃない。

 もう責任を取ると言ってしまった以上、逃げられなかったんだからさぁ!


 けっ!顔を外の相変わらずの壮大なルミナス王宮を眺めながら言っていますよ!


「…なるほど。お前の顔と態度を見る限り、どうやら不可抗力だった感じだな?私もデリカシーがなかったな。」


 あらあらまあまあ?なんだよ…。

 エルナトにしては随分と優しめじゃないか。


「んで、どうしてエルナトも一緒なんだ?」


 俺がそのまま顔を背けたままエルナトに聞いてみる。


「私か?単純にノートの憧れのフォルカー団長が去るから、ヴァールハイト家まで迎えに来ただけなんだが…。まぁそうしたら寝ているという。とは言えこのまま王宮に戻るのも味気ない。だから私も世話になったフォルカー団長と、クラートの姉に挨拶を…と思ってな。」


 何ともまぁ律儀な事だね。

 以前のエルナトなら考えられない変化ぶりだ。


「…そうかい。まぁ俺もフォルカー団長に世話になったからな。あぁ…そういや大波乱の1週間だったが、俺がノートを騎士科まで案内したんだったか。」


「自分を責めすぎるなよ?クラート。お前の初日の先生への進言でノートも、そしてスピカも救える事が出来たのだからな。お前が騎士科に恐れられていた事で、孤独になっていた状態を、私も救い出す事が出来なかった。お前を追い込み、挙句に悪役を見るような騎士科共には、私も怒りがあったからな。

 お前の最後の日、姉である『雷滅の鬼神』との真剣勝負による辺り一面の大破壊。それを見て恐怖と呆然とするしか出来ない奴らの顔は…くっくっ。中々に愉快だった。

 誇れ。クラート。お前は悪魔でも魔人でもない。ただ真っすぐな聖人だ。」


 …聖人ねぇ。

 本当に聖人なら、二股なんてやっていないのだが…。


「クラート。お前、どうせ二股がどうたらとか考えているだろう?今のお前の状況が正解なのか…私も分からないがな。ただ私がノートに告白をしろと言った手前、お前ばかりの責任ではないからな。

 何にせよ、あまり思い詰めるな。どうせもう騎士科共との稽古はもう過ぎた。一先ずはお前の姉に挨拶でもしたら、明日からまたいつも通りの授業だ。まぁ、レグルスとアトリアは明日も休みか。

 向こうも大変だった様子だからな。…特にレグルスの方がな。…実はな、レグルスが魔術科指南の4日目に…。いや、この話は今はやめておこう。今の疲れ気味のお前に聞かせる話ではない。」


 ぅえ?レグルスが何かしたんですか!?はっ!まさか魔術科の方々をぶちのめしてしまわれたの!?

 そんな訳ないか。

 大方、アトリアのおバカに振り回されたか…。

 ただ何となくあの2人相性良いんだよなぁ。


「そういや、エルナト~。第1王子が『金剛騎士団』団長って、本当なの?しかも姉さんより、強いとの事じゃないさ?」


 ぶっちゃけ超気になっていた事を聞いてみた。

 まぁ、稽古やら二股やらでヘロヘロだからな。

 その話を逸らしたい気持ちもあってのことだが。


「ん?ああ。確かに私の兄上は『金剛騎士団』団長だ。『金剛騎士団』の役割としては…私たち王族の護衛、近衛部隊だな。また…国が有事の際に追い込まれた最後の砦として殲滅に乗り出す。7名で構成されているか。よく分からないよな。王族護衛を務める騎士団の団長が、王族なのだから。

 私はお前の姉『雷滅の鬼神』と戦ったが、まさか『金剛騎士団』団員よりも強いとは思わなかったが…。『雷滅の鬼神』よりも強いというより…攻略が極めて困難な相手、と言うべきか。

 シリウスからも聞いたかもしれんが、突破不可能なあの王宮全体にかかる黄金の結界…それを個人で身に纏い攻防一体の殲滅を行う。あの黄金の結界でどんな攻撃も通さず、そして…その黄金の光を攻撃に変換、防御不能の攻撃をする。それが私の兄上。アルニタク・ルクス・アラリオン・ルミナスだ。付いた異名は…『無毀なる燦爛』。

 お前であればもしかしたら倒せるかもな?」


 縁起の悪い事を言うなよ!

 倒すとか挑戦するとか、反逆で処刑されちまうわ!










 さて、そうこうしている内に学園都市に到着し~たよ。


 超広大な王都の城壁には幾つか城壁門が存在するんですわ。

 まあ、なんにせよ学園都市は広いからね~。

 王都のおおよそ6分の1ほどの大きさがありますわぁ。


 そんでもって大体ルミナス王立学園の校舎近く…大体一般校舎寄りかな?

 そこに城壁門があるんですね~。

 俺が魔物を狩りをしに行き、そしてレグンと激突した城門もここですわ。


 まぁ、言うて城壁に城門自体にも結界は張られてるんですね~。

 と言うよりはこの超広大な王都の城壁自体その物が魔導具その物。

大いなる名誉とともにマグナ・クム・ホノーレ』と言う名の城壁。

『宝玉等級:サファイア』の城壁で、『第5階梯』の魔術3~4発くらいまでなら耐えられる頑丈さで、そう簡単には侵入できはしませんよ?ほのかに城壁その物が青の淡い光を放ってるし。


 …さて、そろそろ来るな。

 騎士団の大量の人数が通る音がしてきたからね~。

 『琥珀騎士団』の方たちが『ゴーレムの魔導馬(イマゴ・エクウス)』に乗っていて、兵糧や魔導馬の魔力を補充するための魔法石なんかを詰め込んだ、頑丈な木材で出来た大きなワゴン車輪を魔導馬で引いてるね。


 来た。先ずはフォルカー団長だね。


「これはクラート殿に、そしてエルナト殿下。この度の稽古はありがとうございました。そしてクラート殿には、とても苦しい思いをさせてしまった事、申し訳なく思っております。何やら寮に住んでいた事がばれてしまい、居場所をなくさせてしまったとか。どうかお許しください。全ては私が招いた責任です。」


「いいえ。フォルカー団長。ノートの御厚意でヴァールハイト家で現在お世話になっていますから。それに…この1週間は大波乱でしたが、しかしそれでも、この1週間で停滞していた自分の環境が大きく変わったのですから。良くも悪くも。感謝申し上げます。フォルカー団長。」


 ま、実際本当に大きく環境が変わったからねぇ。

 良いのか悪いのか分からんけど、2人の大事な女の子が出来たわけだしね~。

 守っていかないといけないなぁ。


「そうですか…。そう言ってもらえて助かりました。どうかノート殿にもお礼をお伝えください。

 では、またお会いする機会はありますでしょう。それでは私と『琥珀騎士団』は立ち去ります。まぁ、『琥珀騎士団』の本部がルミナス王国の中心部付近に存在しますかなぁ。比較的賑わっている大都市でもありますから、お暇があれば是非とも起こしくださいな。それでは!クラート殿!」


 そう言ってフォルカー団長たちは王都を出ていった。

 また、お会いしましょうね、フォルカー・アーベント団長…。


「クラート、来たぞ。お前の姉が。しっかりと最後の親睦を深めておけ。まあ、どうせまた会える。」


 エルナトの言葉でパッと振り返ると…姉さんがすぐ近くまで…。


「おやや?クラートにエルナト殿下。それと~ノートちゃんのお兄さんのシリウスさんかな~?」


 相変わらずだねぇ~全く物怖じしない部分は。

 うん?シリウスさん?めっちゃ頭を下げてるじゃん。


「お会いできて光栄です。『紅蓮騎士団』団長、オスカー・ウンシュルト殿。私がシリウス・フォン・ヴァールハイトです。私がクラート・ウンシュルトを我がヴァールハイト家で保護し、家族として接しております。」


 …家族か。

 姉さんはどう思うかな?


「…かのヴァールハイト家であれば…ウンシュルト家もそうそう手は出せないでしょうね。…私が不甲斐ないばかりにあなたに頼る事になってしまうとは…。しっかり守ってあげて下さいね。」


「ええ。勿論です。私の妹のノートともどうやら仲良くやれているようですから。」


 ううん?ノートとの事、あまり話さないでください~。


「ほうほう。クラート?そう言えば、ノートちゃんここにはいないけれど…な~るほど。やるねぇ~。」


 …察しとるやんけ!


「姉さん!そんな事は後!…帰っちゃうの?」


 正直に言うと行かないでほしいよ。

 今でも色んな事で雁字搦めなのに…。


「…必ずまた会えるわ。クラート。そんな不安そうな顔をしない!約束。またここに来るから。何だったら私の本部まで来る~?中々危ないよ~?」


「じゃあ行く。危ないとか知らないし。…姉さんが一番頼りになるから。」


「即答!?う~ん、学生のあなたには本当は良くはないんだけど…ただ、そんな寂しげな顔で言われちゃうとねぇ…。わかりました。スケジュールを調整してまた連絡をするわ。調整が終わりそうなタイミングで、学園の方に手紙を送るから。」


 …また会える。

 この言葉で俺はすごくホッとしているよ。


「エルナト殿下。この前の2日目の試合、お見事でした。クラートが落ち込んでる時はどうか叱咤してあげてください。どうやらクラートも信頼しているようですから。」


「ああ。試合はまるで歯が立たなかったが…。クラートの件は承知した。私の方でサポートはしよう。」


 …ぅえ?あらあらまあまあ、何を言っているんだい?姉さんや。

 エルナトを信頼しているだと?…いや大分頼りにしているか。


「ふふ。それではクラート。今度こそ曖昧な約束ではなく、必ず会えるようになったわ。…う~ん!どうやらホッとしているようだし、大丈夫そうだね!じゃあまたね!」


「うん。またね!姉さん!」


 歩いて行って馬車に乗り込んでしまったな…。

 つい、手が伸びて呼び止めそうになってしまう…。

 だが、もう大丈夫だな。

 また必ず会えるのだから。



「ふむ、行かれたか。さて、クラートとエルナト殿下。私もついて来たのには理由があってな。

 2人は生徒会の一員となってもらいたい。」


 …ぅえ?何を言っているんです?シリウスお兄様?



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