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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
4 七公爵家

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56 初めて

 現在ですか?

 もうとっくに夕食を済ませまして、半分逃げるように用意された自室でございますけれど?

 広すぎて、んであと焦っていたから、自室がどこにあったか迷いましたけどねぇ。

『救済の魔眼』がこっちで~す、って俺を導いてくれたわい。

 流石は救済の名を持つ魔眼だ!!よくぞ俺を救ってくれましたね!!

 まぁ?その分あなたの魔眼に大分苦しめられましたけどもね!?


 さてさて、色々と適当な理由ぶっこいて逃げこんでから、もう就寝の時間ですね。

 俺たち燦爛さんらんクラスも連続1週間の稽古だったんでな、明日も休みなのだが…如何せん姉さんが『紅蓮騎士団』の本部?のある、ルミナス王国の国境付近の城塞都市に帰ってしまうとの事。

 まぁ、お昼くらいらしいから、少しだけ余裕はあるかな~。

 なんで俺は明日に備えて、朝早くに起きないといけないんですね~。


 ん?スピカとノートのあ~だこ~だの件かって?

 …姉さんを言い訳にして逃げましたけど?根性なし?うるさいわい!!


 さーてっと、ぐへへ、豪勢な本棚に…覆い尽くす程のポーションを並べてっと。

 はい、トパーズ級は一番多いからね!巨大な本棚の2つ分ボックスが埋まってしまったわい!

 次~。

 アメシスト級は、トパーズ級程多くはないけど、それでもトパーズ級の半分近くの数があるからねぇ~。

 また1つ棚のボックスが埋まってしまったぞぉ!

 ほい最後は~エメラルド級のポーションだぁ!

 大銀貨2枚と高いからね~。アメシスト級のさらに半分ほど。

 棚の半分がエメラルド級で埋められたの~。


 そんで…分けてもらってから一つも使っていないサファイア級6本は~最上段に堂々と置いてやろう!

 さーて、私服がねえからなぁ~。冒険者時代に使っていたボロボロの戦闘服しかねえです。

 なんで、この前と同じく短パンに白いTシャツ姿です!


 さて…この空間はやはり快適だの~。各個室に『大理石の冷暖炉マルモル・コルコンディア』『宝玉等級:ルビー』と言うノートと仲直りが出来た素晴らしい物あるんです!温度を調整出来るんだよ~!

 なんと素晴らしんでしょう!!そう言えば暖炉と言うと部屋を温めるじゃんかって?違うんだなぁ~。

空調石コンコルディア・ラピス』と同じく冷風と温風に切り替えて~、夏なら氷結の冷風を、冬場なら暖炉として炎を灯して温める!

 は?同じことを言わないでも分かる?うるせえ!毎日蒸し暑い部屋で暮らしていた気持ちを考えて下さい!!


 ふふ~ん、快適快適っと…


「(―家から逃げるくらいであれば、私にその紅い魔眼を下さいよ!!―)」


 ………そういや、ウンシュルト家でも快適な空間だったか。

 逃げてからの2年間、全然快適な空間とかなかったな…。


 …この快適空間…どうも慣れない。

 逃げたという罪悪感がどうも脳裏をよぎる。

 …消す…までにはしなくても、ほんの僅か程度に冷風がちょろっと流れる程度にしておくか。


 さ~て寝よう寝よう!明日は早いぞぉ~!学園休日だけどね!

 小ぶりなシャンデリアの明るさを、蝋燭程度の暖色系にして~!大きな天蓋付きのベッドにダ~イブ!!

 うひゃあ!!ふっかふっか!快適快適!良く眠れ…


「(―魔眼という特別な天恵を持っているにも関わらず!!クラートお兄様はそれを活かすことなく逃げたんですよ!!私の気持ちが!!あなたは分かっているんですかぁ!!?―)」


 眠れない。この快適さが嫌だ。

 …ベッドから離れよ~。


 座り心地の良さそうな一人掛けのソファがあるけどさ、あれじゃ寝れないな。

 …最近の第2の住処だった、談話室にもあったビロード張りの長椅子もある…あれでいいや。


 あ~これだ、この暑苦しさだ。

 これじゃないと寝れん…。

 だが…ダメだ。この公爵家の部屋の光景そのものが、どうも慣れない…。


「っ!!はぁ…はぁ…ちっ!!床なら寝れるか!?幸い『浄化の紅絨毯ピュリフィコ・タペータ』で覆われるしな!クソが。」


 こんな快適な空間で結局、床で横になるとか言う謎の状態…笑えるんだが?

 あぁ…ここまで追い込めば?どうにか寝れそうだ…。

 とにかく明日は早い…。













「〔コンコン〕」


「んっ…ぅえ?」


 何だ?寝ぼけているが今ノックされたかなぁ?

 時計は…夜中の1時過ぎかぁ?


「〔す、スピカさん…本当に行くんですかぁ?〕」


「〔こ、ここまで来たのよ…。ク、クラートと寝たいじゃない…!〕」


 …ぅえ?やべ~外からなんか聞こえる。

 各個室の扉には防音の刻印が仕込まれているけど、ノックなり、個室に設置されているチャイムを鳴らされると、廊下の音が聞こえる仕組みだってさ。

 ノックなのは最低限の気遣い…か?


 た~だ明日は本当に早く行かないと姉さん、帰っちゃうからなぁ。

 …寝るって、あ~どうしようかぁ。

 完全に寝ていて気付かない振りでもしとこうか~?


「〔寝ているって事かしらね?流石に時間も時間だし…。お姉さんとも会いたいとも言っていたけど…。〕」


「〔では、今日は止めますか?別に今回に拘らずとも…。〕」


「〔ク、クラートもその…興味があるって!だから、もう突撃するの!お姉さんより、わ、私たちを優先してもらうわ!!〕」


 …ちょちょちょ!マジですか!?

 あらあらまあまあ!?スピカさん!?あなた、いつの間にそんな大胆になって!?


「〔クラートさんと…ぐへ、ぐへへ。〕」


 せ、戦場だ!ここは!安息地ではなかったんだ!!

 や、ヤバいって…


「〔カンコ~ン〕」


 チャイムを鳴らしやがった!?


「〔カンコ~ン、カンコ~ンカンコカンコ〕」



「わわ、分かったから!?今開けるからぁ!?」


 怖いがもう仕方ない!おらぁ!とガチャリと扉を開けたら…


「よ、よ、ようやく開けたわね。クラート!はぁ…はぁ…今すぐに!抱いてらうから!!」


「はぁ…はぁ…クク、クラートさんと寝かせてててていただきいたますわぁ!?」


 2人共ネグリジェのフリルを羽織った状態で眼福なんだが、スピカさんとノートさんが完全に顔が赤く息が荒い!?完全にこれはもう…発情していらっしゃいますねぇ!

 スピカさんなんてさっきもそうだけど、気が昂ると『極冠の魔眼』が勝手に出るのか、眼光が蒼く輝いていらっしゃいます!


「お部屋、なんだが蒸し暑いけど、寧ろそれが良いわ…。さあ、クラート!絶対に拒絶も突き放す事もしないって言葉!守ってもらうから!!」


 あ、あか~ん。

 スピカさんに以前に言った言葉がここで牙を剥くとは、一体どうしたら想像がつきますか!?


「そそそ、そうだね!確かに言ったね!吐いた言葉は飲み込めないからね!責任は果たさないといけないよねぇ!でも俺、もう少しろろ、ロマンチックなのを思い浮かべ…」


「良いから!私の事!好きなんでしょう!?悪いけれどお姉さんより、私たちを優先してもらうわ…クラート!!」


「クク、クラートさん…。はぁ…はぁ…私も…その瞳に一目惚れした身として…抱いてもらいますからぁ…。ぐへ、ぐへへ。」


 …浮気性の大馬鹿者の天罰…ここで落ちますか!?もう逃げられなくなりました!

 嘘でございましょう!?俺、こんな状況で初めてを散らすんですかい!?

 ね、姉さ~ん!!助けてくれ!

 あ、ヤバい2人共一気に入りこんで参りましたわぁ…。


「さぁ!クラート!ベッドまで行ってちょうだい!」


「クラートさん…うへ、ぐへ、ぐへへ…お願いしまぁす…。」


「ちょちょちょ!引っ張んないでって…あああ!?」


 ぅえ?先ほどまで嫌だった、天蓋付きのベッドの上に強引に押し倒されてるんですが!?

 に、逃げられません!なにせ、スピカに拒絶はしない、全てを受け入れると約束してしまいました!

 仮に逃げ出しでもしたら、大事であるはずの2人を傷つける事になってしまう!





 …覚悟、決めますかねぇ…。

 俺は目を一回瞑り…


「…スピカ、ノート…。ここまで強引に突撃してきたんだ。俺も少々男としての本能…出すから覚悟してね?」


 俺はゆっくりと瞼を開く。

 あぁ…魔眼の効力でどうやってスキンシップを取ればいいか、初めてでも良く分かる。

 何ともまぁ、皮肉なことだねぇ…。


「(―本当に心から欲しくて欲しくてたまらなかった物は全てお兄様に持っていかれた!!―)」


 そうだね~本当にそう。

 レグン、俺はあの時は呪いと言ったけど、確かに俺が魔眼と言う天恵を全て独り占めしちゃったのかもねぇ…。





 日が昇り始めるまで、2人を抱いて過ごした…。



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