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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
3 騎士科稽古

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36 騎士科稽古2日目 『戦闘狂』vs『雷滅の鬼神』

 エルナトはまず戦技を放つ。


「すう…『基本剣術:応ノ弐(おうのに)闘気とうき』!『基本剣術:応ノ参(おうのさん)心眼しんがん』!」


 自身にバフと、ある程度相手の動きを読めるバフをかける。

 その間、姉さんは雷刀をヒュンヒュンと回しながら余裕の態度。

 そして…


「終わったかな?なら手始めに…『稲妻剣術いなづまけんじゅつ雷ノ壱(かみなりのいち)迅雷一閃じんらいいっせん』!!」


 とんでもない神速と威力を誇った、雷を纏った横薙ぎの一閃。

 エルナトは冷静に、


「それは先ほど見た。『日神剣術にちじんけんじゅつ壱ノ型(いちのかた)旭日火輪きょくじつかりん』!!」


 蒼い炎と日の光を纏った、真下からの日の円を描く下段斬りで対抗。

 しかし、


「なっ!!くっ!!」


 姉さんのパワーが強すぎて相殺しきれない。

 蒼い炎と赤黒い雷のぶつかり合い。


「…それだけかな?なら甘い甘い…っと。」


 普通に姉さんが力勝ちし横薙ぎして、ズガン!とエルナトを吹き飛ばす。


「ガっ…ふっ…!!?」


 バフをかけたエルナトをものともしない。

 相変わらずだなぁ。


「はいは~い。まだいくよー!『稲妻剣術:雷ノ参(かみなりのさん)雷光紫電らいこうしでん』!!」


 姉さんが紫の雷を纏い、雷の速さでスガガガン!!!と縦横無尽に駆け回る。


「はいは~い。後ろ。」


 わざわざ声をかけ、エルナトの背後から刀を振り下ろす。

 別に戦技を使わなくても姉さんのフィジカルが高過ぎるので、通常の攻撃だけで相手は斬られる。


「舐めるな!『日神剣術:伍ノ型(ごのかた)天陽華斬てんようかざん』!!」


 背後の姉さんに向けて右回転しての炎の斬撃。


「おやや?やるねー。」


 ガアアン!!と刀で防御するが…その瞬間、


「咲け!太陽の華!!」


 斬撃を当てた場所から、ドオオオン!!と華が咲くように日の炸裂が起きて姉さんを吹き飛ばす。

 一気にエルナトは縮地で接近して、戦技を放つ。


「『日神剣術:肆ノ型(しのかた)落日衝砕らくじつしょうさい』!!」


 日の光で覆われた、『浄火蒼天じょうかそうてん』で衝撃に特化した上段斬りを”業”と放つ。


「え~?まだ、私は紫電の光で覆われているよ?」


 ビュウン!!と神速の速さで躱して、エルナトの上段斬りでドガアアアン!と地面がめちゃくちゃ抉られる。

 エルナトの右に回った姉さんに対して、


「知っている。『日神剣術:弐ノ型(にのかた)烈日一閃れつじついっせん』!!」


 心眼の効果だろう。

 ある程度、相手の動きが何となくだが分かるのだ。

 そのまま、蒼い炎と太陽の輝きを纏った刀で右回転しながらの神速のブオオオン!と薙ぎ払い。


「ひょいっと。」


 スタンと普通に飛んでエルナトの斬撃を躱し、ゴオオオン!と炎が過ぎる。

 そして上空からそのまま、


「『稲妻剣術:雷ノ弐(かみなりのに)落雷下斬らくらいげざん』!!」


 先ほどの『稲妻剣術:雷ノ参:雷光紫電』の高速の動きも乗せた重量を込めた、上空から赤黒い雷の神速の上段斬りをする。  


 だがエルナトはそれも読み切り、


「それも分かっている。『基本剣術:弐ノ防(にのぼう)空蝉うつせみ』」


 回転して残像を残して躱し、姉さんの雷でズガガガンっ!と地面がバリバリに抉られていく。


「そこだ!『日神剣術:参ノ型(さんのかた)日輪乱舞にちりんらんぶ』!!」


 太陽風を巻き起こしながらの超高速の”業”の連続斬り。

 だが何と避けもせずへっちゃらな顔してエルナトの連続斬りに、戦技も使わず姉さんは炎の斬撃をただ弾き、打ち払い、刀で受け止め、あらゆる角度からの連撃を見切りガンガンガン!!!と相殺していく。


「なっ!?ばかな…。」


 流石に驚きが隠せないエルナト。

 少し連撃の速度が落ちてしまう。


「戦いの最中に動揺は命取りだよ?『稲妻剣術:雷ノ壱:迅雷一閃』!」


 エルナトの業の連斬をズガン!!と大きく打ち上げ弾き体勢を崩させ、再び神速の赤黒い雷の一閃がジジ…ドオオオン!!と舞う。


「ちっ。『日神剣術:肆ノ型:落日衝砕』!!」


 ガアアアン!!!と大きな音を立て、蒼い炎の上段斬りで対抗。

 刀同士がぶつかり合い、轟轟と燃える炎と、紅黒く煌めく雷の対抗。

 辺り一面が激しく爆裂を巻き起こし、地面にどんどんと広がるクレーターが出来上がっていく。


「それで終わりかな?エルナト殿下?まだまだ全然私、力を出し切れてないわよ?」


 余裕の態度を見せる姉さん。

 実際、どんどんと押されてるのはエルナトの方。

 足でぐっと踏ん張りをしているが、どんどん後方へと押し戻されていく。


「っ!『日神剣術:陸ノ型(ろくのかた)劫火緋輪ごうかひりん』!!!」


 爆発するように広がる太陽の炎。

『日神剣術:壱ノ型:旭日火輪』の逆のパターン。

 上段斬りで日の円を描きつつ、焼き尽くす劫火。

 爆炎の”業”で燃え散らかす。

 だがそれでも、全然動かない姉さん。

 エルナトはバフに、肆ノ型と陸ノ型を重ねがけして放っているにも関わらず、姉さんは雷ノ壱の一閃だけ。


「ん~。流石に刀の鍔迫り合いも芸がないし…。『稲妻剣術:雷ノ肆(かみなりのし)渦雷滅閃うずらいめっせん』」


 急激に力任せの渦状の雷を起こしながらの回転斬りをして、ズガアアアンっ!と、エルナトを吹き飛ばす。

 辺り一面がもう竜巻の痕が残ったかのような、巨大な破壊後。

 吹き飛ばされたエルナトは半分血だらけ。


「まだ立てるのね…。流石だわ。エルナト殿下。でも…『稲妻剣術:雷ノ伍(かみなりのご)鳴神万雷なるかみばんらい』」


 鳥が鳴くような音と共に赤黒い雷に纏われた姉さんが神速でジグザグに動き接近、バチイイン!と刺突攻撃を放つ。


「ふぅ…ふぅ…『日神剣術:伍ノ型:天陽華斬』!!」


 エルナトもよく姉さんの動きを追えるな。

 刺突に合わせて左に避け、足を踏み込み蒼い炎の刀で姉さんに向けて斬撃を放つ。


「さっきの炸裂かな~?」


 姉さんが刀でエルナトの上段斬りを防ぎ、日の華の炸裂が起きるが…


「『基本剣術:参ノ防(さんのぼう)鉄塊てっかい』で防御力を上げといたのよ。だからさっきみたいに吹き飛ばないの。」


 炸裂の中、緋色の炎の中から現れる、全く無事なままの姉さん。


「…ほう?だから何だと言うんだ?『日神剣術:壱ノ型:旭日火輪』!!」


 上段斬りの状態から、刀を持ち上げての真下からの蒼い炎の下段斬りをグウウウン!!と放つ。


「『基本剣術:壱ノ防(いちのぼう)流水りゅうすい』」


 下段斬りをするエルナトの刀に軽く横にガアン!と弾きつつ受け流す姉さん。

 そして素早くカチン、と納刀しての居合構え。


「中々しぶといわ。流石。『稲妻剣術:雷ノ壱:迅雷一閃』」


 そして…ジジ…ズガアアン!!と紅い光で明滅しながら姉さんの雷刃の一閃の頸狩り。


「まだだ…。『日神剣術:陸ノ型:劫火緋輪』!!」


 業!!と、劫火を起こす蒼い炎の上段斬りで対抗。

 しかし、鍔迫り合いはほんの僅かで、すぐにエルナトがズガアアアンっ!と吹き飛んでいく。

 なんとか立ち上がるが、裂傷で全身が血だらけ。


「…や、やり過ぎわ!?。こ、ここまでね!?」


 魔刀『震霆雷轟しんていらいごう』を納刀する姉さん。

 エルナトは膝から崩れ落ちるものの、上半身はどうにか起こしている状態。






「あらあらまあまあ…姉さん、やり過ぎ。これ模擬戦でしょ?」


「いや…本当に申し訳ないわ!!て、てへぺろ?」


「てへぺろ~じゃないわ!!姉さん!?」


「あわわわわ!?ごめんねー!」


 フォルカー団長もやってきて、


「これは…派手にやりましたなぁ…。クラート殿、先ずはエルナト殿下の面倒を見てもらえますかな?」


 ああ…言わんこっちゃない!!

 もう演習場がボロボロだし、俺含めて全員ドン引きだよ…

 暫く待たないと、『紅玉石ピュリフィコ・ルーベルラピス』の効力で演習場が直らないし…。


 俺は走ってエルナトの傍まで駆け寄り、


「エルナト!ポーションを飲むんだ。エメラルド級だが、ある程度は怪我が回復できるから!」


 エルナトはどうにか受け取りポーションを飲んだ。


「んっ…。ぷはあ…。私も成長できたと思っていたが、まるで歯が立たんな。済まない。意固地になってしまったばかりに演習場をボロボロにしてしまった…。」


 俯き謝るエルナト。

 どうにか背中をさすりながら俺は言う。


「そんなことは後回しだ。先ずはゆっくり回復をするんだぞ。それに姉さんとあれだけ渡り合えるエルナトは十分に強いよ?」


 そうすると…あ、あれ?黙り込んじゃったな。

 流石に傷が大きいせいか?


「…そ、そうか。あんな失態を見せておいて、クラートはそう言ってくれるんだな…。」


 失態?まあ確かに闘技場の破壊痕は失態とも言えなくはないか?

 ノートも駆け寄ってきて、…なぜか俺の腕にしがみついてあたふたしている。


「え、エルナト殿下?大丈夫ですか?」


 前のノートならもっと淡々と治療室まで、運んでいただろうに。

 随分と本当に感情豊かになったものだ。

 んって、違う違う!今はエルナトだ。


「ああ…。平気だ、ノート。元々が私は比較的頑丈だ。エメラルド級のポーションの効果ともなると回復も早い。うん。もう立てるな。」


 そう言うと、本当にケロっとして立ち上がりやがった!?


「エルナト…。本当に強いな!?割と大きな怪我をしていたのに、僅か数分で立ち上がるとは!?」


 その言葉に驚いた顔をして、少し顔背けて言う。


「そ、そんな事はない。終始クラートの姉に押し負けていた。挑発に乗るとはまだまだ未熟だな。なんにせよ、私が倒れていると稽古どころではなかろう。…それよりもお前たち二人、いつまでくっついてるんだ?」


「「ご、ごめんなさい…。」」


 まーた俺たち二人で謝ってるよ…。

 ジト目で見ていたエルナトではあったが、


「はぁ…。ポーションの礼もある。今回ばかりは見逃そう。先ずはこの惨劇の後始末からだな。」


 エルナトは魔刀を拾い上げ、ペコペコとフォルカー団長に頭を下げている姉さんの元に歩いて行き、


「え、エルナト殿下!?もう立ち上がれたの!?流石は燦爛さんらんクラスと言ったところかしら?」


 姉さんが驚愕の眼差しでエルナトを見ている。


「ああ。私が倒れたままでは、騎士科の指南どころではあるまい。流石は『紅蓮騎士団』オスカー団長、『雷滅の鬼神』だ。クラートの姉だけあって、まるで歯が立たなかったぞ。」


 ぼけーとしながら、エルナトを見ている姉さん。

 何をボケっとしているんだ!


 そしてフォルカー団長が上手い事、機転を利かせて騎士科の生徒たちに演習場に声が響く『翠玉水晶ウィリデ・ファーブラーラピス』の魔導具を持って、



「ごほん。模擬戦ではなく真剣勝負となったが、このお二方の戦いぶりに圧倒された事だろう!諸君らが目指す騎士とはこのように命がけの戦いである。この程度で黙り怯えている程度では騎士にはなれんぞぉ!倒れていると稽古に支障が出ると、大怪我を負っても立ち上がり、諸君らの前に立つエルナト殿下を見習うように!!そしてかの『雷滅の鬼神』を前にして、エルナト殿下の戦いぶりで燦爛さんらんクラスの計6名が如何に規格外なのか改めて理解したな?諸君らが如何に未熟か思い知っただろう。」


 そして一旦言葉を止めて演習場を見渡すフォルカー団長。

 演習場に大量に漂う『宝玉等級:ルビー』の『紅玉石ピュリフィコ・ルーベルラピス』で演習場の破壊痕が修復されてきたのを確認する。

 そして再び『翠玉水晶ウィリデ・ファーブラーラピス』を手に、


「ふうむ。大分[カエルス演習場]の傷跡も修復されたな!下位クラスから最上位クラスに関係なく、諸君らには素晴らしい真剣勝負をした、お二方のような騎士を目指してもらう!ではこれより、2日目の稽古を開始する!!」


琥珀こはく騎士団』の団員達が騎士科の生徒に指南を開始した。

 流石はフォルカー団長!見事なフォローだ!








「ご迷惑をおかけしました~!!エルナト殿下が私の剣技に普通についてこれる、超大久方ぶりの剣士だったので~…ついつい熱く滾っちゃった☆」


 何を舌出して、てへぺろしてんだ!

 茶目っ気出している場合かあ!!


「滾っちゃた☆じゃないわ!!バカ姉さん!!大惨事だっただろうがぁ!?」


 俺が怒鳴るとムスっとした顔を浮かべる姉さん。

 ん?何だね!?


「じゃあクラートが私と戦えばよかったじゃない!?私の力にまともに対抗できるのはクラートだけなのよ~!?」

 

 そうだねー!!でも嫌だよ!!めっちゃとんでもないパワーで刀をぶん回してくるんだぞ!?


「そもそも、エルナトを煽るなよ!!フォルカー団長の言う通り、少し姉さんの力量を見せればそれで良かったんだから!!」


「いや~!!だから!!エルナト殿下が強くてついつい本気出しちゃったの!!さっきも言ったけど、歯向かうおバカや魔物を全部、雷ノ壱の一閃だけで真っ二つにして終わっちゃったんだからね!?」


 いや…本当に化け物だぞ!?姉さん!?


「むう!それともクラートにさっきの続きをしても良いのよ!?さ~て?果たしてどこまで耐えられるかな~!?」


 かっち~ん!!何を逆切れしとんのだ!!


「あらあらまあまあ!!臨むところだ!!俺の超予測と力に、姉さんこそどこまでついてこれるかな~!?」


 俺も挑発すると、刀に手を伸ばし始めやがった!


「ほ~ん!?言ってくれたわね!?女泣かせのクラートにはまだまだお仕置きが足りないと思っていたのよ!!いいわ!!やってやろうじゃない!!」


 お、女泣かせだと!?


「誤解だって言ってるだろうが!?このバカ姉さんこそ実は遊んでたんじゃないのかぁ!?」


 あああ!!!刀を抜刀しやがった!!?






ジジ…電撃の静かな音が響き、居合構えの状態になった姉さんから紅い雷が纏われ…


「へえ。言うじゃない!!忙しすぎてそんな時間もなかったわ!!『稲妻剣術:雷ノ陸(かみなりのろく)飛電雷切ひでんらいきり』いいいい!!!!」


…姉さんが消える。

…そして目の前に紅い光。

ズドオオオオオン!!!!大きな雷撃の叩きつけられる音が遅れてやってくる。


『稲妻剣術:雷ノ壱:迅雷一閃』の上位互換。

 攻撃力は迅雷一閃を遥かに上回る!!

 そして雷が落ちる速度も同然、最早何も見えず瞬く間に赤黒い雷と共に首が飛ぶ。

 いや、俺並みの耐久度が無ければ、ミンチ肉と化す規格外の威力!


「動きは分かってんだよおおお!!」


 だが!!とっくにしゃがみ込んで躱し、左手を地につけて超低姿勢から右足での足払いじゃ!ぼけぇ!!ブウン!!と低姿勢からの下段回し!!


「甘いのよ!!『稲妻剣術:雷ノ弐:落雷下斬』!!」


 姉さんもスタンと飛び跳ね、足払いを躱してからのジジ…バアアン!!と雷光の下段斬り。

 地面がまたバリバリ抉れる。


「見えてるわ!こんちくしょー!!」


 左にゴロリと転がって右足を軸にした姉さんの頭に向けて左後ろ回し蹴りいい!!


「だから甘い!!『稲妻剣術:雷ノ参:雷光紫電』んん!!」


 紫電を纏っての神速でかがんで躱す姉さん。

 そのまま地面をガン!と蹴り瞬時に俺の背後に回り込み、ジジ…と電撃の音!!


「くたばりなさーーい!!女たらし!!『稲妻剣術:雷ノ壱:迅雷一閃』んん!!」


 背後からの神速の紅黒い雷の一閃。

 左から迫る頸狩り!! 


「女たらしじゃないわぁ!!バカ姉さん!!」


 もう背後に回ってくるのが分かっているので、強烈な身体能力で右回転しつつ、姉さんの手首に向かってドガアアアン!と右裏拳!!

 地面に巨大なクレーターが出来る。


「「むむむむむむ!!!」」


 雷撃のズガアアンと音がまた遅れて響く。

 全員が稽古してる中、異次元の姉弟喧嘩である。


「おらああ!!くたばりなさ~い!!クラートおおお!!」


「やらせるかああ!!!」


 手首捻って刀を強引にぶん回そうとしたので、裏拳から姉さんの手首を掴んで刀を回させない。


「「ぐぐぐぐぐぐ!!!」」


 ドガアアアン!と巨大なクレーターが広がっていく。

 ジジジジジ!!!と再び紅い雷光が刀を中心に姉さんの体に纏わりつく!!


「まだまだ甘ーい!!!『稲妻剣術:雷ノ肆:渦雷滅閃』んん!!」


 ゴオオオオオン!!!

 雷の渦を纏っての範囲攻撃。

 またまた演習場が抉れ、大穴が出来る。


「分かってるわ!!そんな戦技!!くたばれええ!!」


 ドンっ!飛んで上空からの右かかと落としだああああ!


「そんな攻撃分かってんのよおおお!!『稲妻剣術:雷ノ参:雷光紫電』!!」


 まーた神速で躱されたよおおお!!

 ドガアアアンと俺のかかと落としが地面を抉る。


「「ぜえ…ぜえ…」」


 互いに息が切れ始める。

 そんな異次元喧嘩に…


「く、クラートさん…。オスカー団長…。皆…お二人を見て唖然としています…。」


「「え?」」


 そう言うのは半分涙目のノート。

 俺にしがみついてやめさせようとしている…

 姉さんと目が合い、そして周りを姉弟で見渡して…



「「すう…お見苦しいところをお見せして申し訳ございません!」」


 姉さんと一緒に頭を下げて詫びた。


「…相変わらず強いな。クラート。」


 呆然としながら呟いたエルナトと…


「ダメね…。私たちでは止められなかったわ…。」


 そう片手を頭に乗せて目を瞑ってやれやれと呆れているスピカ。


「姉弟喧嘩なんてみたくないですよ…?クラートさん…。」


 しがみついたままのノート。

 ああああ!やってしまったああ!?


「姉さん…。ごめん。演習場が壊れちゃう。俺が悪かったから…もうやめよっか?」


 呆然とした姉さんもまた、


「うん…ごめん。クラート…。」


 よく分からないけど仲直りして、2日目の稽古はまだまだ始まったばかりである。



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