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魔眼の名門家の俺は、常時発動するタイプの魔眼のせいで平穏な学園生活を送れません!  作者: はーにゃ
3 騎士科稽古

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29 騎士科稽古1日目 『琥珀騎士団』団長

 [カエルス演習場]は危ない事しか書かれていないのに、そこに歩んでいく頭が…壊れてしまっています『騎士科』と~、そしてあの…マジでブライドが肥大化しておりましたわ『魔術科』様のね?一般の生徒達が訓練や試合を行なう場所ですぅ。


 まぁ上流科の貴族の生徒達とは違い、一般の生徒は人数がとにかく多いからねぇ…。

 1年生だけで650人、その内の500人ほどが一般の生徒なんだわさ。

 さらに言うなら上級生も使うから、[ヴィクトル演習場]のように観客席と言った物はあるにはあるけど、本当に最小限にまで抑えられているよ。

 

 …これが本来のあるべき訓練する演習場って、ものじゃないの~?

 上流科校舎の[ヴィクトル演習場]が無駄に変な魔道具を設置し過ぎなんだよね。


 広さも[ヴィクトル演習場]の2倍ほどの大きさがありますね。

 とにかく激しい訓練を行う場だからさぁ?『射影具(フェキレ・ドケオー)』なんていらねえ物は控えめだね。

 

 その分[ヴィクトル演習場]にもあった、演習場の傷痕を直す『宝玉等級:ルビー』の『紅玉石ピュリフィコ・ルーベルラピス』が非常に多くてなぁ、空中に多大な数がゆらゆらと漂っています。

 …あのゆらゆらしてるのが、燦爛クラスの演台、机と椅子に使われていますとはね…。

 

 後はこの[カエルス演習場]先ほど入った、やたらと分厚~いオーク材の巨大な両扉付近に、これまたやたらとでっけえ翠玉の水晶玉が設置されてたわ。

 ここ1階の超々!!広大な一般校舎のど真ん中に演習場があるからさぁ、俺達が入った真反対側にも、同じく水晶玉が設置されてるんだが、あれもまた魔導具だね~。


 『耐えよ、守れデュラテ・エト・セルヴァテ』って言うね。

 まぁ万が一この広大な演習場の壁がぶち壊されて、校舎のに被害を出さないための処置、ってところかぁ?まぁ、あんまりそこまで耐久性はないようだけどね。

 『宝玉等級:エメラルド』の防護結界だわぁ。

 一般平民だからねえ~、燦爛クラスとか、まぁ上流科の貴族のような、見栄えを重視したい派手な攻撃はないんだろうさ。


 [カエルス演習場]には、騎士科の生徒達はまだ来ていないけれど、学園の先生たち数名と『琥珀騎士団こはくきしだん』の一団がズラリと並んでいますわね。

 

 う~ん、壮観だねぇ。

 中でも、刈り上げたような黒髪と黒目の非常に巨躯な男性がおりますわ!

 ひゅ~、怖い…。


 これまでの戦いを物語っているような、顔や身体に幾つかの裂傷の古傷の痕があり、歴戦の威厳を出している人物…この人が『琥珀騎士団こはくきしだん』の団長、フォルカー・アーベントだねぇ。


…へえ?『宝玉武階ほうぎょくぶかい:サファイア』との事だけどさ、限りなく『宝玉武階:ルビー』に近い実力を…魔眼から感じられるよ。


 ふむ、俺の魔眼で見た限りでは威厳だけでなく、確かに非常に数の多い人数をまとめ上げる事の出来るカリスマ性、そして大きな器を持つ噂通りの人格者だ。


 その『琥珀騎士団』の一団の中に俺たちは歩みを進めていきますよ~。

 …正直に言って良いか?

 めちゃくちゃ場違い感を感じるのと、後は団員達の歴戦の猛者感の雰囲気で結構ビビってます。

 あのさぁ?普通の顔して何でもないように歩いているエルナトが、正直羨ましい。

 

 ああ!流石ですエルナト様!お美しい美貌にしなびやか~な金髪が…逞しいですう。


 後はノートだけど…動きがガチガチでめちゃくちゃそわそわしてて、緊張してるのが伝わります。

 うん、俺の感性が間違ってなかった事が証明されたぞ!

 ノート、お前は俺の最高の友であり、うへへ、相変わらず可愛いねぇ!!

 などと少し現実逃避している場合ではございませんね、フォルカー団長が俺たちに歩み寄ってきましたわ。


 …透明感のある黄褐色に輝く鎧かぁ…綺麗です!表面を走る無数の槌目つちめが、作り手の入念な仕事ぶりを物語っているよねぇ。

 魔眼で分かります。

 その分厚い装甲…並の武器では傷一つつけられないよ?流石は団長の鎧です! 


 すう…それにしてもこのお方、でかいなぁ…。

 後はやっぱり怖い。


「お初にお目にかかります。この度は私の要請に応えてくださり、誠にありがとうございます。私が『琥珀騎士団』の団長、フォルカー・アーベントと申します。短い期間ではありますが、よろしくお願いいたします。」


 あらあらまあまあ、そう片手をお腹に当て、頭を下げてくるではありませんか!

 流石は数多の団員達をまとめるだけあって非常に丁寧です!


「こちらこそお初にお目にかかります。クラート・ウンシュルトと申します。お会いできて光栄です。フォルカー・アーベント団長。要請に応えられるよう努力を致します。」


 そうビビりながらも俺はさらさらと挨拶が出来ちゃうんですねえ。

 こういう時は本当にナイスだぞ!

『深紅の魔眼』よ!!!

 それにしても俺のお見事な挨拶!どうですか?凄いでしょう!


「おお!そなたが『紅蓮騎士団』の団長の弟君のクラート殿でしたか!そなたの御活躍のお噂はよく耳にしております!はっはっはっ!改めてよろしくお願いいたしますぞ!」


 あらあらまあまあ!!?俺がウンシュルトだと告げると急にフランクに接してきてくれた。

 めっちゃ助かる~!


「いえ、とんでもございません。私は家を飛び出てしまった身ですから…。」


 ああ…少し申し訳なくなってきました…。

 流石に下出にでますよ~。


「いやいや、家出の一つ二つ、お若いのだからありましょう!私もしょっちゅう若い時は何度も家出を繰り返してはゲンコツをもらった身ですからなぁ!あっはっはっは!!」


 あ、あれ?最初の丁寧な対応が失せてかなり和やかに話してくれてる。

 俺の緊張が伝わったんですか?エスパーですか?

 おや、フォルカー団長が隣のエルナトの方に向き、挨拶をします。


「エルナト・ルクス・アラリオン・ルミナス第二王女殿下。改めましてお会いできて光栄でございます。あなたの鋭い剣技のお噂も轟いております。私の我儘を受けれて下さり、誠にありがとうございます。」


 あらあらまあまあ…もっと丁寧な挨拶をエルナトにするではないですか~。

 流石でございます!!


「こちらこそお会いできて光栄です。フォルカー団長。改めて私も名乗らせていただきます。エルナト・ルクス・アラリオン・ルミナスです。暫くの間、『琥珀騎士団』の皆様と共に指南できるよう心がけます。よろしくお願いいたします。」


 …以前のエルナトではさ、絶対になかったであろう丁寧な言葉遣いをしているよね。

 エルナトもこれまでの学園生活で急激に成長した証だね。

 それに、フォルカー団長の人柄にも感動したのかもしれない。


 そして…ノートだけど…俺から紹介した方がいいね。

 緊張したままでは話せないだろうからさ。


「それから、こちらが、ノート・フォン・ヴァールハイト。魔術師ではありますが、魔術制御のエキスパートでして、騎士科の皆様も対魔術戦を想定するべきとして、私の燦爛さんらんクラスの担任、リゲル先生より特別ゲストと言う形で参加させていただきました。一般の生徒はあまり魔術に馴染みが薄いため、魔術の披露と言う名目もあります。」


 …決まった~!!流石は俺!どうですか?カッコイイでしょう!

 ごほん、俺がノートに掌を向け、紹介する。

 フォルカー団長もまたさ、ノートに身体を向け挨拶をするんです。


「これは…ヴァールハイト公爵家のかの有名な『静謐なる支配者』にお会いできるとは…。ええ。私共も中々魔術を目にする機会が中々ないため、これは本当に非常に幸運です。普段とはまた違った稽古が出来る事でしょう。ノート・フォン・ヴァールハイト殿。どうか我々にお力添えをよろしくお願いいたします。」


 ああ…フォルカー団長は深々と頭を下げている。

 本当に器のでかい人格者だと思い知らされるね…。


 …ノートは固まってしまって上手く言葉が出せない様子か…。

 仕方ない、もっと手助けしないと。


「すみません。フォルカー団長。実は騎士も魔術師戦を想定するべきと言う名目もあるのですが、ノートはあなたに前々から強い憧れを抱いていまして。私が先生に進言してあなたに会えるよう機会を作った、と言うのが本当の理由です。」


 …決まった~!!どうですか?俺、優しいでしょう!

 ごほん、俺がそう言うとフォルカー団長は驚愕の顔を浮かべて言うのです。


「それは何と光栄な…。あなた様が私に憧れを抱いて下さっていましたとは…。他の騎士団、『蒼穹騎士団そうきゅうきしだん』や『紅蓮騎士団ぐれんきしだん』、そして『金剛騎士団こんごうきしだん』の団長殿達には憧れを抱く者は多くとも、『琥珀騎士団』には、やはりあまり興味のない物も多い。そんな中、偉大な魔術師であらせられるヴァールハイト公爵の、しかも『静謐なる支配者』殿に憧れを持っていただけた事を知れて、私は感無量でございます。」


 はは…フォルカー団長もそうだが、周りの『琥珀騎士団』の方々も驚きの顔を浮かべているね。

 ノート、緊張しないで?

 俺は背中を押すようにさ…


「ノート、お前が憧れてた人物が目の前にいるぞ?こんな貴重なチャンスは中々訪れない。言いたい事がきっと沢山あるはずだ。その思いを言ってみたらどうだ?」


 あらあらまあまあ…俺の言葉に続くようにエルナトも言うとはね。

 う~ん!美しい関係だ!


「そうだな。ノート。折角の機会だ。心の中にある物を吐き出してみたら良い。」


 俺たちにそう言われ、おずおずと前に出てくるノート。


「…お、お初にお目にかかります…。ノート・フォン・ヴァールハイトと申します…。ルミナス王国に最も貢献している『琥珀騎士団』の皆様、そして、人数の多い団員達をまとめるフォルカー団長には、他の騎士団の方々よりも強い憧れを抱いておりました。今こうして目の前に憧れの人が立っている事が夢のように思います…。そ、その…こ、これからもこのルミナス王国の矛であり盾でもある『琥珀騎士団』の方々を応援しておりますわ!!ほ、本日からよろしくお願いいたします!」


 はは…しどろもどろになりながら、目をぎゅっと瞑りながら頭を下げますか。

 うん!頑張ったね!ノート!そして可愛い

 それに対してフォルカー団長は優しく、


「一人でも応援の言葉という褒美をいただけて私、並びに団員達も士気が上がるという物。本当に心の底から感謝申し上げます。ノート・フォン・ヴァールハイト殿。

 …ようし!!聞いたか!!『琥珀騎士団』の団員達よ!!ノート殿よりいただいた言葉に報いるため、より一層この国の安全を守るため強固な礎となろうではないか!!」


 そうフォルカー団長が叫ぶと、団員達の士気は最高潮に達して、


「「「「うおおおおおおおお!!!!」」」」


 と雄たけびを上げた。

 ノートは胸に手を当て、ふぅ…と落ち着かせている。


「良かったな。ノートの激励の言葉で『琥珀騎士団』は感無量だろう。ノートの言葉にはどうやら、人を動かせる力があるみたいだな。本当に凄いよ。ノートはさ。」

 

 ノートの隣に立ってそう俺が言うと、


「ふぇ!?す、しゅご!?」


 あらあらまあまあ…身体がびくりと飛び上がって、あたふたしているではないですか~。

 う~ん!か~わいい!!

 

 ぅえ?エルナトが近づいてきます。

 な、何ですか?


「はぁ…。クラート、お前はノートを無意識にたぶらかし過ぎだ。これから騎士科の稽古、指南をしないといけないと言うのに…。あの調子では本来の能力を発揮させられないではないか。」


 そうエルナトに言われて…、はっとしてノートの方を向き俺も考える。

 ノート・フォン・ヴァールハイトに対してどう思っているのかと。


 …好かれてるのは分かってるよ。

 俺も、以前とは違い、自身を取り戻してからの表情がコロコロ変わるノートは好いてはいるし、距離感も凄く急接近したからね~!



「おい、クラート、ノート、騎士科の連中が来たぞ。気を引き締めろ。指南の始まりだ。ビシバシと身体に叩き込んでやるか。」


 やめなさい!エルナトがまた物騒な事を言っています!


「あらあらまあまあ?いや、きちんと手加減して?」


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