20 クラス混合試合 2戦目 2vs10
「『第4階梯:聖:シュテルクング』」
ローズクォーツが全身空色で、先端に蒼玉色に輝く魔石が取り付けられている、ワンド型の杖『美徳と名誉をもって』『宝玉等級:サファイア』を取り出し、杖を前方に向けて発動する。
するとローズクォーツとパールの2人以外の8人の全身が赤く光る。
バフの魔術であり、一定時間この魔術の恩恵を受けた者の、身体能力と攻撃力を上昇させる。
そしてさらに続けざまに魔術をローズクォーツが行使する。
「『第4階梯:聖:フェアタイディグング』」
今度は8人の全身が青く灯る。
人の頑強さを底上げし、ある程度の攻撃でも耐えられるようにする、先程とは逆の防御バフをかける。
さらに魔術を発動する。
「『第4階梯:聖:クリーガーゼーレ』」
続いて8人の全身にオレンジ色の光が灯る。
そうすると魔術師であるエスメラルダも含め、闘志が上がったかのように7人の戦士、騎士が勇猛果敢に「うおおおおお!」と雄たけびを上げ、一斉にレグルスとアトリアに走りこんでくる。
闘志を上げ、恐怖に対抗できる精神系のバフだ。
「(ほお?一気に三重のバフを重ねるか…流石はリュミエールに配属されるだけはあるな…。最初のバフ魔術で全員の身体強化が上がり、動きの練度も高い。)」
レグルスがそう魔銃をくるくると回しながら観察していると、距離を詰められると同時に囲まれる。
だが、「(まだ甘いな…。)」
「『第4階梯:聖:ベシュロイニグング』」
レグルスがくるっと魔銃を1回転させ握り直しズガンズガンっ!レグルス自身とアトリアに魔術を発射。
そうするとレグルスとアトリア含めて白く輝き、レグルスとアトリアが地を蹴り囲まれている間を縫う形で、タンっ!と後ろに飛ぶと、とんでもない速さで動いて囲みを抜ける。
「は?」
「今のは何だ!?」
「おい!早すぎるだろ!!?」
囲んでいた全員が驚愕の声を上げる。
レグルスが放った魔術は行動速度を引き上げる魔術。
「ブリッツシュラーク!!やれ!!」
囲みを抜けたレグルスがアトリアに叫び、そのまま縦横無尽にヒュンヒュンっと高速移動をしながら、ローズクォーツ、パール、エスメラルダに走りだす。
そのままとんでもない速度で3人の魔術師を四方八方と攪乱していき圧力をかけていく。
そしてレグルスの呼びかけに答え、
「はいは~い!!『第3階梯:雷:ドンナーネッツ』~!!」
そう唱えると共に「ほいっ」と言いながら魔杖振り下ろし、上空から広範囲にかけて雷の網が降りかかる。
「ぐあ!くそ!痺れる!?」
「網に絡まって動けない!?」
戦士職が混乱しているところに、アトリアが少し飛び跳ねた上空から、大きな魔杖をくるんっと、一回転させ魔杖を天へと向ける。
「んじゃ~さよなら~。『第6階梯:雷:スルーズヴァンガル』~!!」
レグンが使った上空から広範囲に渡り水の槍で穴だらけにした『第5階梯:水:レーゲンシュペーア』を、さらにより凶悪に、超広範囲に渡り光の速度で飛来する雷を連続で叩き落とす最高位魔術…、天空より超広大の青紫の大渦とも言うべき雷雲がアリーナ全体を覆いつくし、[ヴィクトル演習場]の全体が青紫の光がバチバチと乱反射している。
「っ!!!させない!『第5階梯:聖:ケーニッヒスシルト』!!!」
そうローズクォーツが魔杖を前方に向け唱え、動けない戦士の上空に高位の巨大な防御障壁が張られるが…
「そんなことしても~、関係な~いよ~!」
アトリアが一気に魔杖を振り下ろすと、雷雲から雷が叩き落される。
バッシャーーンッと簡単に障壁を割られて、何度も連続で落雷し、辺り一面が衝撃で吹き飛び地面には巨大なクレーター痕。
その後ズゴゴゴオンっ!!!!と遅れてやってくる音と共に、7人全員じっくり焼き上がっていた。
「そんなっ…。パール!」
愕然とした顔で、その後急かすように叫ぶ。
「分かっています。『第5階梯:治癒:ヴィーダーヘルシュテルング』」
パールが冷や汗を流しながらも、先端に大きな宝石が乗っている、アトリアが持っているような大きな魔杖をガンッ!と地面に突き刺し、宝石が輝いて戦士に治癒の魔術をかける…が、
「傷ついた仲間に取り乱して俺を忘れてるぜ?『第3階梯:光:リヒトクーゲル』」
縦横無尽に飛び回るレグルスからズガンズガンっ!と光の弾丸をあちこちから撃ち込まれる。
狼狽して焼け焦げた者達に目を奪われていた、ローズクォーツがレグルスと言う脅威を思い出し恐怖に顔を染める。
「だ、『第5階梯:聖:アルタールフェストュング』!!!」
ローズクォーツを中心に3人を覆いこむように巨大な結界が作られる。
しかし、その結界にガリン!ガリン!と少しずつ着実に削られ割れ始めていく。
「エ、エスメラルダ!!」
ローズクォーツが叫び、それに対して眉間にしわを寄せ怒りながら、エスメラルダがブレスレット型の魔の腕輪からレグルスに向けて手を向け魔術を放つ。
「このっ!調子に乗るんじゃありませんわぁ!!『第4階梯:自然:ドルネンランケ』!!」
茨の蔓が延び、レグルスを切り裂こうとするも「(だから遅いんだよ)」捉えることが出来ず、そのまま飛び回りズガンズガン!とレグルスの光の弾丸に撃たれ続けて、
「いや…た、たすけ…。」
「嫌だぁ…っ!死にたくない!」
ローズクォーツとパールは恐慌状態に陥りほぼ戦闘不能状態。
エスメラルダだけが、最初の精神バフもあってか果敢にレグルスを必死で追いかけるも、
「ローズクォーツ!立ちなさい!!早くもう一度障壁を張って!!『第5階梯:自然:エアトベーベン』!!!」
広範囲に地震を起こしレグルスの態勢を崩させようとすると共に、仲間を地面を揺らす刺激で何とか鼓舞しようとするも、
「そいつぁ悪手じゃねえか?逆にビビらせちまうだろうよ。」
レグルスが光弾を撃ち込みながら、はぁ…と少し目を瞑りながら溜息をこぼし、揺れる地面からダンっ!!と、飛び上がる。
「いや、いやぁ!こんどはなにぃ!!?」
「地面…揺れて…死ぬ…。」
どちらもへたりと腰が抜けて頭を抱えてしまっており、光弾の乱射でついぞ障壁が割れた。
「ちっ。もう見てらんねえな。…終わらせるか。『第5階梯:光:ゾンネルシュトラール』」
目を開け、くるっと魔銃を一回転して上空から最後の目標、エスメラルダに銃口の照準を定めて鋭い灼熱の光線をギュウーンっ!!と撃ち込む。
「くう!!!『第5階梯:自然:フェルスシュトュルム』!!」
苦し紛れの岩石の嵐を放ってくるも、一瞬で灼熱の光線が溶かし尽くしてエスメラルダの目と鼻の先に光線が、真下へと通過、地面にジュワア…と穴が空いた。
そしてエスメラルダもまた、へたりと座り込み呆然としている。
その後、スタンっとレグルスも地面に降り立つ。
「(…3人とも戦意損失、か。全員の魔術の媒介は『宝玉等級:サファイア』だったみたいだが…トパーズの魔銃で正解だったか。)」
レグルスが3人の様子を見て目を瞑り、背を向けアトリアの方まで歩いて行った。
そしてリゲル先生がそんな魔術師3人をチラリと見て告げる。
「…戦意損失を確認。燦爛クラスの勝利だ。」
2戦目も圧倒的実力差を見せつけた。




