11 襲撃
「なぜなんですか…なぜまだ学園初日のうちから!魔物討伐をしなければいけねえのですかぁ!?」
今俺は~、アメシスト級と!エメラルド級の魔物を主に討伐をしている状況…だぁ!!
もう既に6体ほどはぶっ倒し!魔物の残骸が辺りに転がっているんだよね~。
各魔物の危険度の階級から~、採れる魔石で換金ができちゃいま~す!!
で~もぉ…
「くそ~!アメシスト級が4体で銀貨4枚でぇ?エメラルド級が2体で銀貨16枚…は?合計でたったの銀貨22枚でございますかぁ!? この辺にさぁ…サファイア級でもいればさ?狩り殺して~、一気に金貨3枚にはなるけどさぁ…当たり前だけどこの辺りにいるはずがないよね~!?場所的に!!ああ…!!ぜんっぜん足らないんですれれども…! あのクソ高~いスクールバッグは大銀貨5枚も…あんな鈍器使用にするからでしょう!?銀貨相当にして50枚なんですが!?どうしてくれるんですか!?ぅえ?人生の概念はここまで俺が嫌いなのかい!?」
何でそんなに高いのかって!?『空間拡張学生鞄』自体が『宝玉等級:エメラルド』と言う高級品だからだよ!!鞄の中がその名の通り空間拡張の魔術がかけられてるからさ。
ついでに言いますと『宝玉等級:アメシスト』以下の武器を通さず、『第1階梯』の魔術なら無効化出来るらしいよ?でもアトリアのおバカが放ったのは『第5階梯』の魔術だ!クソ~!!
大銀貨は銀貨10枚分の価値だからさ~、現在の魔石分では28枚ほど…足らねえんだよ!!ヤバ~い。
他の通貨も同様だよ~?1つ上のランク通貨は~、全て10枚分の価値で~す!
って!誰に説明してるだ!
当然!!そこの場面のお向こう?のあなた方でございますよ!…だから誰の事だよ!!
ポーション資金調達もそうだけどさ~、あんの馬鹿垂れの!アトリアの魔術で消し飛んだスクールバッグ資金集め!!あの後学園を飛び出して冒険者組合に転がりこんだのさ!!
こんな感じでね!
「(―何か…何か少しでも多く資金が集まる依頼はないですかぁ!?―)」
とまあ、このように慌てふためく俺を見てさ?受付係もちょっと引いていんだけど~、いや、引いてんじゃねえよ!!正直大した依頼はなかったで~す。
仕方ないから魔物を討伐し!魔石や魔物自体の素材、部位を調達!資金繰りに明け暮れているんじゃ!ぼけえ!!
学園のドタバタ劇で疲れてしまってからさぁ?あ!でも~、アトリア…も含めましょう!美少女4人がいたから案外悪くなかったで~す。
あれ?でも待ってください!レグルス公爵様?まさか俺が来るまで女の子に囲まれていたんですか!?ハーレムじゃあないの!
んでもあの方…執行人だから全くそんな事どうでも良かったみたいです!
むしろ怠そうにしておりましたわ?
…だからそんな事考えてる場合じゃあねえから!学園の寮からあまり離れていない、行商人などが良く通る道の近くで!魔物が出没する森の中で『深紅の魔眼』の効力も含め~?そして!自力で魔物を見つけ出しては討伐タイム~!!んでんでっと、魔物が落とした魔石をかき集めている最中ではあるものの~…
「ここら辺りはやっぱり学園が近い事もあるしなぁ~、行商人も通るし道も整備されているから、それ程魔物は出て来ないよねえ~。…あの危険な事しか言っていない騎士科の方々も、この辺り一帯で実戦経験を積んでるみたいだからさ~?」
空を見上げれば~、もう日が暮れて辺りが暗くなっていますよ!!どうしてくれるんですか!?
はぁ!?まさか時間の概念にまで嫌われいるんですか?俺が何をした言うのです!?
…あ!燦爛クラスの美少女にときめきを感じていたんでしたわ?ごめんなさ~い。
「う~ん…大赤字だけどさ~、今日はもう引き上げるしかないよね~!?ああ!!学園から支給された金貨2枚から早速!しかも大量に使う事になるけれど!?ちくしょ~!!あの面倒で~、でもうへへ、美少女た~くさんの燦爛クラスで疲れているからね!!帰ろう!!」
はぁ~、森に来る前に学園寮に駆け込んでさ?わざわざ幾つか持ってきたんだよ!銀貨1枚もするトパーズ級ポーションをよ!!これを飲み込んで…ん~!染み渡る~!!
「…………………?んあ?足音かぁ?誰かが近くまで来ているのかな~?ぅえ?こんな時間にですか~?お疲れ様ですね~。騎士科も大変だなぁ!!…なわけあるかい!!まだ学園初日だぞ?上級生も含め授業は無いはずだよ…?怖!?誰よ!?」
…これさぁ、完全に忍び寄って来てんじゃんよ?ぅえ?もしかして!?俺にときめいた美少女ですか~!!なわけあるか~!高速でどんどん俺の方に近づいてきてんじゃん…。
ヤバくねえかな?これは流石にさぁ?
「…魔眼の超予測で~はいはい、人数は4人ですか~。目標は俺らしいですね~。攻撃の意志がありますね!?俺が本当に何をしたと言うんですかい!?んで~?1人は他3人より強さが別格かよ~。マ~ジで?なんでまたさぁ…厄介な事が次から次へと来るんですか~?…っておっとお!!早いね!!」
あらあらまあまあ!!もう目の前までですか!さ~すが!!
全身をさぁ…黒装束で覆った刺客者がナイフ状の武器で突進!刺突による強襲をしてきます~!!
…たださ、俺…対人戦はできるけど…殺しまでした事ないんだよ。
あくまでも精々が適当に絡んでくるさ?冒険者の荒くれた、ど阿呆を吹っ飛ばしてただけ止まりで。
「あらあらまあまあ!?やるしかないですか~。甘いよ~?暗闇だからって見えないとでも思いましたか~?」
…左足を一歩後ろに下げ身体を左にずらし、左手で刺突を捌くと同時に、こいつの手首を掴む…。
右手でこいつを…人間の…喉を締め上げる…。
その状態のまましゃがみ込み、左右からのナイフの薙ぎ払い攻撃を避ける。
しゃがんだ態勢のまま左に回転しつつ、今俺が喉を締め上げているこの…捕縛状態の人間、暗殺者一人を、左から襲ってきた奴にぶん投げる。
その勢いのまま右足を軸に、左足での後ろ足刀蹴りを…済まないが本当に容赦なく、右から襲ってきた敵の、人間の鳩尾に叩き込んでグチャリ…と嫌な音を聞きながら…ぶっ飛ばす。
ちっ!!クソが!!勢いのままさらに左に旋回、駆け出してもつれ込んでる2人の頭をつかみ上げ…そのまま地面にドオオンと思いっきり叩きつけると同時に…またしてもグチャ…っと嫌な音を聞いてしまう…。
「…はぁ!?…はぁ!?くそ!!悪く思うな!?…はぁ!?…殺しにかかってきたのはお前らだよ!!威力を僅かだけ調整したから!!サファイア級以上のポーションなり!『宝玉階梯:サファイア』以上の治癒魔術師でもいれば助かるかもしれねえ!!…くそが!」
ちっ!!血を流し動かなくなっているかよ!…嫌だなぁ…、殺しは初めてだよ。
こいつらの持っていたナイフの等級は『宝玉等級:エメラルド』か…。
アメシストまでならともかく、エメラルド程の武器を使うとは…只の盗賊風情じゃないね~?
「…お~い。残りの1人さぁ…。誰よ?隠れてるんじゃねえぞ~?何の目的があって俺を狙ったのかさぁ…ちゃんと話してもらおうか~?」
まぁ…誰だとは言ったものの…もう分かっちまった。
魔眼の効果で良く分かるんだ~。
「あらあらまあまあ…狙った理由なんて、それはそれは我が家に甚大なご迷惑をかけた当事者である、あなたが仰いますか?私の目的は既にもうお分かりでしょう?」
ああ…やっぱりそうなんだね?『あらあらまあまあ』の口癖までそっくり。
…木の裏に潜んでいた1人がゆっくりとさ?その姿を現したよ。
俺と同じ亜麻色のフワッとした長い髪色に、可憐で儚く、だがまだ、あどけなさを残す少女の顔…。
ああ…見たくなかったが、やっぱり血筋かな?相変わらず可愛いじゃないさ…。
あれはまぁ…男が寄って集るだろうにね?
…そうでしょう?ねぇ?
「しかし本当に流石ですねぇ?この者達3人は我が家専属の暗殺者だというのに…。こうも簡単に倒されてしまうとは。
ええ、その紅く輝く眼光…本当に妬ましいですわ、クラートお兄様?」
「…やっぱりか。レグン?」
「2年ぶりですねぇ?我が家から連れ戻しの命を受けて参りました。もう逃げられませんよ。」
レグン・ウンシュルト。
右手に魔槍を持ち、俺の3つ下の妹が…目の前に立ちふさがったか。
…逃げられないねぇ?本当にさぁ…。




