第5話 買い物ってワクワクする
タイトル適当すぎました。
でも本当に思いつかなかったです。
朝の王都。レンガ造りの建物が並ぶ通りを歩きながら、俺――水谷悠真は目的地を目指していた。
「さてと、今日は武器屋に行くか。さすがに素手で戦うのも限界があるしな......」
空間魔法があるとはいえ、戦闘は魔法だけじゃない。
武器も使いこなせてこそ、真の万能型ってやつだ。
そんなことを考えていた時だった。
「――ん?」
通りの先、人混みの中から見慣れた制服の集団が目に入った。
華やかなローブ、妙にデカい声。
「あいつら......勇者グループじゃねぇか!」
慌てて、近くの石陰に身を潜める。
王都なんだからいてもおかしくはない......って、頭では分かるんだけど、実際に遭遇すると心臓に悪い。
「......ま、見つかっても面倒だしな。ってか、ちょっとぐらい話を聞くくらい、バチ当たらんよな?」
そんなわけで、耳を澄ませてみると――
「昨日のさ、あいつらの顔見た人いる?この世のどん底みたいな顔してたよね~」
あー、いたわ。
性格悪い女子ランキング上位に食い込む人、武藤 杏蘭麗(90位)。
笑いながら話すその声に、久しぶりに胃がキュッとした。
「まぁまぁ、そんなこと言わずに。彼らだって、友達でしょ?仲良くしようよ」
と、フォローを入れたのは泡渕 平(6位)。
このグループで数少ない良心......っぽい雰囲気だけど、裏で何考えてるかは不明。
「泡渕くん優しすぎん?マジで天使だよね~」
これは中村 燈(99位)。相変わらずふわふわしててどこにでも合わせるタイプだけど、周りに人いないときは自我強すぎ。
あと、こいつこんな名前だが男だ。
「そんなことより!今日は何買うの!私、杖とか飛ぶ箒大好きだから欲しい~!」
テンション爆上がりなのは國夜 すみ(32位)。ゲーム脳のファッション魔法少女。ハ〇ー・ポ〇ターが好き。
「ゲームでしょ!ゲーム買わなきゃやってらんないって!」
こいつは岩好 友生(86位)。
ゲーム好き。俺もこの世界にゲーム機あったらやりたいわ。
まぁ、あっちはあっちで"選ばれし勇者"ライフを満喫してるってことだ。
でも、俺にとってはどうでもいい。こっちはこっちで"自由な冒険者"ライフを楽しんでやるさ。
そして一度深呼吸してから、人混みへと足を踏み出す。
向かったのは、王都でも名のある武器屋――《アイアン・ハイデン》。
扉を開けた瞬間、鉄と油の匂いが鼻を突いた。
店内には、壁にズラッと並ぶ剣や斧、槍に弓。さらには、魔道具っぽいものまで置かれている。
「うお......武器好きにはたまんねぇ空間......!」
その中でも、俺の視線をくぎ付けにしたのは――
「やっぱ、剣だよなぁ~~~~!ロマンの塊!!」
シンプルな片手剣。銀の鍔と黒の鞘が絶妙にカッコイイ。
軽く試し振りさせてもらって、そのまま即決。
「これ、ください!」
「まいどあり!お兄さん、剣の扱いには自信あるのかい?」
「まぁ、ボチボチ。これから慣れますよ」
会話を終え、剣を背負って宿に戻った俺は、さっそく装備を確認しながら身支度を整える。
「よし......準備完了!」
ってことで、次は――冒険者ギルドでの受注か