第3.5話 今日という日
今回短いです。
話的には2話の続きになります。
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あの日――というか、今日というべきか、本当に色んなことがありすぎた。
突然異世界に召喚されたかと思えば、意味不明な空間魔法のスキルと称号を得て、草木をぶった斬ったり、謎のシステム音が鳴ったり......もう、ツッコミが追い付かない。
「ま、考えるのはメシ食ってからだ」
腹が減っては戦もできぬ、ってやつだ。
異世界に来て初めての食事は、王都にある人気の肉料理店『ライル・ロイーズ』。ちょっと値は張ったが、シカ肉とイノシシ肉の盛り合わせはジューシーで食べ応え抜群だった。
特にシカのローストにかかった香草ソースが絶品で、異世界グルメ侮れないな......と心の中でガッツポーズを決める。
――そして宿に戻る
「さて、明日は......本格的に冒険者として働くか」
ランクもまだ最低のFだし、登録だけして満足ってわけにもいかない。
空間魔法を戦闘で使いこなすためにも、ある程度経験は積んでおきたい。
「空間を纏わせることには成功した。けど、あれ......どう考えても出力オーバーだよな」
あのとき枝を振るっただけで、草木がまとめて真っ二つになった。
制御できなきゃ、仲間ごとぶっ飛ばしかねない危険物だ。
「魔法っていうくらいだから、この世界にも基礎的な体系とかあるだろ」
思考の糸を辿りながら、布団に転がる。
「明日は......そうだ、王都の図書館にでも行ってみるか。魔法の原理、手がかりが見つかるかもしれない」
ついでに武器屋にも寄っておこう。
スキルがあるとはいえ、接近戦の訓練も怠るわけにはいかない。
"強くなる"と決めた以上、できることは全部やる。
「......ふあぁ......」
あくびが出た。
頭はまだ色んなことでパンパンだけど、それでも今は――
「ま、明日からが本番ってことで......」
異世界の夜は、静かでも心地よかった。
やがて、悠真は思考の渦の中に沈み込むように、深い眠りへと落ちていった。




