表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『スキル【空間魔法】で転移ライフを謳歌する』  作者: 愛月量


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/77

第17話 闇ギルド

闇ギルド

――冒険者ギルドが「善」ならば、ここはその真逆に位置する。


この場に人権は存在しない。

理由は単純だ。ここでは全員が「商品」であり、同時に他人を値踏みする権利を持つ。

弱ければ売られる。強ければ奪える。秩序など存在せず、価値を決めるのは暴力だけ。


俺はハボッグの言葉を胸に、静かに息を整えた。

彼は団長として味方のように振舞っている。だが、その実、いつ俺を売り払うかも分からない。ここで弱気になれば――気づけば鎖に繋がれて終わるだろう。


《ハボッグ。俺はここで組織を作りたいんだが......どこに提出をすればいい?》

わざと軽口をきいた。


ハボッグは目を開き、次いで大笑いした。

『提出だと?ハッハッハッ!子供じみたことを言うなよ。ここは闇ギルドだ。名を挙げたいなら仕事をこなせ。それだけだ。まぁ、通り名がつけば野望も叶いやすくなるだろうがな』


通り名......。俺の頭の中で、ひとつの野心が灯る。


《闇ギルドでの仕事ってなんだ?》

『そりゃもちろん――人殺し、人身売買......たくさんあるぜ?表で禁じられてることは全部ここで出来る。俺のオススメは暗殺だな。人を殺せば殺すほど、恐怖と共に名を刻める。その居心地がいいんだよ』


......狂ってる。こいつ、本当に団長か?いや、団長だからこそか。

《色々教えてくれて助かった。ありがとう》

俺は言葉を残し、席を立とうとした。


だが、その時。


『そういや、アンタ――黒煙と言ったな』

背後から冷たい声が飛ぶ。

『情報ってのは生命線だ。ただでやるとは言ってねぇ。この場には"対価"が必要なんだよ。......驚きの連続をくれたお礼として、アンタの素顔――割らせてもらおうか』


!?


【環相】ッ!

瞬時に魔力を纏う。しかし、発動する前に――バチンと音を立て、魔力が断ち切られた。


な、に......?

理解が追い付かない俺に、ハボッグは薄笑いを浮かべる。

『おいおい、逃げるのはずりぃだろ?......なぜ魔法が発動できなかったか気になるか?これも対価だ。俺の眼は特殊でな。魔法やスキルの発動に必要な"魔力の導線"が視える。魔眼の一種だ。他にも持ってるやつはいるがな』


魔眼......?ペラペラ喋りやがって。そんなに俺に"借り"押し付けたいのか。


《なら、その魔眼で俺の素顔を覗けばいいんじゃないのか?》


『そんな便利なもんじゃねぇよ。まぁ、話はここまでだ――生きるか死ぬか。入口には俺の仲間もいる。逃げ道はねぇ』


詰んだ。

......詰んでる。


俺の人生ここまでか?まだやりたいこと、たくさんあんのに。くそ、誰か――助けてくれ。


その瞬間。


頭の中に膨大な魔力が流れ込んできた。

意識がふわりと浮かび、身体が熱を帯びる。......呼ばれている?何かが、俺を......?


腰元に鋭い痛み。

視線を落とすと、あの時押し付けられた刀が淡く光を放っていた。


「......お前、なのか?」

問いかけに呼応するように、刀はさらに強く脈打つ。


意志を持つ刀......いや、剣じゃないから"妖刀"か。

「......最高じゃないか。あのババア、いい仕事してくれたな!」


君には何ができる?どんな力が込められている?興奮して刀に問いかけた。


だが――次の瞬間、頭の中に流れこんでくるのは、数多の"詠唱"。


「は......はぁ!?これ、声に出さなきゃダメなのか!?だっせぇって!」

この刀、詠唱をしなければ効果を発揮させてくれないらしい。


『おい、何を二ヤついてやがる。早く答えやがれ」

ハボッグの声が飛ぶ。


......あーもう、どうにでもなれ!


俺は刀が導くまま、声を張り上げた。

夜の闇を切り裂くように、言葉が紡がれる。


闇ギルドは表に干渉不可ってことは......生き残るのは、俺の方だ!!


腰の妖刀が眩い光を放つ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ