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第0話 プロローグ

夏休み最大の地獄、それは――夏期講習。


エアコンも効かない蒸し風呂みたいな教室で、眠気と退屈に耐えながら、俺・水谷悠真は数式とにらめっこしていた。

いや、してるフリをしていた。どうせ頭に入らないし。


中学2年。クラスでは目立たず、成績も下から数えた方が早い陰キャ代表。

そんな俺にとって、夏期講習はただの苦行でしかない。


「......はぁ、早く終われよ......」


その瞬間だった。


教室が、光に包まれた。


冗談じゃない。

蛍光灯とかの比じゃない。目が焼けそうなくらい強烈な白い光。

反射的に目を閉じて、気づけば――世界は変わっていた。


***


「ここは......どこだ......?」


目を開けると、そこは見知らぬ草原だった。空は広く、空気はやけに澄んでいる。

周囲には、俺と同じ制服を着た生徒たちの姿。教師の姿は、ない。


ざわめきの中で告げられたのは、信じがたい現実だった。


「皆さんは、異世界に召喚されました」


どうやら、俺たち空瑠不(あるふ)ぁ中学の2年生全員がこの世界の住民によって勇者候補として呼び出されたらしい。

しかもこの世界、「成績ランキング」なるものに基づいて召喚者にスキルを与えるシステムがあるとか。


――成績ランキング。それは、俺たち現実世界での学力成績をそのまま異世界に持ち込んだようなシステム。


テストの点数=スキルの強さってマジかよ。


そして当然、俺のような底辺は――


「水谷悠真、スキル【空間魔法】を付与」


地味ッッ!!


クラスの人気者や学年トップの連中が派手な攻撃スキルをもらってる中、俺だけ空間魔法。

いや、まぁ......なんか名前はカッコイイけどさ。


でも、不思議とその時、俺の中にふとした直感が走った。


......これ、案外アタリなんじゃね?


そして俺は決意した。


どうせここでも最下位なら、好きに生きてやる。

スキル【空間魔法】で、この異世界生活を――謳歌してやるってな!

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― 新着の感想 ―
夏期講習中に異世界召喚とは……しかも成績でスキルが決まるとは笑 空間魔法という地味スキルに隠された可能性を感じさせる主人公の直感もよきでした。 今後も期待していますのでお互いに頑張りましょう!
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