第11話 遭遇
テスト終わったので、これまで通りのペースで投稿していきます。
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あーもう......やるしかねぇ!
俺は自分にそう言い聞かせて、銀狼が歩んだ道を追いかける。
地面に刻まれた巨大な足跡、木々をへし折るように進んだ痕跡。そいつが放った魔力の残滓に触れるたび、吐き気にも似た悪寒が走る。濃密な魔力に、俺の魔力が負けそうだ。けど――そんなこと気にしてる場合じゃねぇ。
ここでアイツを倒して、俺は"自身"ってやつを手に入れる。
「や、やるぞ~......や、やっちゃうからな!」
震える声で気合を入れながら、俺は奴の背に向かって3ヶ月のうちに習得したスキルを放つ。
「威圧ッ!」
【威圧】魔力を相手に飛ばす。自分より下の相手にならば効果は抜群。
俺の周囲が一瞬、ビリっと鳴った。魔力を圧縮し、放つ。それだけで空間が震えるような感覚。
けど――
......銀狼は、振り向きもしなかった。
まるで、俺の存在なんて初めから気付いてないと言わんばかりに。
「......マジかよ」
悔しい、が、それと同時に安堵している自分がいた。けど、ここまでやって"無視"は無いだろ?
「舐めてんじゃねぇ!」
俺は空間から覇國を創り出し、銀狼へ向けて振り抜いた――一閃
刹那、空間が揺れた。
それは視覚じゃない。五感すべてが告げてきた。
――避けられた。
あの覇國を、あの"空間そのもの"を裂く一閃を。アイツは......"読んだ"。
俺の背筋を冷たいものが駆け上がる。普通は見えねぇはずなんだ。ルグド森林の魔物は低ランクばっかりだったから察知すらできないのは当たり前だった。でも、アイツは見た。もしくは......俺の魔力の"流れ"を感じ取った?
「とんでもねぇな、マジで」
銀狼は、俺をようやく認識したらしい。その氷のような瞳がこちらを捉える。そして、奴の周囲に冷気が舞い始める。
「あ......殺る気だ」
ぞくりとする。命を刈り取る側の目。それが今、俺に向けられている。
けど――。
この世は弱肉強食だ。弱い奴は、消える運命。
そして今、この場での"弱者"は俺だ。だが!
「逆転こそ、至高だ!」
俺は叫び、突っ込む。
「うおおおおお!!俺はまだ、死にたくねぇぞおおぉぉぉ!!」
銀狼の身体に浮かんだ氷柱が、俺の突進に反応して飛来する。一本、二本、三本......次々と生み出され、弾丸のように迫ってくる。
「ッく......!」
避けられないなら、叩き落す。俺の間合いに入る前に、覇國で氷柱を砕く!
けど、その数が尋常じゃねぇ。避けて、捌いて、受け流す。けれども、徐々に――体力が、削られていく。
くそ......凌ぎきれねぇ
まさしく、格が違う。
こっちは必死でも、向こうはまだ"余裕"がある。
「......くっ!」
一瞬の隙間に、奴の氷が肉を裂く。致命傷は避けてる。けど、痛みには慣れねぇし、なにより思考を鈍らせる。
短期決戦に持ち込むべきか?いや、そう簡単に距離は詰められねぇ。そんな風に考えていた時――
「グオオオオオオ!!」
咆哮が響いた。銀狼が吼えた瞬間、纏っていた冷気が爆ぜ、辺りの空気が凍てつく。
「ッ......なんだ......?」
寒気が皮膚に刺さる。木々が凍り、空間そのものが凍結していくような感覚。
もしかして、思ったより"生き延びている"俺に、痺れを切らしたってか?
「......はっ、そんなん本気出される前に決着つけたいんだがな」
でも、ここは――アニメや漫画みたいに行こうぜ。
逆境に、俺は立ち向かう。




