第9話 旅立ち
テスト近かったりその他諸々で忙しいので更新遅めです。
なるべく投稿するようには心がけます
瞼の隙間から、橙色の光が差し込んでいる。
.......ああ、もう夕方か。
どうやら、俺は魔力切れでずっと寝ていたらしい。
......失態、だな。
あの暴走から、3ヶ月が経った。
宿に泊まるのは辞めた。代わりに、森の中で寝起きする生活を選んだ。
自然の中には魔力が満ちていて、練習にはうってつけだったからだ。
それに――この国の王都周辺には、低ランクの魔物しか生息していないらしい。
今更だが、ギルドの掲示板をもっと早く見ておけばよかった。
あとはひたすら、冒険者としてのランクを上げ続けた。
戦い、狩り、採取、戦い、狩り......この連続さ
その結果、気付けばこの国で最高ランクである「Cランク」にまで上がっていた。
......え、この国の最高がC?
まじかよ。弱すぎないか?
王立魔法学園が"エリートの集まり"ってのも、にわかに信じがたくなってきた。
というか、この国全体の水準が低い可能性がある。
だから俺は決めた。
そろそろ、この国を出る。――次は、隣国だ。
それが、俺のこの3ヶ月の総まとめだ。
***
手荷物を背負いながら、王都の門へと歩く。
ここでの生活も、もう終わりだな......そう思っていた、その時だった。
「おーい!あれ、水谷じゃん?」
懐かしい声が、背後から飛んできた。
振り返ると、そこにいたのは――
「......あ、お前は。古宮!」
古宮 勇。成績ランキング181位。
かつてのクラスメイトで、俺と同じ下位常連。
ただ、明るい性格で周囲にいじられるような存在だった。
「水谷って今、何してんの?」
『......俺?冒険者だよ。古宮は?」
「もしや、噂のランカーか~?(笑)オレは商人やってんのよ」
(......最悪。噂になってんのか。目立ちたくはあるけど、実力までは隠したいんだよな)
『そんな大したもんじゃないって。てか、商人?すげぇな」
「いやー、オレもビックリだよ。ほぼスキル頼りだけどね」
『スキル?そういえば古宮、どんなスキル持ってんだっけ?」
「教えてやろう。オレのスキルは――【お調子者】」
【お調子者】
対象の意欲を向上させる。意欲の高まりにより、成功率や成果の上昇を引き起こす
『お調子者......って、つまりやる気さえあればいいってこと?』
「おっ、理解が早いな!話早くて助かるわ」
『普通に使い方次第で強くね......?てか、あの"通達"知ってる?』
「通達ね、まあ知ってるけど、オレは普通に生きるだけだよ。変な目立ち方はしたくないし」
『......まぁ、そうだよな。俺も一応"冒険者"として結果出してるけど、別に偉くなりたいわけでもねーしな』
「だよね。とりあえず、2年後にまた会えたらいいなーってくらいで」
『ああ。俺、今から隣国に向かうところなんだ。誰かに会ったら、よろしく言っといてくれ』
「オッケー。水谷も元気でな!2年後、ちゃんと"あっち側"で会おうぜ!」
『おう、じゃあな!』
***
古宮の姿が人波に紛れて見えなくなる。
やっぱり、ああいう何気ないやり取り――嫌いじゃない。
けど俺は、もっと先に進む。
この世界で何者かになるために。
その一歩をを踏み出すために、俺は――旅立った。




