FULL MOON
手折らせはせぬと誓いし花の香の纏うわが身に月ぞ照りぬる
【短歌十首】
水底に潜みし我の前に君は一筋の光となり現る
徐ろに目が合う画面越しの君無いはずの記憶がよみがえる
心にも君が咲かせてくれた意味 手折らせはせぬ 名もなき花よ
この花は触れると消えてしまう夢どうかこのまま醒めないでいて
手のひらの霞のような感触に息吹きかけて光を孵す
眠れない夜はやさしく触れていてほしい他には何もいらない
不揃いな光の粒を咀嚼して生まれた歌が明日を紡ぐ
勘違いしていたいから真っ直ぐな君に合わせて呼吸するんだ
手折らせはせぬと誓いし花の香の纏うわが身に月ぞ照りぬる
感情の発露の先を求めては夜空を仰ぐ声を聴かせて
12/15/2024