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藍微塵  作者: らこ
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別れの日

話すことが楽しみだった

どんなに些細なことでも

彼が話しているのを聞いているだけで良かった


笑って過ごすことが楽しみだった

私が笑うと彼も嬉しそうに見えたから・・・・・・


楽しみだったことが 楽しめなくなってしまったあの日から

ただただ苦痛で お互いが執着の粘液でべとべとになっている


通話する時間も 彼が帰宅する0時に合わせて待つ日々

私から話すことも少なく 彼の愚痴をひたすら聞く毎日


都合を合わせられないと言うと少し不機嫌になる彼から

早く解放されたかった


そんな苦痛が2年半続き それが訪れた最後の日

積み重なってきた「我慢」がぶつかり合い

お互いの思いが一致したんだと悟ったのか

涙も出なければ 悲しいという感情すら忘れ去られたように

ゆっくりと消えていった


今までありがとう さようなら


何度も言った言葉だったのに この日初めて受け入れてもらえた


嫉妬、依存、束縛・・・・・・それらからの解放

ちゃんとサヨナラできたんだ


「好き」が「嫌い」になったわけじゃないんだ

ただ 疲れちゃっただけ


まるで恋人 でもそうじゃない

縛り合っていただけの関係


それが終わった


別れの日


 

楽しかった日々が苦痛に変わる瞬間は

耐えがたいものだった

きっと彼もそうだったと思う

どちらが悪いとか そんなものはなく

手放すという方法を知らなかっただけなんだ


そうして繋がっていた「縁」が切れた時

不思議と悲しくはなかった


それまでの色んな出来事が心を成長させたのかもしれない

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