634話
そんな最悪な未来を想定しているときに限って、その想定はよく当たる。敵として現れたのは双剣のオーガだ。前回は大剣を片手で扱い、もう片方の手は振り回す時や防御する時といった行動を取る補助を行っていた。
そんな双剣のオーガが持っている武器は片手剣の2刀流だ。属性の効果はついていないようで安心だ。そんな2本の片手剣を振り回す形で斬撃を放ってくる。不意打ちとは卑怯な・・・。シールドを出しそれを防いだ。
一種のテストみたいなものか?不意打ちを防げなかったものと戦うつもりはないとか?全てのオーガが見極めるとかにしてくれよ。心臓に悪いわ。魔法を使えるものであれば魔圧で動くことができるもののみと戦うとかになりそうだな。
魔力を出しっぱなしにして戦わないといけないから魔力消費がきついんだよな。双剣の斬撃が止み、魔術師の魔法が飛ぶ。気力も纏っていない剣により叩き折られ、使われずに霧散する魔力が剣に吸収される。効果武器か・・・。魔力を吸収して自身の力に変えるタイプか、気力に変換して吸収したのかのどちらかだな。
迂闊に魔法を打てなくなってしまった。砕く隙がなければ作るまでだ。騎士が走り出し、その双剣を抑えに動く。だが、その素早い動き翻弄され攻撃をしても空振りに終わっている。殴ろうとしても急ブレーキをかけ動きを止め、横に飛ぶことで騎士の攻撃を回避したりと、その動体視力や素早さを活かした戦い方だ。
魔術師や俺も魔法を撃っているが、特に当たらずに双剣によって防がれる。どうすることもできないなら俺も刀で攻めるか・・・。そう思い刀に手をかけ、分身体を出そうとしていた時だった。オーガの双剣が光出す。
そして剣身に魔法属性が付与された。その属性は火と氷だ。魔力吸収の効果はこのためか・・・。魔法が使えない個体のための魔力吸収だったのか。ずっと魔法を壊すためだと思っていた。オーガからファイヤーランスが俺たちの方に飛んでくる。
この間も魔力吸収が働いていればここで魔法を放つ意味はないな・・・。時間を稼ぐか。1体だけ出していた分身体をさらに増やし5体にした。魔法が使えない個体が魔法を使うために吸収した。ならその魔法がなくなれば、剣は普通に戻るはずだ。
するべきことは時間稼ぎだ。氷の剣を地面に突き刺した。少しずつ氷が広がりだす。そしてフィールド変化を自力でやりやがった。まだ地面だけだ。ここに棘が生えてくるとかはなく、おそらく魔力不足だな。
擬似的ながらも魔法が使えるとか卑怯すぎるな・・・。分身体の命令も逃げることから足元にシールドを出しながら逃げることに変更する。魔力消費が増え、すぐに消えてしまうが仕方がない。対策は・・・
「騎士!!」
騎士の視線を俺の方に向けさせる。そしてマジックバッグに手を入れ、それを投げつける。持ち手を手に取り受け止めることができたようだ。その武器は不壊の大鎌だ。鎧の装備だけで属性攻撃を受けるなんて負け確にもほどがあるだろ。時間稼ぎのために生き残ってもらわないといけない。
それなら壊れないこの鎌が一番最適だな。剣に魔法を纏っているだけでも消費する。ただ戦って耐えるだけでも魔力消費になる。それが俺の狙いだった。
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