632話
騎士に魔法が当たらないようにしてしまった。その命令を出してしまったがために、騎士の方向から魔法がやってこない。オーガに守らせる方向を1つ減らしてしまったわけだ。カースウェポンを破壊した時のように斬撃を放ってくる。
そして、騎士に向き直して攻撃をしようとしていた時だった。オーガの動きがぴたりと止まった。白狼の邪眼だ。硬直状態になり動くことができない。必死に力を入れ動かそうとしているが白狼の魔力が切れない限りは無駄な努力だ。
白狼は未だ魔法すら放っておらず魔力はマックスの状態だった。そのため、ヘイトも向いていない。そして、このヘイトを1番多く集めるであろう邪眼を発動させたのが誰なのかは騎士の方を向いているオーガにはわかっていない。
命令を出していなかったが自己判断で邪眼を発動したのか。成長だね。騎士が大剣を破壊した。そして数歩後ろに下がり攻撃を安全に避けるところまで行くとその邪眼を解除した。騎士が普通でよかった。馬鹿なやつだと、ずっと殴って白狼が魔力切れになっていただろう。
今1番のヘイトが向いているのは武器破壊をし、1番近い騎士だ。折れた大剣を持っているが中心付近で折れているため、距離感が掴みにくいようで、何度も空振りをしている。だが軽くなったことにより振るスピードが上がっているため、騎士は攻撃をしにくそうだ。
その攻撃をする隙を作るのが俺たちの仕事だな。1本のカースウェポンを真っ直ぐ飛ばし、こちらの存在を気づかせた。だが、殺傷能力はないと判断され無視される。騎士に少し下がるように命令を出し、ヘイトを俺の方に向けさせたい。カースウェポンを多く出し狙いをオーガのみに絞る。あの1本で俺にヘイトがくるのが一番よかった。多く出し襲撃をするには騎士が近すぎて邪魔だった。
少し距離を空けた今なら放つことができる。そしてその中には大剣も含まれている。それもお構いなしだ。大剣のカースウェポンを奪いに俺の方に近づいてくる。周りは動いて狙いに行っているが、その大剣だけはオーガの方に剣先を向けたまま止まっている。
その折れた大剣で、周りのカースウェポンを叩き落とすことで壊した。そして大剣を目の前にし、その大剣を拾おうと手を伸ばした時だった。設置したアースランスを発動させる。っち、感のいいやつは嫌いだよ。
バックステップでギリギリ頬を掠めるだけで避けられてしまった。少し焦ってしまったな・・・。用意していたアースランスもなくなってしまい。その大剣が取られる。攻撃があまり当たらなかったことによりヘイトは俺に向かなかったようだ。
その大剣を手に持ち、騎士に近づきその大剣を振り下ろす。振り下ろした時にはその大剣は消えており、握りしめた手を振り下ろすだけとなった。計算内の動きをしてくれて助かった。普通ならあんな見え見えな罠を手に取るわけがない。
馬鹿だからできたことだ。発勁により飛ばされた。そこに用意されているのは魔術師によるファイヤーランスだ。それが放たれオーガの体を燃やす、まだ生きているようなので分身体を2体用意し、魔力を合成させ威力を上げたファイヤーランスを食らわせることで、やっと殺すことができた。
安全に戦うならタゲやヘイトを集める人は必要だな。そのドロップは、剛力のスキルブックだ。力だけを見るとオークの上位互換的な存在なようだ。これは今回の功労者の騎士にあげよう。魔法が出れば白狼にあげるか。
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