618話
その結果は、簡単に騎士が勝つことで終わった。その時に剣が破壊されてしまった。予備を手に入れていてよかったとつくづく思う。素振りしていて、ダメ出しを騎士がしているようだ。上に振り上げた時に、二の腕を持ち上げたり脇を閉めさせたりしている。
その姿勢をキープするのが辛く、腕の筋肉がプルプルと震えている。その気持ちわかるよ・・・。その姿勢からの振り下ろした時と素振りとでは振り下ろす速度がこっちの方が早い。スムーズに剣に力が伝わっているように感じる。
ここまで違いが出てくるのか・・・。あとは足捌きだな。武器を渡され、徒手格闘術の訓練が始まる。殴り合いとかをするわけではない。するのは型のようなものを繰り返し行うだけだ。敵がこうくる時はそう返すみたいなことをしている。
言ってしまえばシミュレーションだな。試行錯誤しながら行っているそれを眺めている。そんなことを考えながら戦闘していたんだ・・・。と驚きを隠せない。何も考えずに突進ばかりしていると思っていた。
やはりいろんな武器への理解は大切だな。一歩前に出たその足の内側に片足を入れる。その練習をしているようだ。片足の隙間に入れることでもう1つの足を出すにはどうすべきか。それは横に転がり姿勢を整えるか、後ろに下がるしかない。
受け身な戦い方に変わってしまう。それを防ぐための戦闘だな。次の一手を予測する戦い方の練習もついでにしているようだ。足の動きと殴り(寸止め)を繰り返し行っている。1回寸止めされると距離をあけまた近寄り行う。
ずっと騎士の圧勝だな。けどこれってチーフにとってあまり意味がなさそうだな。剣を使うのだから基本利き手側からの振り下ろしが多くなる。基本利き足から前に飛び出すといった感じだ。踏み込むと同時にその首を切る。
そんな戦い方が理想だ。そうなってくると、リーチの差を入れてこの訓練をしないといけないよな・・・。俺の後ろにある木を抜刀と斬撃で切り落とす。その枝を切り落とし、木の幹に軽く剣の形で切り出す。
見た目は剣のものが完成した。水分が抜けていないので一時的なものだ。抜ける時に形も歪んでしまうので今度しっかりしたものを作ろう。トレントからのドロップを使えばすぐに終わりそうだな。
1回目は油断とリーチの判断ミスにより騎士が一本取られてしまった。ここから激しさが上がる。騎士のスピードが1段と早くなった。さっき同様に剣を突き出す。だが、その剣の腹を抑え、寸止めの攻撃が入る。対する主人であるはずの俺は、木を切り抜き木剣を作る作業を繰り返し行っていく。
今さっきも受け流した際に気力を軽くこめ、壊れやすくしている。あれは確信犯だ。武器破壊の精度も上がるから別にいいけど、もっと大切に使ってくれよ・・・。
この組手が終わる頃には7本の木剣が犠牲になった。残っている木剣は8本だ。チーフにそれを渡し召喚を取りやめ消えてもらった。騎士にはオークの肉を渡しておいた。
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