185話
ファイヤーチェーンにより、4本拘束することができた。これで互いが、動かすこともできないので時間を稼ぐことができそうだ。今フリーなのは4本この処理に移る。もし火がつくと折られ、ヘタをするとその状態で俺へと攻撃を仕掛けてくるかもしれない。
動きを封鎖するための魔法だ。この魔法は、火の火力を減らす代わりにその耐久力を最大まで高めている。そのため、根がすぐに燃えるといった心配もないし、魔法が解かれるという心配も少ない。今根に攻撃ができるのは、俺と騎士、白狼、魔術師の4人だ。1人につき1本ぐらいかな。終わればすぐに援護をしに行く。ユニーク個体相手に1人1体とか決めていられない。
さっさと殺す、これに限る。白狼には荷が重いと思ってしまう。一番の新参者だ。そしてまだ種族としての進化も行っていない。さらにレベルも低いだろう。今回白狼には、さっき切った根を相手にしてもらおう。
「ファイヤーエンチャント、ウィンドプロテクト」
一番効率のいいバフとエンチャントをかけた。さっき放った火はもう木の元まで届きそうだ。もうゆっくりと戦うこともない。花の殲滅が終わると、残ったゴブリンもこのトレント討伐に動くことになる。
射程範囲に入ったようだ。根の攻撃が開始される。その攻撃をジャンプで避け、切り掛かる。トレントは攻撃をする際には、魔力をまとっている。さらに防御力も上がっている。その防御力の前では刀はあまり通らなかった。あの魔法が通ったのは、まだ魔力を通しておらず油断をしていたからなのかもしれない。
根の先端が俺の方に飛んでくる。それを刀になぞらせるようにして逸らす。その根は地面に突き刺さり、土を巻き上げる。そのまま近づき、切り落とす。その切り口からは火が立ち、その身を燃やしている。これで1本は始末できた。周りを見渡すと、騎士は終わっており、一番不利になっている魔術師の援護に走っていた。
白狼は攻撃が通っており、俺がつけた切り傷をさらに広げている。騎士が相手にした根は、引きちぎられたかのように繊維が飛び出している。さらにところどころ凹んでいる箇所が何件もある。殴って薄くしてからちぎったということがわかる。今は邪魔なのでマジックバッグにしまおうとしたのだが、しまうことができなかった。
そのまま、ちぎれた根を捨て白狼のカバーに走った。
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