184話
そこまで殲滅ができたとしても中心の木までは届いていない。中心の木付近に来たときにファイヤートルネードを出し、木を燃やす予定だった。だが、そこまでは距離が足りずにいた。新しく魔法を作って置いてよかった。もし、魔法を作らずに来ていると魔力がきれて一旦帰らなければならない。そんな事態にならなくてよかったとホッとしている。
騎士が地面に足を叩きつける。その瞬間に地面が波打つ。その振動は木まで到達し、その大きな体を揺らしながら木の葉を何枚も地面に落とす。騎士の後ろにいた俺たちには何も被害が出てきていなかった。それだけで済めばよかった・・・。その攻撃が当たった瞬間地面から木の根が9本生えてくる。その根一本一本がさっきの根よりも太く長い。
この距離であれば、ファイヤーランスは届くので放ってみたところ、避けることも攻撃をすることもなく、その根にあたり燃える。だが、それに向かって魔法が飛ばされ折れてしまう。その光景を見ていたのだが、その魔法のレベルも上がっていた。めんどくさいが物量作戦で行くしかないのかもしれない。そんなことを考え、ゴブリンを200体を召喚する。全ての指揮はチーフだ。ここでレベルアップした力を見せてもらおうではないか。
してもらいたいことは花の処理だ。一番あれが邪魔だ。切ることができても俺たちへの攻撃によって注意力が落ちてしまう。そのためなんとかしたかった。ゴブリン軍団を左へと進軍させる。相変わらず、残り8本の根は地面から頭を出している。
左側にある花の攻撃は全てゴブリンの方に行っている。その際のゴブリンの魔法により少しずつだが、花を倒すことができているようだ。その間に右側にファイヤーウォールを出す。そこに向かって魔術師が風魔法を使い簡易的な熱波を作る。その熱波によって近くにあった花が燃え出している。その火は、たちまち地面の雑草を伝い他の花までも燃やしていっている。
これで本体に集中できる。白狼の氷魔法によって、鈍くなっている。そのため、根の動きはまだ目で追うことができる。その前に根の処理からだ。刀を抜き魔力を込め、斬撃を飛ばす。その斬撃に当たるが、半分も行っていないぐらいで斬撃は消えてしまう。
通常トレントであれば、この斬撃で切ることができていたのだが、ユニークにもなるとその耐性も上がっているのかもしれない。
「ファイヤーチェーン」
根を何本かまとめて縛り付ける。これで折れてくれると楽になるのだが、そう簡単に行かないだろう。そのため、残っている根を1本ずつ処理することにした。
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