181話
火魔法を新しく作る。正直、小さい火で攻撃してもいいぐらいだ。だが、それでは速さが足りず当たらなかった。花なら動かないから、当たると思う。だが、動く敵には絶対に当たらない。そんなことをするよりか、狙ったところに移動させ、そこに火柱を上げることをする方が当たりそうだ。
ウルフと対面し、戦い方を考える。とりあえず、ウィンドカッターで木を切り倒し、場所を広くする。これで奇襲もされなければ、奇襲することもできない。
「さて、どうしようかな。」
目の前にはウルフが10体そして、俺は一旦ソロだ。召喚しているが、援護はいらないと言っておいた。思いつきそうで思いつかないと言ったもどかしさの中で戦う。その中で思いついた策は何個かある。とりあえず、それを試してみるか。
「ファイヤーボール」
魔力を多く込めたことにより、4倍ほどの大きさを持つファイヤーボールができた。それを空中に持ち上げる。流石に火が弱点ということを理解しているのか、突っ込んでこない。さらにこの魔法1つでは、殲滅もできない。空中に浮き上がったそれと俺を警戒しているウルフ、さらに後ろにいるゴブリンたちにも気づいており警戒しているようだ。
そして、そのファイヤーボールを爆発させる。思いついた案1つ目の擬似ファイヤーレインだ。砕け散ったファイヤーボールの破片が地面へと落ちてくる。その速度は普通のファイヤーボールより少し早いぐらいだ。飛んでいく方向はランダムだ。そのため、俺の方にも何個かは落ちてきている。
ウルフ寄りで爆発させたので、そんなに多くはない。そしてウルフだが、一番先頭にいた個体は攻撃が当たっていない。さらに、欠けらを避けながら俺の方に詰めてくる。それに続こうとしていたウルフだが、半分近くはその欠けらに当たり毛皮が燃えている。
「これはボツだな」
大きい敵だと効果的だと思う。だが、素早いか小さい敵だと効果が薄いな・・・。生み出そうとしているのは、当てるだけの魔法だ。やはりランダムというところがネックだな。
噛みつこうと飛び掛かってくる先頭のウルフ。それを避け尻尾をきる。これでバランス能力が失われたはずだ。おそらくこいつがリーダー個体だ。速さや判断力が他のウルフよりも高い。後ろにいたウルフたちも合流したものの、戦闘に手を出そうとしてこない。
見合っているうちに、ウルフの真下に魔法を設置し、発動させる。火柱が上がり、それが消える頃には1つの真っ黒とした死体が出てくる。残り4体だ。リーダー個体に警戒している中、背後から2体が連携し攻撃をしてこようと近づいてきている。
振り向き攻撃を与える。斜めに切り裂き真っ二つにする。その横の一緒に攻撃をしようとしていたウルフには、喉に刀を突き刺す。これであと2体。リーダー個体はまだバランスが取れておらず、立っているだけなのにフラフラしている。そこにファイヤーバレットを打ち込む。警戒していたのか普通に回避はされた。だが、その着地には失敗し倒れ込む。
そこにファイヤーランスを飛ばし燃やした。ファイヤーボールでは燃え尽きなかったようで、何体かは起き上がってきている。残ったウルフは、尻尾を股に挟み、怯えているようだ。そこにファイヤーランスを放つ。もう足が竦み動くことができなかったようだ。
あのファイヤーボールから生き残ったのは、2体だけだった。そいつらは虫のいきだ。ピクピク動いているだけで、もう立ち上がることもできないだろう。近づくまでもない。ウィンドジャベリンで頭を貫き殺した。
「5割は、ダメだな・・・。7割ぐらいに当たるようにしないと・・・。」
次の魔法を試してみるか。
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