166話
威圧関係は、今度試すためオフにしている。とゴブリンを見つけた。もちろん今回はステータスがここの階の適正レベルまで伸びているのかを確認するため、魔力操作や気力操作による身体能力は上げていない。危なくなれば、手助けもある。では、のんびり戦おうではないか。
茂みに隠れ、ゴブリンに向かって石を投げる。敵のゴブリンは5体だ。隠れているので持っている武器はわかっていない。石が飛んできたことに不思議に思い近づいてくる。そして茂みを横切った時だ。ゴブリンの腹から刀が生える。短剣だった。
俺の背後には残りのゴブリンが4体。弓1体、剣2体、杖1体だ。俺の登場に驚いたのか、それとも短剣が目の前で死んだことに驚いていたのかわからないが硬直している。そのため、杖に向かってファイヤーランスを放つ。
対応が遅れたのか、魔法を唱え切る寸前で燃えてしまった。そしてその火は消えることなく全身に広がり焼死体の完成だ。その間に硬直が解けていた剣が目の前に立っている。上に切り上げようとしている。横に飛び退くことで回避をする。
いつもであれば、ここで後ろを見るケースが多かった。だが、こいつは死んだと判断して詰めてきやがった。もし、後ろを見た場合。そのまま、首を切り飛ばして、魔法で牽制することを繰り返して余裕勝利となるはずだった。その移動をしたところに弓を構えている。
そのとんできた矢を掴み、剣に向かって投げる。その矢は、何も強化をしていなかったのでスピードが遅く、剣によって切り落とされる。睨み合いが始まった。その睨み合いを壊したのは俺の魔法だ。残りのゴブリンは3体だが、魔法にも対応できるように剣の1体は、弓を守るような立ち回りをしている。
そのためフリーで打つことができている弓をさっさと殺したい。地面には、アースランスを設置することはできた。今弓がいる足元だ。剣とぶつかり力の押し合いが始まる。俺の意識は、弓に向いている。その弓は今放とうと弦を引いている状態だ。
足元なんか今は見ていない。地面から生えてきたアースランスによって、体を貫通しながら空中に魔法が打ち上がる。残り2体。もう守る対象がいないので剣を相手に戦うことになる。刀で、また力比べが始まろうとしている。そしてその背後からは、剣が突っ込んできている。
そう簡単に背後を取らせるわけがない。もちろん誘いだ。その誘いの目的は魔法を当てることただそれだけだ。背中から1本の槍が飛ばされる。ランスよりも尖っており、その貫通力を上げるために回転をしている。さらにその先端には切れ込みが入っており、その貫通力を底上げするように作られている。その槍は止まることなくそのゴブリンを貫き、後ろにある木に突き刺さり木を燃やしている。
鍔迫り合いをしていたゴブリンだが、その魔法を警戒したのか後ろに下がった。このまま鍔迫り合いだったら、魔法を打ち込もうと考えていたのだが・・・。
「ダークチェーン」
空に作り、それを仕掛ける。そしてゴブリンの腰あたりに絡みつく。これで上半身と下半身のどちらかが動かなくなった。ファイヤーランスを作り、ゴブリンの足元目掛けて飛ばす。地面に当たり、爆発が起こった。その衝撃で飛ばされているゴブリンに追い討ちをかける。
その手にはもう剣が持たれていない。爆発と同時に飛ばしてしまったようだ。空中にいるゴブリンを刀で切り伏せて決着がついた。
「20%ぐらいか・・・。」
使う魔法も縛っていたので本気の力と比べるとこの辺りだろう。今の力の20%分を使うことでゴブリンを倒すことができることがわかった。
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