164話
強さ確認も兼ねて、11階にやってきている。魔法はどうせそのレベルに応じたものしか使うことができないので、後回しだ。強さを表すとしても魔力を多く込めることでその威力が上がる。そのため確認はいらない。
確認をしたいのは、騎士とチーフの能力の確認だ。コマンダーの場合であれば、前までは100体を指揮することができていたのだが、今は何体使うことができるのかを確認したい。騎士の場合はその強さだろう。前よりは、力とかは上がっているのだが、その強さが未知数だ。それを測るためにゴブリンの5体ぐらいをまとめて相手をしてもらおう。
まずは騎士から始めてみるか。今、周りには誰もおらず目の前にゴブリンが5体いる。その内訳として剣が2体、弓が1体、槍1体、武器なしが1体だ。バランスは良く、武器なしが少ないことからこの戦闘は負けそうだな・・・。
騎士が勢いよく詰める。剣の2体とも反応ができていない。そのまま腹に一発入った。殴った威力だが、防具ごと貫通している。腕が貫き、1体を葬る。その死体をもう1体の剣に向かって投げ、対応をさせない。
次の狙いは弓だ。腕を貫いている間に、構えておりそれが飛ばされる。飛んでくる矢を掴み、投げ返す。騎士が投げた矢だが、正直見えるか怪しいところだ。あと少し早ければ見ることができなくなっていただろう。その飛ばされた矢は弓の肩を貫きその後ろにある木に突き刺さった。
もう弓を支えることができないのでもう攻撃はできないだろう。出血で死ぬのも時間の問題だ。左右から挟むように槍が2体、そして目の前から武器なしが突っ込んでくる。少しだが、黒いオーラが出ている。もしかすると、固有スキルか?
バック転をしながら、その攻撃を避ける。そして着地と同時に攻撃に転じる。さっきよりも一段とスピードが上がっており、槍を突き出してくるのをスライディングで避け、横に周りその体に発勁をぶち込む。体を破壊されず、2体とも吹き飛ばされていく。数本の木を倒しながら飛ばされていき、その威力がなくなり止まる。
騎士の左から武器なしが奇襲を仕掛ける。だが、それがわかっていたのか、向かずに受け止めた。そして、その手を握り潰す。握りつぶした手から腕に掴み直し引き寄せる。そして、ボディーに連続で右手でラッシュを始めた。
もう原型を留めていないほど粉々になったそれを、まだ息をしているであろう槍の方へ投げ飛ばす。もうこれは勝ちが決まった。そのまま足ばらいで、まだ地面に倒れていた槍の頭を粉々に砕く。
圧倒的な勝利だ。あの勇者君といい勝負するんじゃないかな?それはそれで見たいところだ。圧倒的で勝ってもよし、負けても学びになってもよし、最高の実験体だ!
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