1630話
52階層を白狼の邪眼で動きを止めた後の婆娑羅の魔法で突破をし、53階層に移動をする。そこに待っていたのは、巨大なナマズが陣取っているのだった。
体を隠すことはなく堂々と、泥水の上に座り込んでいる。
「ナマズか・・・」
「魔法メイン?」
「そうなるな」
うなぎと同じようにヌメヌメとした液体で体をコーティングする。そのため、斬撃系が無効化されると考えたのだった。
分身体を2体消費するのと、婆娑羅が槍の先端に雷炎の魔法を用意する。婆娑羅が放つのに合わせて分身体に命令を出し、魔法を放たせるのだった。
だが、魔力探知で魔法の存在に気がついたようだ。右半分の体を上げる。ねちゃッとした液体が、ナマズの体と泥をくっつけていたのだった。
そして、その揚げた右半身を地面に叩きつける。地面が爆発したように膨れ上がる土砂により押し潰され、魔法がかき消される。
泥が落ちる頃には、ナマズがこちらを向いており、口を開いているのだった。そこから放たれるのは、ヘドロの塊だ。泥がナマズの表面から作り出されるヌメヌメで、丸に形成された。そんな質量の塊が放たれる。
地面にある泥を抉り取りながら、その質量の塊は突き進んでくるのだった。距離はまだあるため、横に飛び退くことで回避をする。
そこに地面を泳ぐようにして、口を開けたナマズが勢いよく近寄ってくる。あの質量の塊からだ。その塊に気を取られていたあまり、ナマズが近づいてくるのに瞬時に反応することができなかったのだ。
飛び退いた先にシールドを足場を作り出し、さらに段階的に移動をする。今回のカメラマンは隠密と逃げを重視しているため、いないものとして考えてもいいらしい。そのため、安心して無視を決め込むことができるのだ。
回避の後、地面に降り立つと同時に、あのナマズが暴れ出す。それと共にあらゆる方向に泥の波が発生するのだった。全ての敵に対する範囲攻撃だ。
それにプラスして地面が大きく揺れ、動きが封じ込められる。地震だ。地震による動き封じ込めに広範囲攻撃だ。空中に避ける手段やバランス能力、体勢を崩したとしても一定の攻撃威力を持った手段があるのか。この辺りが広範囲攻撃に対処するための方法だ。
婆娑羅や槍を手に取ることで空中に飛び、俺はシールドを足場にすることで地震による行動阻害から完全に回避する。カメラマンは知らない。どうにかして避けていることを願うのだった。
体から粘液性の球を放出するのだった。それが地面に当たるとともに弾け、液体を撒き散らすのだった。もう見た目は、完全に泥と同化しているため記憶力が重要になるだろう。
もう、空中戦で戦った方が被害が少ないかもしれないな。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




