1626話
数回周回をしてから、配信は終わるのだった。ただ、ドロップはあまり良くない。魔石や歯、舌なんかをドロップしたのだった。鑑定をしたところ、歯には中切歯と括弧書きで書かれていたことから奥歯や犬歯といった全ての歯を合わせると32本存在しているのだろう。
ヤンキー漫画のように瓶詰めにしろということなのだろう。正直、アクセサリーとして作り替えることが理想だろう。ただ集めるよりもそっちの方が装備っぽくていい。
穴を開けて糸を通すようにすることで、ネックレスとかか?それよりも口の形に作り変え、舌もつけることで勝手に魔法を放ってくれる便利道具になる可能性もある。まあ、その場合は呪われた装備として処分するのが正解だろう。
配信が終わった後も、52階層の周回を行う。白狼の魔力が尽きるまで邪眼を酷使するのだった。その結果、親知らずが1つだけ手に入ったのだった。こんなドロップよりもスキルブックの方が欲しかった。
51階層で降霊術のスキルブック欲しさに周回していたものの、魔石や血塗れの効果がついた毛皮しか落ちなかった。そして、今日のダンジョン探索が終わるのだった。
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ここ数日は、55階層に向けてダンジョン探索をしているか、休日のフリーな日のどちらかになっている。そのため、今日は戦闘系の配信ではなく、普通の訓練配信を行うのだった。
参加者は婆娑羅と俺の二人だった。急に行ったため、誰も来ない状況になる。始まるのはマジックイーターの検証だった。
まず、気になったのはエンチャントを施した場合吸い寄せられるのかだ。婆娑羅にお願いをして、槍を操ってもらう。魔力で操っているはずだが、吸い寄せられないのだった。
そして、エンチャントをされたとしても吸い寄せられることはない。だが、魔法として放つと吸い寄せる仕組みのようだ。エンチャント+斬撃といった半分魔法攻撃のようなものも吸い寄せることはない。おそらく物理攻撃がついているのが原因だ。
魔法+斬撃で捕食ができるのは魔法だけだ。そうなれば斬撃は体を斬りつける。そのため、防ぐことができる魔法しか受け付けないのだろう。
次の検証は、等距離の魔法ならどちらに引き寄せられるのかの検証だ。引き合う力が互いに等しければ、魔法は真っ直ぐ飛ぶことになる。結果は、片方に引き寄せられるというものだった。
何らかの意思疎通や交互にするといったものがあるのだろう。植物のことは何もわからないから、なんとも言えない。
効果範囲は、半径10mと結構な広さをしている。効果範囲が広ければ広いほど、魔法を防ぐことができる距離が増えると考えればプラスになる。
最後の問題は、どれくらいの魔力を吸収することができるのかだ。試すのは婆娑羅の槍だ。弱点属性を見つけておく必要もあることから、しっかりと検証を行う必要がある。
1つ目のファイヤーボールは余裕だった。2つ目のバレット、3つ目のジャベリン、4つ目のランスとまでは余裕だった。ここで1つ気になってしまった。それは「範囲攻撃はどう対処するのか?」だ。
食べて体内に入れることで魔力を分解するのがこの植物の特徴だ。だが、口に入れることができないのであれば?と試してみると表面が焦げつくのだった。
吸収はできないのだった。サボテンという熱い環境下でも生きていくことができる植物を採用し、魔物化した影響か、草木の弱点でもある火に耐性を持っているようだ。
弱点は、電気と氷と見た目と反した属性になっているのだった。まあ、知らなければ初見殺しとして使えるだろう。さらに気がつくことがあった。それは、魔力を蓄えた個体と蓄えていない個体との違いだ。
蓄えている方が魔法防御が上がっているのだ。その結果、雷の範囲攻撃にも耐えることができる個体が現れるのだった。だが、守るのに魔力を使っているのか、数回魔法を放てばその防御力を貫く力を持っているのだ。
この弱点属性を探すのに時間がかかったため、どれくらいの魔力なら消化できるのかの実験を行うことができないのだった。
(弱点がバレてしまったな。見た目が同じで弱点だけ違うのでも作るか)
対婆娑羅戦闘を想定し、そう考えているのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




