1624話
とりあえず、これで1回目の検証は終わりだ。数を多用してくるのが相手だったため、この方法が成り立つ。だが、相手が威力重視の場合は、この作戦が通用しないだろう。だから、相手の出方次第での後出しなら通用できるな。
欲しいのは確実性だ。そのため次の方法に行こうか。
「少し時間をもらっていい?」
作るのは簡単な水鉄砲だ。ウィンドボールの刻印が入った魔石を組み込むことで、魔力を流すことで水鉄砲内に、ウォンドボールが作られ圧力が上がる。その結果、中に入っている水が飛び出す仕組みだ。
魔法がボタンで出る仕組みは、魔法銃を作る時に行っているため簡単に再現できる。問題は水の補充方法だけだな。とりあえず、水魔法で簡単な水を作り出し、ケースを嵌め込むタイプで水鉄砲を動かしてみることにした。
ウィンドボールの数を増やすごとに圧力は上がっていく。その結果威力と射程が伸びていくのだった。ただ問題点がある。それは水鉄砲が圧力に我慢できず、銃口から吹き出してしまうことだ。
威力と射程は問題ない。ただ、出続けるのが勿体無いだけだ。圧力式の水鉄砲が出来上がるのだった。正直欲しかったのは射程だけだ。この問題点は解決したのだった。
「水鉄砲だな」
「うん、水鉄砲」
横からバサラが覗き込んでくるのだった。その銃口を向けると銃口に指を当て栓をする。
先端が壊れるのも回数をすればすぐにくるだろう。ウィンドボールを5個作り出すと、耐えきれずに爆発する。そのため、最高の射程を出すための圧力を出すには4つが限界だった。
魔法を使えない状態にするには口を封じることが理想だ。一瞬でもいいから、魔法を唱えることができないようにし、発動しそうになっている魔法をキャンセルする必要がある。
そうタバスコだ。ブートジョロキアのようなもっと辛いものがあれば、煮込んでから入れてもよかっただろう。あの魔物が辛いものが苦手であることを願う。
「ジャーン、タバスコ〜」
「なんで持ってるんだよ・・・」
「何ってドッキリ用?」
結構前からマジックバッグの奥底に眠っているのだ。それを使う時がきたのだった。こんな辛くするようなものを食べるわけがないじゃん。
ダンジョン内にいる魔物の食生活がわからないから、辛いものに食べ慣れているのなら、効かないだろう。その時は撤退が必須だな。
タバスコの瓶をひっくり返し、瓶の底を切り落とす。そして、ケースの中に流し込み、出していた水と混ぜるのだった。
タバスコ銃の完成だ。
「人には向けるなよ・・・」
「善処します」
風向き次第で味方に飛び、催涙スプレーのような役割になる可能性がある。だから、人に当たらないようにするのは不可能だった。
「タバスコか・・・。辛いのに耐性があった場合は?」
「だったとしても涎は出るよね?あれって熱い時だけだった?」
「いや両方とも出る」
「魔法を妨害するのが目的だからねー」
唱えているときによだれが邪魔をしたり、そのよだれを飲み込む時にも行動が割り込んでくる。そのため、一時的に動きを封じることが可能だ。
ウィンドボールを4つ作り出し、中の圧力を高め準備はできた。
52階層に再び踏み込むのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




