1614話
「グア”ー!!!」
と熊の鳴く声と咆哮を口から出すのだった。熊の降霊術には成功したようだ。
すると、周囲の出ていたスケルトンが崩れ、その骨たちが降霊術後のクマの体に纏わりつく。いわゆるボーンアーマーだ。
目の部分だけが守られておらず、それ以外は白い骨の鎧で覆われている。そして、森の中からも骨が飛んでくるのだった。その骨は、飛んでくる骨同士でぶつかり合い、尖り爪としての役割をこなす。
その出来上がった爪を振り下ろすのだった。戦い方はただの熊とは変わらない。爪を振り回し、斬撃を出すことが基本的な行動だった。
左右の爪を連続して放つことで、地面を抉りながら婆娑羅に攻撃を仕掛ける。それだけでは終わらない。姿勢を低くし、タックルついでに婆娑羅を拘束しようとするのだった。
と言っても回避をすれば問題ない。後ろに下がったり左右に動いたりすることで簡単に殺すことができるのだった。
ただ、魔力を吸収されては困るため、魔法は使われることはない。近寄り攻撃をしてくるだけの熊に脅威を感じない。熊からの攻撃を受けずに婆娑羅の攻撃は全て当たる形になるのだった。
骨を砕くことで接合部分をあまくする。そして、ボーンアーマは脱がされていくのだった。
最終的に熊は大量出血で倒れ死ぬのだった。もし、魔法を使っていれば、結果は変わっていただろう。ドロップは血濡れの黒熊の毛皮だった。
あの憑依として使っていた素材だ。どちらかというと戦い方を知るためにスキルブックが欲しかったところだ。てか弱体化しすぎだろ。
「これいる?」
「呪いは?」
「ついてない」
「スキルは?」
「防具の素材で確率で発動。スキルはステータス上昇系」
これを素材として防具を使うと、「血濡れ」のスキルが付与された防具が出来上がるらしい。効果は簡単で返り血や自分の血がついているとステータスが上昇するというものだ。体が血で染まるごとにステータスが上昇していくらしい。
圧倒的有利な状況をさらに有利に進めるか、不利な状況から打開するためのスキルだろう。獣が持っているのなら、強いスキルだろう。体や服を洗うことでこのスキルが発動できなくなる。強いかと言われると発動できればとなるだろう。
「パイトスに改造してもらうから、使う」
そう言いながら婆娑羅はその熊の皮をマジックバッグの中に入れるのだった。
「周回はする?」
「うちはどっちでもー」
「ならするか〜」
「目的は?」
「もちろんスキルブック」
あの斧とか銃が手に入ったとしても弾数が限られているとかで使えない可能性が高い。欲しいのはスキルブックだけになる。そんなわけでこの階層の周回が始まったのだった。
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IFルート:魔法を使って戦闘をしていた場合(スケルトンの処分をせずにきていた場合)
魔法を使って熊を追い詰めていくのだった。熊の体は自身の血で赤く染まり、息絶えるのだった。だが、周囲の魔力を吸収し、生前の姿にまで戻る。その姿は黒かった毛皮は、赤い血管がドクンドクンと動いている。
急に動きが急激に上がったことで、近くにいた婆娑羅が被害を受けるのだった。勝つことができたが被害が大きいのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




