1613話
婆娑羅の後ろを進んでいく。広い地形の前で婆娑羅は足を止めるのだった。その足元にはスケルトンがいるのだった。今回はしっかりと武器を持っている。だが一番厄介なのは銃だ。
そして、銃を持っていた2mほどの巨体の男の反対の手には斧が持たれているのだった。左手に銃、右手に斧と言ったパターンだ。
「スケルトンは?」
「足止めしてきた」
任したと言った存在がここにきているのだから、そう不思議になっても仕方がない。
「雑魚の足止めは頼んだ」
「はいはい。さっさと始めるよ」
「わかった」
土砂を流し込み、スケルトンや巨漢もろとも足を拘束するのだった。土砂と同時に婆娑羅が走り出す。色々な種類の槍を使うことはなく、一本の槍しか手に持っていないのだった。
俺の方を向いていた銃口は近寄る婆娑羅に変わる。即弾丸が飛ばされるのだった。だが、銃口が向き、瞬時の判断で横に避けることでその銃弾を回避する。動いた先は斧を持っている方だ。
そして、婆娑羅は槍を突き出す。狙いは腹部だ。鋭い一撃が腹部にあたろうとしている。巨漢の方は遠距離攻撃の手段が銃しかなく、避けられたことで斧の面で婆娑羅の槍を受け止めようとするのだった。
婆娑羅の槍が斧に当たる瞬間、婆娑羅の槍はぴたりと止まる。至近距離で魔法が放たれるのだった。
瞬時に放ったことで圧縮はされていないため、広範囲のものを焼き払う。斧を魔法が貫通することはないのだった。効果付きの斧なのだろう。
(スナイパーライフルで撃ち抜きて〜)
だが、撃ち抜いてしまうと怒られるのは目に見えている。そのため手を出すことができないのだった。
槍を一本分離させ、その場に放置する。束ねている方の槍を持ち、少し下がりながら遠くの方に持ち替え顔に向かって突きを放つ。だが、斧を縦に持ち替え、外に払うことで突きを防ぐのだった。
その行動に合わせて、体を捻り婆娑羅の方向に体を向ける。その手にはしっかりと銃が握られているのだった。銃口は長く、その分威力と命中精度が上がっている。この距離だと外さずに命中するだろう。
槍の石突の方で銃を叩くことで銃口が外にずれる。その後すぐに銃声がなることからぎりぎりだったのだ。
穂先の方で銃口を叩いていた場合、銃口が切れる可能性が現れる。もちろん敵は爆発も覚悟で放ってくるため、その方法をとるわけにもいかない。そのため、銃口を確実に逸らすために石突きの方で銃口を叩いたのだった。
弾かれた弾丸はその方向にあった木の幹を貫く。最初のは手抜きだったようだ。変則的に曲がることもチャージもない。ただの威力に特化しただけの弾丸だったようだ。
渾身の一撃が失敗したのと、穂先が下に向いていた槍が上に婆娑羅の方に石突きを向けながら回転をする。それにより敵の体は斜め上に切り裂かれるのだった。死にかけの敵は危ない。そう判断している婆娑羅は、すぐに後ろに下がる。
あの巨漢は月を見上げ、1粒のカプセルを飲み込む。そして、
「憑依」
と唱えるのだった。被っている熊の毛皮の色が黒くなり、巨漢自身の体を覆っていく。自分を触媒とした降霊術と魔力を使った生前の見た目を再現する。この2つの作業を同時に行っているのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




