1608話
場所はいつもの訓練場だ。特に打ち合わせも行わずに配信を始めるらしい。そして、配信開始のスイッチが押されるのだった。
「今回の企画者でもあり、義手を一番欲しているものRI001です」
「創造者のパイトス」
「魔改造者のバルバティアだ」
変にイジって改造していこうと思う。
「まずは、義手を作っていこうと思います」
「今の問題点は?」
「電気なので水に弱いところです」
市販品のものを改造する形なのか・・・。
「関節部分にスライム金属を使うとか?」
魔力切れが起きなければ、電気を使わずに済むため問題は解決できるのだった。
「魔力で動かせば、感電とかは起きないでしょ」
簡単に土魔法で手の形を作り出し、関節部分を切り離す。そこに棒状に形を変えたスライム金属を突き刺すのだった。そして、反対側からも突き刺すことで、スライム金属が表に出ない状況になる。
「大体、こんな感じでしょ。どう?」
玩具屋で売っているような、手が開いたり閉じたりするものが出来上がるのだった。パイトスが真っ先に反応し、義手もどきを取ると同時に、魔力を流し確認をするのだった。
「土のところを金属に帰る感じやろ?名前はスライム金属やったっけ?どうやって固定させるんや?」
「ネジかな〜。回しいれることで固定する感じ」
「一回焼くんか。中央だけ焼かん状態にすることでスライム金属を生かす感じか。これなら作れるで。リオ君はどうするんや?なんか案あるんかい?」
置いてけぼりのRI001にパイトスが話しかけるのだった。
「どちらかというと戦闘を想定した改造の方をお願いしたいです」
「無難にロケットパンチからかな?」
「いや、一発限定の大砲からやろ」
スキル構成的に魔法主体として戦うはずだ。となれば、大砲のような金属の塊を装着したとしても、それを動かすことができないはずだ。それなら、まだ動きやすいロケットパンチの方がいいだろう。互いに言い切った後RI001の方を見るのだった。
「あー、どちらも却下で」
「ほう理由は?」
「大砲は持ち歩けないからで、ロケットパンチの方は回収ができないからです」
「指から魔法を放つとか?」
指先からか、指が折れてその中からかはわからない。だが、その辺りから魔法が使えると義手兼杖の媒体として使うことができるだろう。擬似的な魔法銃になる。
「無難にメリケンサックでもいいだろ」
「棘かー俺は、刃に変わる方が好きだな・・・」
「間とって切り替え式やな」
「いいねそれ」
「RI001〜近接武器って何が使えんの?」
「短剣ですね」
「肘あたりにブレード刺すところを追加かな?あと、格闘術もトレーニングしないといけないから、今つけたとしても意味はないかな?」
掌に高威力の一撃必殺の魔法を入れてもよさそうだな。魔力消費は大きいから、隠し球的な感じでもいいな。
時間が経ち、大まかな見た目が出来上がるのだった。通常の数倍ほどの大きさになったものが出来上がるのだった。
まず、内部は肘をひねることで取り外しが可能となる。そして、肘を外すと砲身が頭を出し、銃を放つことができる状態になるのだ。まずは1つ目の攻撃手段だ。
次に2つ目の攻撃手段は手首だ。手首を回すことで刀身が顕になり短剣として扱うことができる。もちろん掌から飛び出させることも可能だ。その際は腕についているレバーを掌方向に上げることで使用できる仕組みだ。
さらに2つ目の攻撃方法は、指を全てから魔法が飛ばされるというものだ。飛ぶ魔法はバレット系の魔法となっている。そして、指の第二と三関節の隙間に棘のメリケンサックが装備されているのだった。
掌には大きめの魔石が組み込まれており、ライトランスが刻印されている魔石が置かれているのだった。残念なことにロケットパンチや大砲は装備できなかった。
結局これら全て却下され、リセットされた状態に戻るのだった。それにより、コメント欄や俺たちからのブーイングにさらされている。
「仕方ない。まじめにするか〜」
と、まじめに考えようとしていた時だった。時間切れにつき配信が終わるのだった。結局何も進まなかった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




